サムスンによるフラッグラインとして知られるGalaxy Sシリーズ。Androidというカテゴリを作り上げたと言っても過言ではない、長い歴史と高い評価を誇るサムスンの看板シリーズラインです。
Galaxy S21シリーズの正式発表が1月14日に迫っていることから、ここで一度Galaxy Sシリーズをざっくりと振り返っていきます。
サムスンのシリーズ分類
シリーズライン | 特徴 | 日本展開 |
Galaxy S | 代表的なフラッグシップ | MNO(docomo・auメイン) |
Galaxy Note | Sペン搭載のフラッグシップ | MNO(docomo・au) |
Galaxy Z | 折り畳みスマホ | MNO(docomo・au) |
Galaxy A | 万人におすすめできる | MNO・MVNO各社 |
Galaxy M | バッテリー容量が強み | なし |
Galaxy F | Mシリーズのクローン? | なし |
現行のGalaxy(スマホ)にはフラッグシップのSシリーズ、スペックのバランスがよく取れたAシリーズ、そしてバッテリー容量最重視のMシリーズなどが存在します。中でも今回解説するGalaxy Sシリーズは日本でもDocomoとauの二社が昔から取り扱いをしており、多くのユーザーが一度はその名前を聞いたり、実際に手に取ったことがあるでしょう。
Galaxy Sシリーズの特徴
Galaxy Sシリーズの最大の特徴はその当時の最高峰ともいえるチップセットを採用し、サムスンの技術力を最大限に詰め込んだフラッグシップラインであることです。間違いなくサムスンが最も力を入れているシリーズラインであり、時代と市場の流行の変化に合わせて柔軟に対応していることは明らかです。しかし、それは同シリーズが最も売れていることを意味するわけではありません。サムスンの最も人気なシリーズラインはGalaxy Aシリーズで、Galaxy Sはプレミアム体験をセールスポイントとしています。
同じGalaxy Sシリーズの機種であっても、販売される国によって搭載するチップセットが自社製Exynosと相応するスペックのQualcomm製Snapdragon 800番台に分けられることがあります。Samsung Payと呼ばれる決済系機能やGood Lockなども国によっては使えないため、これらの点はユーザーにとって問題となりやすいです。
チップセットの違いですが、多くの場合はExynosよりもSnapdragonを搭載した個体の方が好まれる傾向にあります。これはベンチマーク上の性能がやや上を行くだけでなく、Exynosの放熱性能、バッテリー制御などが理由とされています。
ざっくりと歴代機種の振り返り
サムスンは2010年にGalaxy Sを発表します。驚くことに同社はこの時期からSuper AMOLEDをディスプレイに採用することを強みとしており、その品質に多くのユーザーが魅了されました。AndroidをベースとしたTouchWizはその使いやすさから、Samsung Experienceの登場まで親しまれました。
それから世界的ヒットとなるGalaxy S3シリーズや、風船ボーイが印象的なGalaxy S4が続いて登場。これらも当然ながら日本で発売され、国内のソニー(ソニーモバイル)の製品と並んでAndroidカテゴリを盛り上げます。Galaxy S5はバッテリー容量が増えたり防水防塵に対応するなどのアップグレードがありましたが、厚く重くなった本体やデザイン性の低い背面バックパネルが不評でした。
筆者にとって忘れられないのは当時のサムスンの世界観が詰まったGalaxy S4。これを上回る機種はこの先も出てこないと思っています。
Galaxy S6シリーズになりワイヤレス充電に対応すると同時に、バッテリーの取り外しが不可能になりました(修理目的の取り外しは可能)。この頃からフラッグシップらしい高級感も兼ね備えるようになります。Galaxy S8シリーズと続くGalaxy S9シリーズではベゼルありの大画面ディスプレイで人気を得ます。
Galaxy S10シリーズではこれまで縦に並べていたカメラレンズを横並びに変更。別機種で試験的に採用をしたパンチホール型カメラも、ここで本格投入します。事情があり、次なる新作はGalaxy S11シリーズというネーミングではなく、Galaxy S20とナンバリングのルールを変更します(Noteシリーズに続き)。Galaxy S20シリーズでは最新の5Gチップセットを採用するのはもちろん、デザインの変更やUltra・FEラインナップの追加などが行われました。
Galaxy Sシリーズの購入についての筆者の意見 - S9シリーズ以降を狙うべき
Galaxy Sシリーズですが、フラッグシップラインであるため、多少古いモデルでも問題なく使用が可能です。ただし、Galaxy Sシリーズ含むサムスンの機種を多く所有してきた筆者の意見では、2021年1月現在はGalaxy S9シリーズ以降でないとおすすめができません。
Galaxy S8シリーズはGalaxy S9シリーズに比べて軽量でデザインもシンプルなことが特徴ですが、やはりSoC性能には差があること、ソフトウェアサポートもOne UI 1.0番台で止まっていることが2021年の今では問題となってしまいます。
一方でGalaxy S9シリーズは現時点で最新の、Android 11ベースのOne UI 3.0番台(最終)までがサポートされています。日本国内でもdocomo版とau版ともに中古価格も落ちているため、かなりねらい目だと言えます。Galaxy S10シリーズになると、まだ新品白ロムを国内でも入手できることがあるでしょう(楽天モバイルでもSIMフリー機を取扱っています。)Galaxy S20シリーズは予算が足りないというユーザーに強くおすすめできます。
シリーズライン内で筆者が最もおすすめできるのはGalaxy S20 FE 5Gです。日本での入手は難しいですが、2020年のサムスンで最高レベルのコスパを誇る機種です。フラットディスプレイ採用であることは一部のユーザーにとってマイナスとなるでしょう。しかし、Snapdragon 865に25Wの高速充電が可能な4,500mAhのバッテリー、ストレージ系からカメラまで全てが満足できるスペックでも価格が低めに抑えられています。
Galaxy S21シリーズの発表は1月14日に迫っています。スペックや価格に関するリークは多くでていますが、それが全て正しいとは限りません。正式発表に注目しましょう。
手榴弾じゃん