イノベーションをすべての人に。そんなXiaomiの企業理念をダイレクトに感じられる一台。
世界初64MPカメラ、そしてMediaTekの新SoC「Helio G90T」を搭載しさらに2万円台という低価格で登場し、話題となったRedmi Note 8 Pro。その前モデルとなるRedmi Note 7 Proが、48MPと当時最大の画素数を引っさげ驚きの低価格で登場したことは記憶に新しいのではないでしょうか。そのRedmi Noteシリーズ最新作が、最新のスペックでフル武装して帰ってきました。
スマートフォンのカメラの画素数のインフレが激しい現在、世界初6400万画素センサーを搭載するRedmi Note 8 Proですが、果たしてどのようなカメラパフォーマンスを見せてくれるのか。
本機を1週間程使用して、良かった点や気になった点をレビューします。
Redmi Note 8 Proとは?:Xiaomiのコスパ重視ブランドRedmiの中でも人気の高いNoteシリーズの上位機種
良いところ:多機能なカメラ、一日以上は持つ大容量バッテリー
残念なところ:粗さが目立つ超広角カメラ、動画手振れ補正が限られている
目次
購入金額・購入方法・購入時期
購入金額:約26,000円
購入方法:Giztopから
購入時期:9月初旬
購入は、Aliexpressと迷いましたがそちらだと到着までに30-50日と書いてあり、できるだけ早くほしかったのでGiztopというサイトから購入しました。約3,000円のオプションの速達(DHL/TNT)便で9日で届きました。
こちらのサイトでの購入は今回が三回目となりますが、8月中旬頃には一週間ほどサイトがダウンしアクセスできず、メアドもドメインがなくなり繋がらなくなるなど少々不安が残るサイトです。
一方、発売してすぐの端末が他のサイトと比べて良心的な価格であったり、クリアランスセールなどで一世代前の端末が他と比べてもかなり安いといった長所があります。
化粧箱・付属品
内容物は
- 端末本体
- クリアケース
- Type-Cケーブル
- 18W対応充電器
- 取扱説明書、保証書
- SIMピン
となっています。
充電器は従来のものより全体的に少し大きめ。
また付属のケースはしっかりと正面の淵を覆っており、さらに内側がザラザラしているため外れにくくなっています。付属のケースの中でも悪くない出来ではないでしょうか。
しかし、このケースで気になった点が、USB Type-Cポートがキャップ式で覆われており、充電の度にその部分を開けなければならないこと。充電時に毎回開けるのは少し面倒に感じました。気になる方は端末と一緒にケースを購入することをおすすめします。
スペック
基本スペック | |
---|---|
ディスプレイ | 6.53インチ, 1080 x 2340, IPSディスプレイ, 395ppi |
サイズ | 161.3 x 76.4 x 8.8mm, 199g |
システム | |
OS | Android 9.0 (Pie) |
Soc | Mediatek Helio G90T |
CPU | 2x Cortex-A76 & 6x Cortex-A55 8コア, 2.05 GHz |
メモリ(RAM) | 6GB / 8GB |
ストレージ | 64GB / 128GB, sd_card microSD最大256GBまでSIM2スロットを使用 |
カメラ | |
メインカメラ | camera_rear 64 + 8 + 2 + 2MP, F値/1.8, クアッドカメラ |
前面カメラ | camera_front 20MP, F値/2.0 |
センサ類 | 指紋認証センサ, 加速度センサ, 近接センサ, ジャイロ |
機能 | 防水 非対応, イヤホンジャック あり |
バッテリー | battery_charging_fullType-C 1.0, 4500mAh |
デザイン
中央の黒から両端にかけて段々と深緑になっていくグラディエントカラーとなっています。パターンはRedmi K20シリーズに似ていますが、Redmi K20などに見られる炎のようなアクセントの模様はなく、より落ち着いた見た目となっています。
背面はガラスで、見た目質感共に高級感があり、これが約2.5万円のミッドレンジだとは思えないほどの仕上がりです。ただ、ガラスであるため指紋がつきやすいです。
SIMトレイはNano SIM×2またはNano SIM×1+SDカードのハイブリッドとなっています。
処理性能
SoCは、本機が採用初となるMediaTek Helio G90Tを搭載しています。
antutuスコア(バージョン7.2.3)はSnapdragon 730Gに迫る約22万点を叩き出しています。
肝心のゲーミングでは、PUBGは画質はデフォルトでHighに設定され、HDR&ウルトラ&REALISM設定でも途中カクつくことなく快適にプレイをすることができました。
普段使いでも、Snapdragon 845を搭載したMi 8 Proと比べて遜色ないスムーズさです。
今までMi 8 Proを使用していて、ホーム画面で下スワイプした際に通知画面が降りてくるのがワンテンポ遅くて気になっていたのですが、Redmi Note 8 Proだととてもスムーズになっています。
発熱
また、Youtube上にはRedmi Note 8 Proはとても熱くなるといったレビューもありましたが、充電中と一時間PUBGをプレイした後のCPU付近の温度をサーモセンサーで計測したところ、36度~38度ほどでそれ以上熱くなることはありませんでした。
ソフトウェア
OSはAndroidベースのMIUIで、購入後2回アップデートがあり現在はMIUI 10.4.8.0となっています。
本機は中国大陸版なため、対応言語は英語、中国語など合計5つしかなく、日本語には対応していません。(国際版は日本語対応)
プリインストールされているアプリはカレンダーや電卓といった基本的なものに加え、大陸版には付き物のXiaomi製アプリストアやMi Wallet等、中国国外ではあまり使わないアプリがあります。
残念ながらほとんどのそういったアプリはアンインストールできない上、中国ROMではデフォルトのブラウザがXiaomi製のもの固定で変更できなかったりと不便なため、国際版を買うことをオススメします。
追記(2019/10/21):デフォルトのブラウザですが、設定を見落としており変更は可能でした。Apps>Manage apps>右上の3つの点ボタン>Default apps>Browser から可能です。
ダークモード
本機のディスプレイはAMOLEDではなくLCDですが、ダークモードがあります。
AMOLEDディスプレイ搭載機のようにバッテリー消費を抑える効果はありませんが、暗い環境での使用時に目の疲労を和らげることができるでしょう。
ギャラリー
以前のXiaomi端末では、ウォーターマーク有で撮影をしたら取り除くことができませんでしたが、編集画面にて取り除くことが可能となっています。逆に、後からウォーターマークを付けることはできません。
また、ギャラリーアプリ内では撮った写真の編集が可能で、Mi CC 9と共に発表された画像内の空をプリセットのものに置き換えるSky Replacementも既に実装されています。
指紋認証、顔認証
指紋認証は従来の物理センサーであるため、とても速いです。
顔認証はやはりMi 8 Proよりも遅く、一拍置いてロックされる感じです。ただ、それでも充分に速いため実用では問題ありません。しかしRedmi Note 8 Proの顔認証はインカメラのみを使用したものとなっておりiPhoneのFace ID等よりも安全性は劣るため注意が必要です。
ディスプレイ
ディスプレイは2340×1080、6.53インチで19.5:9のLCDディスプレイ。最近はミッドレンジモデルでもAMOLEDディスプレイを搭載していることも多いですが、LCDでも色は十分綺麗です。
これまでAMOLEDディスプレイを搭載したMi 8 Proを使用していましたが、個人的には気にならないレベルです。しかし、黒の美しさに関してはやはりAMOLEDに分があると感じます。
Mi 8 Proの6.21インチと比べ、6.53インチと画面が大きいためか、ミスタイプや「ん」を入力する際にホーム画面に戻ってしまうことが多々ありました。今まで小さい画面の端末を使っていた方は、慣れるまで少し時間がかかるかもしれません。
カメラ
カメラ構成は以下の通りです。
・6400万画素F1.9、メインレンズ
・800万画素F2.2、超広角レンズ
・200万画素F2.4、マクロレンズ
・200万画素F2.4、深度レンズ
世界初の6400万画素に加え、最近のトレンドである超広角からマクロまで広範囲をカバーしており、文句のつけようがない構成です。
※64MPの画像はサイズの都合上、解像度を落としてあります。ご了承ください。
昼間
やはり本機の何よりの特徴は6400万画素でしょう。ぱっと見あまり変わりはないように見えますが、ズームすると違いがわかります。
上の画像の一部を切り取ったものがこちらになります。
また下の画像は他の16MPと64MPの画像のクロップです。
こうしてみるとその細かさがよくわかります。しかし逆にこうまでしなければあまり違いはわからないため、ズーム前提または大きくプリントしたりといった用途でない場合は16MPで充分だと感じました。
夜景
これらのクロップです。
16MPと比べ、64MPでは若干白飛びが抑えられているもののどんぐりの背比べで、夜景モードの優秀さが一際目立ちます。
夜景モードはメインカメラでしか使えず、超広角カメラではやはりノイズが目立ちます。
マクロ・ポートレート
本機はマクロレンズを搭載しているため、被写体を超至近距離で撮影することが可能です。
こちらはメインカメラで新聞を接写したものですが、近すぎるためフォーカスが合っていません。ですが、マクロレンズに切り替えると…
ご覧の通り、はっきりと文字が見えるようになります。さらに…
最大で被写体より2㎝くらいの距離で撮影することが可能です。
こちらの画像は、ポートレートモードで撮影した写真を、わかりやすくするためにF値を1まで下げたものです。深度センサーのおかげか、遠いものはよりボケがかかっておりしっかりとした印象です。しかし、木を見てみると上部はかなりボケがかかっている一方、下部は全くかかっておらず木など細かいものの処理は苦手のように感じました。
ビデオ
ビデオは、メインカメラで最高4K30fps、超広角カメラで1080p30fps、マクロカメラで720p30fpsの撮影が可能です。スローモーション撮影は120、240、960fpsの三種類となっており、120fpsでは1080pでの撮影ができる一方240、960fpsでは720p固定となっています。
Redmi Note 8 Proは電子手ブレ補正(EIS)をサポートしていますが、どうやら720p30fpsと1080p30fpsのみ適用されるようです。また、残念ながら動画撮影中にカメラを切り替えることはできません。
バッテリー・充電速度
Redmi Note 8 Proのバッテリーは4,500mAhと大容量です。主に動画の視聴やSNS、そして少しゲームをプレイしましたが、一日半持ちました。ヘビーユーザーであれば一日、ライトユーザーであれば二日は余裕で持つことでしょう。
充電速度は、付属の18W充電器では、それまで毎分1%充電していたのが60分を過ぎたところで速度が落ち、満充電まで二時間を超える結果となりました。最近は40Wや50W充電などで一時間あるいは一時間半以内に満充電となる端末も多いですが、4,500mAhという大容量で約2.5万円ということを考慮すれば悪くない結果ではないでしょうか。
音質
スピーカーは本体下部に搭載されているモノラルスピーカーのみとなっています。上部にあるものは通話用スピーカーとなっており、通話以外では音が出ることはありません。
音質は、最大音量は十分に大きく音割れすることもありません。Mi 8 Proよりも若干大きいように感じました。
Redmi Note 8 Proはイヤホンジャックを搭載しているので、音にこだわりたい方はお好きなイヤホンまたはヘッドフォンを使用すれば問題ないでしょう。
まとめ「さすがはXiaomi」
世界初64MPカメラ、超広角からマクロカメラまで。さらに4500mAh大容量バッテリーを搭載するなど最先端からトレンドまでこれでもかとつぎ込んだ上での約2.5万円という低価格。イノベーションをすべての人に、利益率ギリギリでも良いスマホを売る、というXiaomiの情熱がひしひしと伝わってくる一台です。
◎良い点
- 美しく、落ち着いたデザイン
- 性能は一昔前のハイエンドモデル並み
- 多機能なカメラ、64MPは飾りじゃない
- 大容量バッテリー
- 総合して突出したコストパフォーマンス
×残念な点
- 超広角カメラはノイズが目立つ
- 指紋が付きやすい
- 中国モデルに限ってシステムOSが日本語非対応、不要なアプリが多い
このRedmi Note 8 Proは、お手頃価格で最新のテクノロジーを身近に感じられる、そんな一台でした。今後、同様に様々なメーカーから64MPカメラ搭載の端末が出てくることでしょう。しかし、それらの迫りくる波に埋もれずに光り続ける、そんな魅力がこの端末にはあると思います。これからも、こういった端末をXiaomiは出してくるのだと思うととても楽しみです。
カメラ結構出っ張ってるんだね