ZTEは1日、世界で初めて画面内インカメラなどを搭載した商用スマートフォン、「ZTE Axon 20 5G」を発表しました。SoCにはSnapdragon 765Gが採用され、5Gに対応したミドルハイクラスのスマートフォンとなっています。
3万円台半ばの安さで中国で9月10日に発売されます。
注目の画面内インカメラ
ZTE Axon 20 5Gの画面内インカメラは、太いベゼルの間でも、ノッチの隙間でもなく、文字通り「画面の真下」に置かれています。8月中旬にZTEが本製品の登場を予告したときから、世界初の画面内インカメラは大きな話題になっていました。
画面内インカメラの最大のメリットは、スマホ本体の面積のうち、ディスプレイの表示部分がインカメラによって損なわれる心配がないこと。2017年にiPhone XやEssentialPhone PH-1が「ベゼルレスディスプレイ」の波をもたらしてから3年、業界はついに究極のベゼルレスを実現させました。
原理的には、Galaxy S10やHuawei P30などで搭載され始めた、「画面内指紋センサー」と同じ仕組みが採用されています。有機EL(OLED)ディスプレイの特性を活かし、ディスプレイの一部で上手く光を透過させることにより、指紋センサーやカメラの動作に支障をきたさない機構が設計されています。
完成形ではないとの指摘も
ZTE Axon 20 5Gの発表を受け、WEB上では発表会で配信されたものを含むいくつかの実機映像が共有されています。
こちらのZTE Axon 20 5Gの写真のうち、インカメラ部分に注目してみると、そこには何やら明らかな違和感があります。この周囲のディスプレイとは異なるモザイク状のエリアは、昨年OPPOやXiaomiが初めてお披露目した画面内インカメラのデモ映像で見られたものと酷似しており、同じ問題が発生してしまっていると推察することが可能です。
モザイクが発生してしまう要因については、過去にXiaomiの副社長がWeiboでミニ解説を投稿しています。その後、つい先日にXiaomiが公開した「第3世代」の画面内インカメラデモでは、このモザイクはすっきりと隠されました。
比較的先行して開発が進んでいたとみられるOPPOやXiaomiではなく、ZTEという思いも寄らないところから初の商用化がなされたことは衝撃的ですが、そこにはこの製品が「不完全」な状態で発売されてしまったという面もあるのです。
その他スペック
残るスペックは、驚くべきインカメラとは対象的に一般的なミドルハイスマホと同じような構成です。
SoCは先述の通りSnapdragon 765Gで、ミドルレンジSoCの中では最高峰であるものの、ハイエンドと呼ばれるものでは有りません。5Gに対応し、4200mAhのバッテリーにType-C端子から最大30Wの高速充電を受け付けています。イヤホンジャックは無く、指紋センサーやスピーカーまでもがインカメラと同じように画面内に設置されています。
microSDカードにも対応し、最大2TBの拡張が可能です。
画面内インカメラが埋め込まれているディスプレイは1080 x 2460のFHD+,AMOLED,90Hz駆動のもので、画面サイズは6.92インチとなかなか巨大です。
アウトカメラは64MP広角、8MP超広角、2MPマクロ、2MP深度のクアッド構成です。正直、特に面白みはありません。
価格が非常に安価
カラーはブラック・オレンジ・ブルー・パープルの4色で、それぞれ6+128GBモデル、8+128GBモデル、8+256GBモデルの3つのバリエーションが用意されています。価格は以下のとおりです。
- 6+128GBモデル - 2198元(約3万4000円)
- 8+128GBモデル - 2498元(約3万9000円)
- 8+256GBモデル - 2798元(約4万3000円)
最小モデルでは約3万4000円と、ミドルハイ級の性能に加え画面内インカメラの存在も考慮すれば非常に安価であることは自明です。画面内インカメラにいくつかの不具合があるとは言え、世界初の技術を3万円台で試すことができるとすれば驚異的な安さです。
Source:ZTE
インカメラの画像が出回ってないから、画質が分からないのがなぁ…