Huaweiのフラッグシップスマートフォンといえば、カメラ性能に力が入ったPシリーズと総合的な使いやすさを重視したMateシリーズがあります。これらの中でも最新機種のHuawei P40 Pro 5Gは日本でも今月から絶賛発売中です。
Huawei P40 Pro 5Gの目玉機能はやはりカメラ。メインカメラは世界最大級の1/1.28インチであり、光をより多く取り込めるRYYBセンサーを採用しています。望遠カメラは光学5倍式であり、最大で10倍のハイブリットズームに対応。これらに加え、40MPの超広角カメラと3DToFカメラを採用しています。
一方で、Huaweiは昨年よりアメリカ合衆国のエンティティーリスト(取引禁止リスト)に加えられ、アメリカの企業と取引することができない状況です。そのため、Googleと契約できず、Google Playストア等のGoogle製サービスを利用できません。
Huawei P40 Pro 5Gは代わりにHuawei AppGalleryを始めとするHMSを搭載し、アプリの拡充を図っていますが、利用できるアプリの数は発展途上です。
今回はHuawei P40 Pro 5Gのレビュー用実機をお借りすることができましたのでレビューしていきます。注目のカメラ性能とHMSの使い勝手は果たしてどうなのでしょうか?この2点にフォーカスしていきます。
※今回お借りしたのはレビュー用の端末です。発売済みの製品版とは異なる部分もありますのでご注意ください。
目次
Huawei P40 Pro 5Gのスペック概要
Huawei P40 Pro 5GはSoCがKirin 990 5Gオクタコアプロセッサー、RAM(メモリ)は8GB、ストレージは256GBです。
SoCのKirin 990 5GはMate 30 Proにも搭載されているもので、2019年の9月に発表されたものです。Antutuベンチマークスコアでは45万点となっています。
実際にAntutuベンチマークを測ってみましたが、約46万点という結果となりました。反応も上々で、ストレスは一切ないスペックとなっています。
驚くべき点は発熱が少ないこと。約1週間という短いレビュー期間でしたが、ベンチマーク中に発熱はあまりなく、使っていても熱くなったことはあまりありませんでした。
かなり熱くなったのは初期設定のときと、輝度最大カメラをオンにして炎天下の中を徘徊していたときぐらいでした。
OSはAndroid 10ベースのEMUI 10.1です。初めてのEMUIでしたが違和感なく利用できました。
詳しいスペックはこちらをどうぞ
基本スペック | |
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ディスプレイ | 6.58インチ, 1200 x 2640, 有機ELディスプレイ, -ppi |
サイズ | 158.2 x 72.6 x 9.0mm, 209g |
システム | |
OS | Android 10.0 |
Soc | Hisilicon Kirin 990 5G |
CPU | Cortex-A76 x4 + Cortex-A55 x4 8コア, 2.86 GHz |
メモリ(RAM) | 8GB |
ストレージ | 256GB, sd_card microSD最大Nano Memory 256GBまでSIM2スロットを使用 |
カメラ | |
メインカメラ | camera_rear ToF + 50 + 12 + 40MP, F値/1.8, クアッドカメラ, OIS(光学手ぶれ補正), デュアルトーンLEDフラッシュ, PDAF, 5x光学ズーム |
メインカメラ特徴 | camera |
前面カメラ | camera_front ToF + 32MP, F値/2.2, デュアルカメラ |
センサ類 | 画面内指紋認証センサ, 加速度センサ, 近接センサ, ジャイロ, コンパス, 顔認証ロック |
機能 | 防水 IPX 8, 水面下での使用が可能, イヤホンジャック なし |
バッテリー | battery_charging_full3.1, Type-C 1.0, 4200mAh |
美しいディスプレイが目を引く外観
では早速開封をしていきます。外箱にはLeicaのロゴマークとAppGalleryのロゴが。カメラ性能と、AppGallery搭載であることを全面に推しています。
豊富な同梱物
今回お借りしたのがレビュー用の海外版であるため、同梱物は、
- 40W急速充電対応ACアダプター
- 40W急速充電対応USB-A to USB-Cケーブル
- ハイレゾ対応イヤホン
- 説明書
- 保証書
- SIMピン
でした。日本版はACアダプターが日本のコンセントに対応したコンパクトなものである上、これらに加えてクリアケースが付属しています。
Huawei P40 Pro 5Gに付属のACアダプターは10V4Aの40Wの高速充電、「Huawei SuperCharge」に対応したものです。USB-A to USB-Cケーブルも40W Huawei SuperChargeに対応した、USB-A端子の接続部分が紫色のケーブルとなっています。
付属イヤホンはハイレゾに対応したオープンエアー型のイヤホンです。あまり期待していなかったのですが、試しにSpotifyで音楽を聞いてみたところ想像以上の音質を出してくれました!
とくに低音がすごく、ベースの音がくっきりとしていてかなり好印象です。環境音がよく聞こえるオープンエアー型であることが賛否両論になりそうですが、単純に音質でいうとかなりいいです。
本体の作りはまさに一級品!
本体の外観も見ていきましょう。
背面は巨大なカメラユニットが目立ちます。今回お借りしたカラーはシルバーフロストなのですが、本体はマットなグレーであり、サラサラとした触感が気持ちいいです。指紋も目立たず、質感は素晴らしいです。
本体上部はアンテナ線が2本とマイク、そしてリモコン用の赤外線センサーがあります。
下部にもアンテナ線2本と、SIMスロット、マイク、USB-Cポート、そしてスピーカーが並んでいます。
SIMスロットはnanoSIM1枚とnanoSIMもう一枚もしくはストレージ増強用のNMカードが入ります。(NMカードとnanoSIMカードは同じサイズのため)なお、Huawei P40 Pro 5Gは物理SIMスロットはデュアルSIMですが、それに加えてeSIMにも対応しています。
右側は電源ボタンと音量ボタンがあります。細かいところですが、ボタンの出っ張っている量とストロークが大きめで、カーブディスプレイでボタンが細いのに今まで使ってきたどのスマートフォンよりも押しやすかったです。
横から見るとかなりわかりやすいですが、巨大なカメラユニットの影響で本体が大きく傾いています。手に持って操作する分には大きな問題はありませんが、裸の状態で机において操作したいときは注意です。
なお、左側はアンテナ線が1本あるだけでした。
Huawei P40 Pro 5Gのデザインの最大の特徴は4辺すべてがカーブした「クアッドカーブオーバーフローディスプレイ」を採用していること。左右だけでなく上下にもディスプレイが回り込んでおり、正面から見るとディスプレイをそのまま手にしているような感覚になります。
ちなみによく見てみると左右にはディスプレイが入っているのですが、上下はフラットなところまでしかディスプレイがありません。
ディスプレイは6.58インチ、2640 x 1200ピクセル、リフレッシュレート90Hzの有機ELディスプレイです。かなり明るく、発色も素晴らしいディスプレイです。
デュアルインカメラのパンチホールが若干大きいですが、使用していて気になったシーンはありませんでした。
太陽光があたっている状態で最大輝度にするとこんな感じ。美しいディスプレイが維持されており、しっかりと画面が見えますね。
本体横幅は72.6mmでなんとか片手操作が可能なぐらい、重量は209gと重めですがぎっしりつまってる感があって意外と悪くはないです。
ディスプレイ内指紋認証に対応しています。認証速度は普通に早いですが、驚くべきところはその精度です。レビュー期間中で指紋認証に失敗したことは一度もなく、非常に素晴らしいです。
外観ですが、スマートフォン本体は美しく、作りも最高です。所有欲を満たされる一級品であると言えるでしょう。
最高品質のカメラ機能、コンデジはもういらない
まずはHuawei P40 Pro 5Gの目玉機能、カメラについて見ていきましょう。
カメラのスペックは以下の通り。
- ウルトラビジョン広角カメラ:50MP、1/1.28インチ、F1.9、23mm相当(27mm相当にクロップ)、RYYBイメージセンサー、光学式手ブレ補正
- 超広角シネマカメラ:40MP、1/1.54インチ、F1.8、18mm相当(0.66倍ズーム)
- スーパーセンシング望遠カメラ:12MP、F3.4、125mm相当(5倍ズーム)、光学式手ブレ補正
- 3D被写界深度カメラ
左から望遠カメラ、広角カメラ、超広角カメラ。下の段はマイク、3DToFカメラ、デュアルフラッシュ。
メインカメラが1/1.28インチと最大級のイメージセンサーを搭載しており、高級コンパクトデジカメの1インチに迫るサイズとなっています。また、RGGBではなくRYYB配列と、イメージセンサーのカラーフィルターに緑の代わりに黄色を採用することでより多くの光を取り込め、明るい写真を撮影することが可能です。なお、レンズ自体は23mm相当の画角ですが、実際の撮影時には27mm相当にクロップされます。5000万画素のRAW撮影を行うと23mm相当で撮影可能となります。
超広角カメラもイメージセンサーが1/1.54インチと巨大であり、手が抜かれていません。
望遠カメラは125mm相当と、かなりの望遠撮影が可能です。光学式手ブレ補正も搭載されており、使いやすそうです。
カメラユニットには「LEICA VARIO-SUMMILUX-H 1:1.8-3.4/18-125 ASPH.」との記載が。ドイツの光学機器メーカー、Leicaとの共同開発のカメラとなっています。
Leicaファンからすると「F1.8なのにSUMMARITじゃないんだ」という気もしますが、調べてみたところHuawei P10シリーズからF1.8でSUMMILUXでした。VARIO-SUMMILUX、ASPH.あたりの文字が期待を膨らませてくれます。
それでは作例を見ていきましょう!なお、どの写真もタップで拡大できますので拡大表示したいときはタップしてみてくださいね。
また、特筆なければノートリミング、ノーレタッチ、つまり編集なしの写真となっています。
画角は0.66倍と5倍
まずは3つのカメラの画角の違いを見ていきましょう。
(広角カメラで撮影、1/50秒、ISO250)
まずは広角カメラの27mm相当の写真。イメージセンサーに黄色のカラーフィルターがあるためか黄色の発色が素晴らしいです。
(超広角カメラで撮影、1/33秒、ISO400)
こちらは0.66倍、18mm相当の超広角カメラです。競合他社と比べると控えめな数値となっています。
(望遠カメラで撮影、1/20秒、ISO640)
それではお待ちかね、5倍ズームです。
天井の模様一つ一つがつぶさに見て取れます。スマートフォンのワンタップでここまで望遠撮影ができるのは初めて触ると驚きますね。
ナイトモードでハッとするような夜景写真が撮影可能
ありえない腕の角度で撮影したので上下反転してます...
Huawei P40 Pro 5Gのカメラを使っていて驚いたのがナイトモードの性能です。ナイトモードで撮影すると時間が立つにつれてみるみる写真が明るくなっていき、見ていてワクワクしますし楽しいです。
(超広角カメラで撮影、7秒、ISO250)
撮影できた写真がこんな感じ。ビルのディテールが残っており、全体的に明るい写真に仕上がっています。
個人的には夜景は青がある方が美しいと思いますので、編集ソフトで色味などを調整してみました。少しいじれば作品として使えそうなレベルまで化けます。
(広角カメラで撮影、6秒、ISO250)
1/1.28インチRYYBセンサーのメインカメラで撮影するとこんなにも明るく、美しい写真になります。拡大してみてもノイズが目立つことのなく、くっきりと写っています。
光の少ないビルもコンクリートの質感が残っていること、コントラストの低い雲の模様がしっかりと描画されていること、水に濡れたコンクリートの反射の妖艶な空気感がわかること、ダイナミックレンジが広いことなどが素晴らしいです。ノー編集でこれですよ?これが撮影できたときは興奮しましたね...
Kirin 990 5GのISPとNPUを搭載したHUAWEI XD Fusion Engineだからこそ撮れた写真だと言えるでしょう。
(超広角カメラで撮影、19秒、ISO100)
気をつけなければならないのが超広角カメラ。超広角カメラには光学式手ブレ補正が搭載されていないため、ナイトモードで手ブレが発生する場合があります。
超広角カメラの画角が狭い!
超広角カメラの画角には不満があります。18mm相当はかなり狭めで、先程掲載したこの写真も本当はビルの上部まで写したかったのにできませんでした。
競合他社は12-14mm前後、一眼カメラの超広角ズームでも16mmまで撮影できます。そのことを踏まえるともうちょっと頑張ってほしかったです。とはいえ超広角カメラも1/1.54インチのなかなか巨大なセンサーですので、レンズの設計が相当難しくなるんだろうなぁとは思いますが...
アパーチャーモードでボケ写真を撮影
Huawei P40 Proには3DToFカメラが搭載されており、精度の高い深度測定が可能です。
(広角カメラで撮影、1/50秒、ISO50)
これはアパーチャーモードでF1.4に設定した写真です。これだけコントラストの違う被写体であれば切り抜きもうまくいっており、一眼カメラで撮ったといってもわからないレベルになってきますね。
(F0.95とF16の違い)
大きく拡大してみるとぼかしたいときのくっきり感が失われているような気もしますが、ぼかすという処理上どうしようもないですね。
くっきり感と背景ボケのバランスのいい適正なF値を選ぶといいのかもしれません。
5倍望遠は素晴らしいが使うシーンを選ぶ?
プリズム機構のため四角になった望遠カメラ(左端)
5倍望遠カメラの性能もなかなかいいです。Huawei P40 Pro 5Gは5倍望遠を達成するために、カメラユニットを横にして組み込み、プリズムを利用して光を屈折させて取り込むという力技を利用しています。
(望遠カメラ、1/33秒、ISO1600)
一般的に望遠カメラはレンズの明るさを示すF値が大きく、手ブレ防止のためにシャッタスピードも早くする必要があるため、夜景には向かないです。しかし、Huawei P40 Pro 5Gの望遠カメラは大丈夫。
一般的に手ブレのない適正なシャッタースピードは、1/焦点距離ですが、125mm相当でも光学式手ブレ補正で1/125秒の4倍の1/33秒のシャッタースピードでもブレることがありません。
また、光のあたっていない車と光源のショーケースという最悪のコンディションながら、白飛びせずに店内まで写し撮れています。ISO1600まで上がっているため流石にちょっとノイズが見られますが、かなり良好な結果となりました。
(望遠カメラで撮影、1/25秒、ISO1250)
この写真が撮れたときは本当に驚きました。ノイズも少なくくっきりとしており、葉っぱ一枚一枚の透明感も写し撮れています。夜の望遠カメラでここまで撮れるのは驚きです。
昼間の5倍望遠はなかなかいい写真が撮影できます。125mm相当とかなりの望遠であるため、遠くにある飛行機もこのように大きく写すことが可能です。
デジタルズームも併用するとこの通り。画質は落ちますが飛行機のエンジンの形など、手にとるようにわかりますね。
(望遠カメラで撮影、5秒、ISO320)
また、望遠カメラに搭載されている強力な光学式手ブレ補正を活用して、広角カメラ同様にナイトモードを利用することが可能です。
5秒間の露出で光があたっていないスカイツリーの展望台部分の模様も鮮明に見て取れます。また、頂点の青い光が白飛びしていないことや、スカイツリーにかかっている靄が僅かに見れるところなど、カメラ性能の高さがよく分かる一枚になっています。
しかし、125mm相当という画角が曲者です。一眼カメラユーザーであればズームレンズの望遠端は70mmか105mmであることが多いでしょう。125mmはそれよりも微妙に画角が狭く、スナップ等で利用しづらいです。といっても超望遠というほどでもないため、シーンを選ぶカメラだなと感じました。
おなじくHuaweiの、日本未発売の上位モデルであるP40 Pro+が光学3倍(75mm相当)と光学10倍(250mm相当)であり、一眼ユーザーからするとこの構成のほうが使いやすい気がします。
色味がおかしくなるシーンあり
(広角カメラで撮影、1/50秒、ISO100)
これは赤い靴のオブジェを撮影したものですが、靴の先端の赤い花の色味がおかしいです。目視では鮮やかな赤なのですが、Huawei P40 Pro 5Gの広角カメラで撮影した写真では光があたっているところが黄色になっています。
ディスプレイがRGGB配列、メインの広角カメラはRYYBセンサーであることから色味の処理がおかしくなることがあるのかな?と思っていたのですが、
(超広角カメラで撮影、1/50秒、ISO160)
超広角カメラでも傾向は違えど色味に違和感がありました。同じ被写体なのですが、ブルーがかっている印象です。
色味の処理はもうちょっと進化の余地があるのかもしれません。
通行人を削除する機能が便利!
Huawei P40 Pro 5Gには高度な処理技術を活用することで、写り込んでしまった歩行者を削除する機能が搭載されています。
この機能はアニメーション写真をオンにして写真を撮ったとき、公式のギャラリーアプリの編集機能で利用することが可能です。削除後に写真の色味の傾向が若干変わってしまいますが、なかなか便利な機能です。
とはいえ、2人以上の通行人や、ごちゃごちゃした背景のとき、左右ではなく前後の人の移動のときは「通行人が検出されませんでした」のエラーが発生します。難しいかもしれませんがこれからのアップデートに期待です。
反射を低減する機能が使えそう!
また、Huawei P40 Pro 5GにはAIを利用した反射低減機能が搭載されています。
これも通行人の削除同様に公式のギャラリーアプリの編集機能で利用することが可能です。
反射を完全に取り除くことは不可能ですが、ある程度抑えることは可能です。これで車内での撮影など、どうしても反射してしまうシーンでより高クオリティな写真が撮影可能です。
水族館での撮影が捗りそうな予感がしますね。都合が合えば水族館へ撮影に行きたかったのですが...
ビデオの手ブレ補正も優秀
Vlogユーザーが増えている中、動画撮影性能も大事になっていますよね。Huawei P40 Pro 5Gは動画の性能も抜かりありません。
動画撮影時は超広角から15倍望遠までスムーズにズーム可能です。また、手ブレ補正もよく効いており、望遠撮影時にもしっかりと手ブレ補正されています。
動画を利用することで動くが早くて捉えにくい野鳥もしっかり撮影できました。これは本当にすごい!
動画性能についてはYouTube上で詳しくレビューしていますのでよろしければこちらもご覧ください。(10:25-12:00あたりです。)
その他作例集
(広角カメラで撮影、1/613秒、ISO50)
アパーチャーモードで撮影した日の丸構図のアジサイです。解像感が高く、花びら一枚一枚の模様まで写し撮れています。左側の背景ボケのざわつきはちょっと気になるかも。
(一眼カメラで撮影)
実は冒頭のディスプレイの項目で表示していたアジサイの写真はこの写真でした。こんなに拡大しても綺麗なままなのはすごいことです。
(広角カメラで撮影、1/5882秒、ISO50)
こちらも花の写真。花と葉っぱの原色が色鮮やかに残せています。
(広角カメラで撮影、1/50秒、ISO200)
広角カメラでぱっととった夜景写真です。ガラスに付いた水滴が大きな前ボケを生み出していて幻想的です。
ここまでボケが大きくなるのも1/1.28インチの巨大イメージセンサーとF1.9の明るいレンズのおかげです。これほど大きい前ボケが出ることに感動しました。
丸ボケの中はいわゆるぐるぐるボケ、年輪ボケとなっています。とはいえレンズ名にASPH.(アスフェリカル)とあるように、非球面レンズが使われているためしょうがないことです。
(超広角カメラで撮影、8秒、ISO200)
超広角カメラで撮影したスカイツリーです。動くエスカレーターでも長時間露光のナイトモードでくっきりと写るんですね。
狭めの18mmとはいえ、少し構図を工夫すれば迫力のある写真が撮影できます。
(望遠カメラで撮影、1/25秒、ISO1250)
こちらは望遠レンズで撮り鉄をしたものになります。
電車は動いているため方向幕の文字が全く見えないものの、光が豊富な踏切は鮮明であり、光の少ない遠くのビルもくっきりとしています。
電車のヘッドライトがあたった線路がきれいですね。
カメラ性能の評価まとめ
いろいろと不満点も述べましたが、総じてカメラ性能はかなりクオリティが高いと思います。
撮れる写真はクセがあるものもありますが、基本的に高クオリティですし何より撮影していて楽しいです。
好きなところ
○すべてのカメラで解像感、ダイナミックレンジがすばらしく、全体的にクオリティが高い
○望遠カメラの非日常感がいい
○ナイトモードの完成度が高い
○通行人削除機能、反射低減機能が優秀
気になるところ
×超広角カメラはもっと広く写せると良かった
×超広角カメラにも光学式手ブレ補正が欲しかった
×色味の調整にちょっと不満がある
×望遠カメラの画角がちょっと使いにくい(P40 Pro+の構成が使いやすい?)
ここであげた気になるところは重箱の隅をつついたようなものでして、基本的には大満足のカメラ性能でした。
スマートフォン選びの基準で1番目にカメラ性能が来る筆者からすると、かなり魅力的な端末でした。もはやコンデジいらずなのでは?という気すらしてきます。
筆者はRX100M5を持っていますが、コンデジは忠実にその場の様子を写し取る生の写真が、Huawei P40 Pro 5GはSNS映えする調理済みの写真が撮れます。撮れた写真だけを見るとHuawei P40 Pro 5Gのほうがきれいです。それに、ナイトモードといった様々な機能があり、単体での撮影の幅が広いのはHuawei P40 Pro 5Gの方だと思いますよ。
Googleなしでも意外といけるぞ!
カメラ性能の次に気になるのはGoogle製のアプリが搭載されていないことでしょう。
Huaweiはアメリカ政府による制裁を受け、GMSやGoogle製のアプリを搭載することができません。その代わりにHMS、Huawei AppGalleryを利用することができます。
AppGalleryの充実具合は?
肝心のHuawei AppGalleryですが、残念ながらお世辞にも充実しているとはいえません。
Huawei AppGalleryのみで利用できたものは、プリインストールの電話や写真ギャラリーなどの基本機能以外では以下の通り。
- LINE(後述の通りLINE Payは利用不可)
- Microsoft Office
- NAVITIME
- Zoom
私が使うアプリだとこれぐらいです。他にもTikTok、Snapchat等がありました。
QuickAppのメルカリとWeb版のYouTube。それぞれ右下にアイコンが付く。
アプリの他に、インストール不要の高速アプリである「QuickApp」もあります。これらには、
- メルカリ
- クックパット
- ヤマト運輸
といったサービスがありました。こちらも充実しているとはいえませんがアプリ同様に利用可能です。
Google系のサービスはWeb版を利用することである程度対応可能です。Gmailは公式のメールアプリでも代用可能ですし、YouTubeもWeb上で視聴可能ですので不便には感じませんでした。唯一困ったのが、
- Google Mapsでナビなどの現在地を利用したサービスが使えない
- Google Photoで自動バックアップができない
の2つのみでした。前者はNAVITIMEで、後者は手動バックアップで我慢するかHuaweiのクラウドもしくはAmazon Photosで代用可能です。
Huawei P40 Pro 5Gの購入でNAVITIMEが1年間とU-NEXTが6ヶ月間無料!
NAVITIMEのナビ機能は有料であり、このままでは地図が使えなくなってしまうHuawei P40 Pro 5Gですが、Huaweiは対象のスマートフォンの購入者全員にNAVITIMEプレミアムコースが1年間も無料になるキャンペーンを開催しています。
対象のスマートフォンはHuawei P40 Pro 5Gに加えてHuawei P40 lite 5G、そしてHuawei P40 lite Eとなっています。キャンペーンは9/12までの期間限定。これで1年間は安心できますが、1年以内に十分使い物になる地図アプリをAppGalleryに掲載してほしいですね。
また、AppGalleryではNetflixやAmazonプライムビデオ等が利用できないため、代わりにU-NEXTが6ヶ月間無料になるキャンペーンも開催しています。
こちらはHuawei P40 Pro 5Gの購入者のみで、9/30日までとなっています。
どちらもAppGalleryアプリのバナーより応募可能ですので、Huawei P40 Pro 5Gを購入した方はぜひ利用しましょう。特にNAVITIMEは必須レベルです。
Source : Huawei
ウィッシュリストに追加すると欲しいアプリが早期に登場するかも?
YouTubeと調べたときの検索結果
Huawei AppGalleryではアプリを検索すると、「インストール」「入手」「追加」の3つの項目が見られます。それぞれ
- インストール:アプリとしてインストールする
- 入手:Web版へ遷移、ホーム上にアイコンを作成する
- 追加:ウィッシュリストに追加する
となっています。
インストールできるアプリが少ないことが問題ですが、「入手」という選択肢があって、擬似的に利用できる仕組みとなっているのはいいですね。
また、ウィッシュリストに追加された回数が多いアプリに関してはHuaweiが優先的に対応するそうです。気になるアプリがありましたら積極的にウィッシュリストに追加するといいでしょう。
Amazonアプリストアの導入でより快適に
ここからは裏技的な話になりますが、実はHuawei端末にはAmazonがFireタブレットシリーズ向けのアプリストアとして展開しているAmazonアプリストアをインストールすることができます。Amazon公式サイトからAmazonアプリストアをインストールし、そこからアプリをインストールすればかなり幅が広がります。具体的には
- Spotify
- 各種Amazon系サービス
がインストール可能でした。今の所どれも普通に動作し、アップデートも可能です。
APKファイルを使ってインストールするのも可能
Amazonアプリストアにも無いアプリは最後の手段としてAPK PureといったWebサイトで野良APKファイルを使ったインストールで追加することが可能です。
ただ、野良APKはコンピューターウイルスやバックドアの危険性が排除できない上、アップデートも各自手動でする必要があり、その都度セキュリティの心配があるためオススメはしません。
といっても自分が使いたいアプリで、AppGalleryにもAmazonアプリストアにもなく、Web版でも代用できず、野良APKがどうしても必要なアプリはRakuten Linkとslackぐらいでしたよ。(ちなみにRakuten Linkは認証不可でした。残念。)
モバイル決済はどうしてもできない
PayPay、LINE Payといったモバイル決済アプリはセキュリティの関係なのかGMS前提で設計されているかわかりませんが、HMS下では利用できないようです。
Huawei P40 Pro 5Gではモバイル決済はほとんどできませんのでご注意ください。
【注意喚起】GMSの導入はおすすめできない危険な行為です
様々なサイトでHuawei端末にGMSを導入する方法が紹介されていますが、私はオススメしません。
というのも、GMSはオープンソースではなく、Googleと端末を製造するメーカーとライセンス契約をして初めて利用できるサービスです。HuaweiはGoogleとそのライセンス契約ができない状況にあります。
そこに無理やりGMSを導入することは明確なライセンス違反行為であり、場合によっては違法行為となる可能性があります。
定められたルールの範囲内でスマートフォンを楽しむようにしましょう。
これからの成長に期待
残念ながら、現状のHMSシステムでは中国在住でもない限り「Huawei P40 Pro 5Gをメイン機として使おう!」と皆さんに言えません。アプリ基盤はまだまだ脆弱といえるでしょう。私はHuawei P40 Pro 5Gを使っていて、Google機能が一切使えない大陸版のMi 4Cを使っていた頃を思い出しました。
しかし、AppGalleryトップページにサポートセンターがあることや、「入手」によるWebアプリの追加や「追加」によるウィッシュリスト制度、そしてNAVITIMEとU-NEXT無料キャンペーンなど、Huaweiがアプリがないながらも快適に利用してもらえるように努力している様子は伝わりました。実際、AppGalleryの仕組みを理解できるとWeb版をホームアイコンに追加することなどが簡単にできるようになりました。
つい先日にLINEが登場したことなど、これからもAppGalleryは対応アプリが拡充していくものだと思われます。まだまだ発展途上と言ったかたちですのでこれからの成長に期待です。
その他細かいところについて
双方向ワイヤレス充電が便利!
Huawei P40 Pro 5Gはバッテリー周りが優秀です。
バッテリーは大容量の4,200mAhのバッテリー、充電は40Wの急速充電、27Wの急速ワイヤレス充電に対応します。実際に使ってみても余裕で1日持つため、快適に利用することができます。
また、ワイヤレス充電は双方向で可能。同じくQi対応のスマートフォンや完全ワイヤレスイヤホンと言ったデバイスに対して充電することが可能です。
防水性能は最高
Huawei P40 Pro 5GはIP68の防水性能を達成しています。どんなシーンでも安心して利用することができますね。
FeliCa非対応
Huawei P40 Pro 5Gはほぼグローバル版と同じ仕様となっているため、NFCには対応しますがFeliCaには対応しません。前述の通りQRコード決済は利用できない上、おサイフケータイも非対応であることからスマホ決済はほとんどできません。
まとめ:スマホ機能付きカメラといってもいい機種
Huawei P40 Pro 5Gは本体スペックだけでなくカメラ、ディスプレイ、バッテリー、防水性能などほぼ完璧なハードウェア性能を誇る一台です。
特にカメラ性能は特筆すべきレベルで高品質であり、美しい写真がかんたんにバンバン撮れました。コンデジ代わりに購入するというのもありかもしれないです。私もポチってしまいそうです...
それだけに残念なのがソフトウェアです。実際に使ってみると意外と問題なく使えますが、それでもGoogleはあるにこしたことはありません。
カメラ性能が大きく目立っていることから、Huawei P40 Proは「スマホ機能付きのカメラ」といってもいい機種なのかもしれません。
ファーウェイSummerキャンペーン開催中
Huaweiは7/31までに対象のHuawei商品を購入すると抽選で商品をプレゼントするキャンペーンを開催中です。
具体的には以下のとおりです。
- 「HUAWEI P40 Pro 5G」の購⼊者
→抽選で300名に「HUAWEI WATCH GT 2e」- 「HUAWEI P40 lite 5G」「HUAWEI P40 lite E」の購⼊者
→抽選で各1,000名(計2,000名)に「HUAWEI Band 4」- スマートフォン︓「HUAWEI P40 Pro 5G」「HUAWEI P40 lite 5G」「HUAWEI P40 lite E」、PC︓「HUAWEI MateBook X Pro NEW」、タブレット︓「HUAWEI MatePad Pro」「HUAWEI MatePad」「HUAWEI MatePad T8」、オーディオ︓「HUAWEI FreeBuds 3i」の購⼊者
→抽選で400名にJCB商品券5,000円分
Huawei P40 Pro 5Gの購入者には同社のスマートウォッチのHuawei Watch GT 2eとJCB商品券5,000円分が抽選で当たるチャンスがあります。購入済みの方はレシートをもって応募してみてはいかがでしょうか?
Source : Huawei
夜景が美しすぎる…