ピーキーなスマホです。
SHARPが国内発売しているSIMフリースマホ「AQUOS sense plus」を格安SIMのIIJmioからレンタルしたので、実機レビューを行いました。
AQUOS sense plusは昨年5月に発表され、8月から販売されているSIMフリースマートフォンです。AQUOSシリーズとしては初のSIMフリー専売モデルでもあります。
SHARPのスマホは公式ページのスペック情報がやや乏しく、実機を触ってみないとわからないことが沢山あります。このレビュー記事では、率直にAQUOS sense plusの良い点や悪い点を評価していきます。
目次
AQUOS sense plusの性能
基本スペック | |
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ディスプレイ | 5.5インチ, 1080 x 2160, IPSディスプレイ, ppi |
サイズ | 151.0 x 71.0 x 8.9mm, 157g |
システム | |
OS | Android 8.0 (Oreo) |
Soc | Qualcomm Snapdragon 630 |
CPU | Cortex-A53 8コア, 2.2 GHz |
メモリ(RAM) | 3GB |
ストレージ | 32GB, sd_card microSD最大400GBまで |
カメラ | |
メインカメラ | camera_rear 16.4MP, F値/-, LEDフラッシュ |
前面カメラ | camera_front 8MP |
センサ類 | 指紋認証センサ, 加速度センサ, 近接センサ, ジャイロ, コンパス, 顔認証ロック |
機能 | 防水 IPX 8, 水面下での使用が可能, イヤホンジャック あり |
その他特徴 | VoLTE |
バッテリー | battery_charging_fullType-C 1.0, 3100mAh |
ディスプレイの大きさは5.5インチと小さめ。海外スマホではあまり見られないおサイフケータイなど、様々なガラパゴス機能に対応していることが特徴です。シャープならではのIGZOディスプレイも搭載しています。
箱・付属品
写真を取り忘れてしまいましたが、箱はやや薄っぺらい雑な作りでした。プレミアム感などは皆無なので、純粋にスマホを保護する厚紙として捉えると良いと思います。
イヤホンは付属しておらず、充電器とコードが入っていました。他に、保証書とシンプルな操作ガイドが同梱されています。
デザイン・外観・ディスプレイ
今回レビューした本体のカラーバリエーションはホワイトです。他にベージュとブラックがあります。背面はプラスチックで、シンプルかつ地味な印象を受けます。ツヤ消し仕上げで光沢はほとんどありません。
上部から撮った本体です。イヤホンジャックが端末左上に位置していることがわかります。カメラは出っ張っていはいるものの、段差はとても小さいです。机に置いても本体がグラつきません。
側面は電源ボタンの上に音量ボタンが配置されています。これが曲者で、やや上に寄りすぎていて個人的には音量ボタンは押しづらかったです。また、ボタンを押し込んだときの感触はチープで、iPhoneのような「カチッと感」は感じられません。
側面もプラスチッキーで質感は低く、高級感はありません。
画面が小さく、横幅も狭いので握った時のホールド感はかなり良好です。本体は厚いものの、ゆるやかにラウンドしているのでむしろ持ちやすく感じます。持ちやすいからなのか、本体の重量は153gと平均的ですが手に持つと結構軽く感じます。
ディスプレイの発色は良好。フルHD+なので解像度も文句無しです。さすがSHARPといった所でしょうか。他のスマホと比較すると、色味は若干赤が強めでした。
正直に言うと変なデザインではないので悪目立ちはしませんが、本体はプラスチック感が強くお世辞にも質感が高いとは言えません。ツヤ消し仕上げも色に深みが出せずにプラスチック感を強調してしまっている気がします。ただ、指紋がつかない点はメリットです。
側面も安っぽい感触ですが、持ちやすさは抜群です。
ディスプレイはなかなか良いです。光の反射も激しく無いので直射日光下でもちゃんと見て操作することができました。
下部の指紋認証ボタンはかなり横長ですが、精度は良く認証速度もそこそこです。指紋認証ボタンは押し込むことはできません。
指紋認証ボタンをスワイプ・タップすることで「戻る・ホーム画面・アプリ一覧」のナビゲーションボタンの代わりにする設定にも変更できます。なお、AQUOS sense plusはセキュリティ的には推奨されないものの、簡易的な顔認証ロックにも対応しています。
独自機能 - のぞき見ブロック
AQUOS sense plusにはのぞき見ブロック機能があります。ガラケー時代から引き継がれているこの機能には懐かしさを感じます。
通知領域のアイコンをタップするだけで簡単にON/OFFができます。
ONにした状態がこちらです。ONにするとキラキラ反射する模様が表れると同時に画面も暗くなっているので、のぞき見ブロック機能の効果が実際どの程度あるかはわかりません。ただ、斜めから見ると確かに見えづらくなっています。
スマホは大画面である分電車内などで他人からも盗み見されやすいので、プライバシーを気にする人にとっては便利な機能です。
ソフトウェア
3月時点のAndroidバージョンは8.0(Oreo)でした。AQUOS sense plusのメモリ・ストレージ容量は一律3+32GBです。
通知領域もマナーモードのアイコンがカスタマイズされている以外はストックAndroidと全く変わらないデザインです。
基本的なUIはカスタマイズされていませんが、自動スクロール機能、画面端をスワイプするとスクリーンショットが自動で撮れる機能など、様々な独自機能もありました。スクリーンショット機能などは使いやすく、モノによっては役に立ちます。
一方で、設定画面に触れる必要が無いと表示されていた項目があったり、独自機能のAndroid OSへの統合は甘い印象です。ただ、細部に目をつむれば普通に使いやすいUIだと思います。
発売から2年間、最大2回のOSバージョンアップをSHARPが保証している点は魅力的です。
ロック画面は背景が自動で変わる仕様で、ニュースが下部に表示されます。
ベンチマーク
Antutu 7ベンチマークは総合点が88782です。国内発売の同価格帯のSIMフリースマホと比べると平均的なスコアだと思います。項目別にスコアを見ると、CPUが39557、GPUが19822、UXが24120、MEM(メモリ)が5173です。
CPUに絞って性能を評価するGeekbenchスコアはシングルが871、マルチコアが4209です。
実際の動作性能は悪くはなく、ゲーム以外の使用目的なら十分使えるレベルです。
カメラ性能
SIMフリースマホでかなり差が出るのがカメラ性能。SHARPはF値などカメラのスペックをほぼ公開していないので、実機のカメラ性能が気になる所です。初期設定のままオート撮影を行ったので、写真からカメラ性能を評価していきます (写真は加工なし・クリックで拡大可能)。
ディテールまでしっかり表現できています。影の部分も高い再現度です。
日光をバックにした木を撮影しました。やや白飛びしてしまっているものの、3万円台のスマホとしては健闘している方だと思います。色合いも良いと思います。
具材の境界がやや不鮮明ですが、色自体は悪くはなさそうです。画像加工・レタッチ次第で十分映える写真になると思います。
カメラ性能この価格帯のスマホとしてはかなり良い方です。色の再現度・描写力はかなり高いように思えます。写真撮影にこだわりは無いが旅行やイベントではとりあえず写真を撮ってSNSに上げたりもする、という方には自信を持っておすすめできるカメラです。
スピーカー音量・音質
スピーカーはステレオではなくモノラルです。イヤホンジャックは端末左上にあります。
端末から1メートル離れた地点で音楽・ピンクノイズ・アラーム音の最大音量を計測しました。結果は以下の通りです。
音楽(宇多田ヒカル・Firstloveサビ): 65.5 dB
ピンクノイズ: 71.9 dB
アラーム音: 76.2 dB
最大音量は小さいです。アラーム音は問題ないものの、このスマホでうるさい場所で音楽を聴くのは厳しそうです。
スピーカー音質は個人の感覚ですが、平均以下です。音の解像度が低い気がします。
AQUOS sense plusの評価・まとめ
優れている点
- かなり満足できるカメラ性能
- 安定のIGZOディスプレイ
- とっつきやすいUI
残念な点
- チープな見た目
- 完成度が気になるソフトウェア
- 小さいスピーカー音量・平均以下の音質
2019年3月現在の最安値はおよそ3万1000円。優れたディスプレイ・カメラ性能に対して残念な見た目・スピーカーと性能が両極端なモデルです。つまり、もしあなたがスピーカーで音楽を聴くことが少なく見た目に頓着しないのであれば、SIMフリースマホを買う際に非常に有力な選択肢に上るスマホです。
忘れてはならないのが防水防塵対応・おサイフケータイ / Felica対応であること。この2つに対応した数少ないSIMフリースマホとしてもAQUOS sense plusは特定ユーザーに響くと思います。
ユーザーを選ぶスマホですが、長所・短所をしっかり認識した上で購入すれば後悔はしないはずです。
なお、格安SIMのIIJmioではシェアNo.1キャンペーンとして、音声SIMとセットで購入する場合、通常価格3万6800円のところ、1万円でAQUOS sense plusを手に入れられるセールを行っています。
キャンペーンは3月22日までで、なくなり次第終了です。最短12ヶ月のSIM契約が必要ですが、それを考慮してもかなりお買い得なので、購入する際はIIJmioを検討してみてはいかがでしょうか。
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