スマートフォン業界の中でもとても熱い(暑い)インド市場。2020年の今となっては中華メーカーにそのシェアをほとんど奪われてしまいましたが、Micromaxという地場メーカーが存在感を見せていた時期がかつてありました。第三弾はインドの地場メーカーであるMicromaxを紹介します。
目次
Micromax
Micromaxはインド生まれの地場メーカーです。携帯電話・スマートフォンだけでなくテレビやエアコンなどの消費財も手掛けており、製造はインド国内の自社工場および中国で行っています。
2014年にはサムスンをマーケットシェアで超えていたという実績もある実力派。勢いのあった同年にはロシア市場へも進出を果しています。
インド市場の特徴をざっくりと
インド市場の特徴ですが、インド国内では年代を問わずガジェットに多少の関心を持った人が多い印象を受けます。よってスマートフォンなどのガジェットについてのリテラシーも持ち合わせている人が多く、コストパフォーマンスが本当に良い製品だけが人気となり、そうでない製品は見抜かれて淘汰されている傾向があると筆者は考えています。
つまりインド国内の消費者を惹きつけるには各メーカーもコストパフォーマンスに重点を置かなくてはならず、中途半端な製品では市場内で勝ち抜くことが難しいのが現状です。メーカー同士の競争もとてもシビアとなっています。一方で、20000ルピー(約35000円)以下のスマートフォンの需要が最も高いまだまだ成長途中の市場でもあります。
製品ラインナップ
Micromaxのコストパフォーマンスに優れたスマートフォンの中から一部をピックアップして紹介します。
Ione Note - 約15000円
約6インチのフルHDディスプレイにデュアルカメラ、64GB内蔵ストレージや3950mAhのバッテリーを備えたこの機種。秀でたセールスポイントはないように思えますが、全ての面でバランスがとれたスマートフォンとなっています。
Infinity N12 - 約22000円
6.2インチのディスプレイにHelio P22チップセット、3GB内蔵メモリなどが特徴のミドルレンジスマートフォンです。背面カメラは13MP+5MPのデュアル仕様になっています。
顧客ターゲット層を絞った戦略で成功
インド国内では低価格スマートフォンの需要もとても強く、Micromaxはそういったスマートフォンを求めるユーザーのみをターゲットとする戦略をとっていました。低価格の機種だけに特化したラインナップはインドでも多くの人から受け入れられ、勢いを伸ばしていきました。
サムスンなどの海外メーカーに先駆けてデュアルSIM対応のスマートフォンを発売したことで当時の業界をおどろかせたこともありました。
マーケットシェア - ここ数年で競争から離脱
Micromaxですが、実は現在のインド市場ではほとんど存在感をなくしてしまっているのが現状です。Counterpointの調査では2018年ごろまではOV(OPPO/vivo)と並ぶシェアを獲得できていました。2020年の今は市場での存在感が薄れています。
2016年代の初頭にはSamsungが先に見えるほどの高いシェアを獲得できており、まさに過去の栄光となってしまっています。
インド国内に4Gが普及し始め、同時に4Gスマートフォンの需要が増える中で、当時のMicromaxは4Gスマートフォン市場へスムーズに進出ができなかったといいます。加えて中華メーカーが勢いを伸ばしてきたことがシェア低下の原因とみられています。
インド市場で地場メーカーを再び見られる日は来るのか
Micromaxの他にもインドには地場メーカーがいくつか存在しています。LAVAはその一つですが、インド周辺諸国に進出するなど、現在もインド国外では健闘しています。
Micromaxを含むインド国内の地場メーカーは中華メーカーに対抗するための抜け道を探していく必要があるでしょう。
Source:Counterpoint
初期のAndroid One端末とかCyanogen OS端末とかで知ってたメーカーだ