多くのファンをこれまでに獲得し続けてきたサムスンのGalaxy Noteシリーズ。日本国内でも大手キャリア各社からプッシュされたことで歴代機種の多くが人気を得てきました。一方で現時点での最新ラインナップは2020年8月発売のGalaxy Note20シリーズであり、今後後継機種が発表されないとも噂がされています。
この記事では廃止の噂のある同シリーズのSペンにどれだけの価値があるのか、直近まで使用してきた経験から筆者の持つ意見を述べています。
目次
オピニオン① - NoteかSなら後者を選ぶだろう
サムスンによるGalaxyブランドのフラッグシップといえば、(折り畳み機を除くと)Galaxy NoteシリーズとGalaxy Sシリーズの二種になります。
どちらも優れたシリーズラインですが、筆者がこれまで好み続けてきたのは後者のGalaxy Sシリーズでした。Galaxy Noteシリーズは重量の問題から持ち運びが少々困難かつ、大きなサイズ感が手に馴染まないことから忌避してきました。また、Sペンを除けば二つのシリーズに大きな差はないことも理由として存在します。
オピニオン② - Sシリーズとの差はやはり小さいはずだ
前述の通り、筆者はGalaxy NoteシリーズとGalaxy Sシリーズで大きな差はないと考えます。現時点で所有する機種から二つのパターンとしてGalaxy S10/Galaxy Note10+とGalaxy S9+/Galaxy Note9を以下で比較します。
Galaxy S10/Galaxy Note10+の比較
モデル | Galaxy S10 | Galaxy Note10+ |
ディスプレイ | 6.1インチ | 6.8インチ |
重量 | 157g | 196g |
チップセット | Snapdragon 855(Exynos 9820) | Snapdragon 855(Exynos 9825) |
バッテリー | 3,400mAh / 15W高速充電 | 4,300mAh / 15W高速充電(別売り充電器で45W高速充電対応) |
Galaxy S9+/Galaxy Note9の比較
モデル | Galaxy S9+ | Galaxy Note9 |
ディスプレイ | 6.2インチ | 6.4インチ |
重量 | 189g | 201g |
チップセット | Snapdragon 845(Exynos 9810) | Snapdragon 845(Exynos 9810) |
バッテリー | 3,500mAh / 15W高速充電 | 4,000mAh / 15W高速充電 |
筆者は実際に上記のペアを使用してきましたが、大きな違いとして感じたのはSペンの有無とバッテリー容量のみです。ディスプレイサイズは0.2インチ違いますが、実際に使ってみるとその差は小さいです。筆者の場合はSペンを使う機会が少なかったため、Galaxy S9+でなくGalaxy Note9を選ぶ恩恵はバッテリー持ちしかありませんでした。
バッテリーを除けばGalaxy S10やGalaxy S9+の方が丸みを帯びたデザインにより手に馴染むため、Galaxy Noteシリーズに大きな魅力を感じるのは難しいと筆者は総じて感じます。
オピニオン③ - 両者の価格差に価値を見出すことは難しい
Galaxy SシリーズとGalaxy Noteシリーズの二種はフラッグシップラインであるためマーケットでの価格は高く維持されます。Galaxy Sシリーズの方が定価が安いため、Galaxy Noteシリーズは前者よりも新古ともに価格が高くなる傾向にもあります。
Sペンの差額に価値を見出せないのであれば、Galaxy Noteシリーズではなく価格が安いGalaxy Sシリーズを選ぶ消費者が多くなるのは当然のことです。
アジアのスマホ市場を数多く見てきた筆者ですが、型落ちのGalaxy Sシリーズの新品を見つけるのには苦労をしました。型落ちのGalaxy Noteシリーズは在庫がある店舗も見られ、Galaxy Note9やGalaxy Note10シリーズであれば正規ルートの新品を手に入れることも可能です(2021年時点)。このことから、筆者は世界的にGalaxy Noteシリーズは需要が薄いと見ています。
オピニオン④ - 「書く」アクションはタブレットに勝らない
Galaxy Noteの最大の特徴であるSペンですが、これは「書く」というアクションをスマートフォンで可能にしています。しかし、iPadやGalaxy Tabシリーズでスタイラスペンの使用が一般化し、アプリ側の対応も進んだことでSペンの独自性や必要性は下がっていると言えるでしょう。
「書く」アクションは全てタブレットで完結するようになり、スマートフォンにその必要性は求められなくなっています。これではGalaxy Noteシリーズが廃止となるのは不思議ではありません。
結論 - Galaxy NoteシリーズはGalaxy Sシリーズからの差別化に苦労しており、廃止の動きは自然である
結論として、Galaxy NoteシリーズはGalaxy Sシリーズからの差別化が2021年の今もできていないと筆者は感じます。最大の違いであるSペンという特徴も、それを必要とするユーザーが多くなければGalaxy Sシリーズとの価格差は購買意欲を薄めるだけに終わります。
今後のサムスンがフラッグシップラインをGalaxy Sシリーズだけに単一化し、Sペンを「オプション」とすることで、既存のGalaxy NoteユーザーとGalaxy Sユーザーの両方を保持することが可能になるのではないでしょうか。
代々Noteのほうが評価高かったと思うが