Galaxyのデュアルアパーチャーよ、さようなら【コラム】

Samsungの最新フラッグシップモデルで、日本でも5Gモデルとして登場したGalaxy S20。SoCはハイスペックながらも値段が高いと噂のSnapdragon 865を搭載し、最大100倍ズーム可能なトリプルカメラを備えています。

そんなGalaxy S20ですが、前機種のGalaxy S10には搭載され、Galaxy S20で廃止となったものがあります。そうです、デュアルアパーチャーです。

デュアルアパーチャーとは?

デュアルアパーチャーとは、スマホカメラの2段階の可変絞りのことです。

そして絞りとは、レンズで光を集める際、人の瞳のように取り込む光を絞る羽状の部品のことです。

上のGIF動画のように、今までのGalaxyシリーズ(Galaxy S9以降~Sシリーズ・Noteシリーズ・Galaxy Fold)は、メインカメラにデュアルアパーチャーという名の2段階絞りを搭載していました。

この絞り機能、一眼カメラでは当たり前の機能ですが、スマートフォンでは搭載されてきませんでした。Samsungは、スマートフォンに初めて絞りを搭載したメーカーの一つなのです。

デュアルアパーチャーで画質向上

デュアルアパーチャーを搭載するメリットは、画質が向上することです。

一般的に絞りを絞ると、取り込む光の量が減る一方で、カメラレンズの収差の原因となるレンズの端が取り込む光をシャットアウトできるため、周辺までキリッとした写真を撮ることができます。

そのため、絞っても問題ないほど明るい屋外ではデュアルアパーチャーが機能し、よりシャキッとした写りになるというのがSamsungの謳い文句でした。

今までGalaxy S9, Galaxy S9+, Note9, S10e, S10, S10+, S10 5G, Fold, Note10, and Note10+(時代順)に搭載されてきたデュアルアパーチャーですが、この度Galaxy S20シリーズで廃止となりました。

デュアルアパーチャーは不要だったのか

では、デュアルアパーチャーは必要のない機能だったのでしょうか?

ここからは筆者の個人的見解となりますが、デュアルアパーチャーは廃止して正解だったと思います。

絞っても画質はそこまで変わらない

今回紹介したような機能を持っているスマートフォンは、Galaxyシリーズ以外にほとんどありません。

しかし、どのスマホカメラもSamsungと同等、もしくはそれ以上の評価を受けています。ハードウェアによる画質向上(つまりデュアルアパーチャーで絞る画質向上)よりもソフトウェアによる画質向上(画像処理エンジンなど)のほうが時代に合っていますし、ハードでやるにしてもイメージセンサー、レンズのアップデートのほうが合理的だろうと感じます。

被写界深度はソフトウェアで調整可能

Pixel 4による深度測定の様子

一眼カメラで絞りを絞るのは、被写界深度、つまりボケの量を調整するときです。絞れば絞るほどボケがなくなり、しゃきっとした写真になります。

しかし、スマホカメラはもともとボケの量が少なく、絞ったところで、ボケの量に変化はほとんどありません。それよりも、デュアルカメラやデュアルピクセルなどを用いた深度測定による被写界深度調整(いわゆるポートレートモード)を利用するほうが合理的です。

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ロングシャッターへの寄与も少ない

また、絞ることで意図的にシャッタースピードを伸ばし、面白い写真を撮るというのも一眼カメラではよく使われる手法です。

しかし、それは大きく絞った場合にしか使えません。GalaxyシリーズのようにF1.5をF2.4に絞る程度であれば、理論上(2.4/1.5)^2=2.56倍しかシャッタースピードが伸びません。一眼カメラではF2.4どころかF8からF16程度に絞る事が多いため、Galaxyのデュアルアパーチャーではロングシャッターの需要もないと言えそうです。

それよりは、比較明コンポジット撮影をするというように、ソフトウェアに頼るほうが有効でしょう。

バイバイ、デュアルアパーチャー

デュアルアパーチャーの機構。見るからに高そうなうえ、故障しそうでもある。

Galaxy S20から廃止となったSamsungのデュアルアパーチャー。効果が小さい一方で、特殊なハードウェアで原価が上がる原因となるこの機能を廃止したのは英断だったと思います。

デュアルアパーチャーは、これからは目にすることのない機能になると思います。スマホマニア的には面白い機能ではありますので、今後何らかの技術革新があり、性能のグレードアップとともに再登場してくれるといいですね。もっともそんな日は遠いだろうとは思いますが...

今回のGalaxy S20をはじめとした、キャリア各種の5Gスマホは下記からどうぞ。

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Source : Samsung(1), Samsung(2)

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Writer

Yusho Nakayama (旧Mo)
コメント見てますので安心してください。Moって読みづらくね?と思って名前を使うことにしました。どっちで呼んでも大丈夫です。 2013年にMNPを知ってからスマホオタクになった理系大学生。telektlistでは珍しいiOS派。 Twitter: @yushonakayama Instagram: @yushonakayama

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 コメント

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  1. 匿名 2020.04.03 23:43 ID:b0b10115f 返信

    スマホのカメラもギャラクシーも興味なかったので今初めてこんな機能があったことを知りました。
    一段階じゃ意味なさそう、壊れやすそうと全く同じ感想でした。
    しかしなんでサムスンはこれ作ろうと思ったんだろ?

  2. 匿名 2020.04.04 12:04 ID:5bb8ca9de 返信

    いまNote10+のグロ版使ってますが簡単にパッと明るさが変えられたからカメラ下手な自分にはありがたいんだけどな…
    あとハードウェアのギミックフェチな自分にとっては少し残念…
    Note20で復活したら即買いします

  3. 匿名 2020.04.04 15:02 ID:2bcc798a9 返信

    ハードウェアメーカーのサムスンならではの機能だったな