複雑なauの新料金プランを徹底解説。旧プランとの違いは?

auは最大4割値下げとなる新料金プランを発表しました。2017年以前の非分離プラン(「スーパーカケホ+データ定額1」と「LTE NET」に加入した場合)と比較して、4割値下げとなります。

本稿では新たに登場した「新auピタットプラン」、auスマートバリューと家族割プラスによって大幅な値下げを実現する「auフラットプラン 7プラス」、データ容量無制限の「auデータMAXプラン」についてそれぞれ解説します。

新auピタットプラン

「新auピタットプラン」は旧ピタットプランをアップデートしたもので、5段階定額から3段階定額に変更されています。

1段階目 ~4GB

もっとも安いのはデータ通信量が月1GB以下の場合です。

基本料金 2,680円 + LTE NET 300円 + データ定額料 0円=2,980円

となります。旧ピタットプランも0GB~1GBでは2,980円ですので金額は同じです。

注意点として、月1GB以下の利用では、「auスマートバリュー」の割引が適用外になります。auひかりなどの固定通信サービスやauスマートポートを利用中の方を対象にした割引サービス「auスマートバリュー」の割引が適用されるのは1GB以上の利用からです。

新auピタットプラン

2段階目 1~4GB

「新auピタットプラン」の2段階目となる1GB~4GBの利用ではデータ定額料が1,500円となります。1GB~4GB利用した際の月額は、

基本料金 2,680円 + LTE NET 300円 + データ定額料 1,500円= 4,480円

です。

旧プランでは1GB~2GBが3,980円、2GB~3GBが4,980円、3GB~5GBが5,980円だったため、2GB~4GBの利用では新プランは500円~1,500円の値下げとなります。

1GB~2GBの利用の場合に限り500円割高になります。ピタットプラン利用中で毎月2GB以下しか使わない方は乗り換える必要はありません。

3段階目 4~7GB

4~7GBではデータ定額料が3,000円です。

基本料金 2,680円 + LTE NET 300円 + データ定額料 3,000円=5,980円

となります。

5,980円は「新auピタットプラン」の上限金額で、これ以上高くなることはありません。4GB~5GBの利用で旧プランと同額、5GB以上の利用では旧プランの6,980円に対して1,000円安くなります。

月の上限金額は旧プランの6,980円から5,980円と安くなったものの、高速通信の上限は20GBから7GBに大幅に引き下げられているため7GB以上使用する方は注意が必要です。

一定して7GB以上利用する方には「auデータMAXプラン」がおすすめです。

新auピタットプランに適用可能な割引

「新auピタットプラン」では、auを利用中の家族の人数に応じて利用料金を割引く「家族割プラス」が利用できます。auで対象プランを利用中の家族が2人であれば月額から更に-500円。3人以上であれば-1,000円割引となります。

また月に1GB以上の利用であれば、au光などに同時加入することで「auスマートバリュー」の適用で、さらに-500円割引になります。

注意していただきたいのは、現在旧ピタットプラン利用中で毎月3GB以下しか使わず、かつ「auスマートバリュー」適用中の方です。旧ピタットプランでは、2GB以上の利用で割引額が永年-1,000円となっており、「新auピタットプラン」より500円高い割引金額が設定されています。新プランのメリットはありません。

どんなユーザーにおすすめ?

コンスタントに4GB以上利用する方には後述する「auフラットプラン7プラス」があるため、「新auピタットプラン」は毎月のデータ使用量に大きなばらつきがあり、月2GB~7GBの通信量の方におすすめのプランといえるでしょう。電話をよく使用される方の場合、従来の「auピタットプラン(スーパーカケホ)」などが安くなるケースがあります。

(※比較している旧ピタットプランの料金は、「auピタットプラン(シンプル)」のものです。また「auスマートバリュー」などの割引がない場合の料金となります。)

auフラットプラン7プラス

「auフラットプラン7プラス」は高速通信が月7GBまでの定額プランです。ピタットプランのような段階定額制ではないので、使っても使わなくても毎月5,480円となります

これまで「auフラットプラン」には20GBまでのフラットプラン20と30GBまでフラットプラン30がありましたが、新ピタットプラン同様となる7GB上限のプランが用意されたことになります。

「auフラットプラン7プラス」は、対象となるSNSが使い放題になるサービスが標準で付属しています。+メッセージ、Facebook、Instagram、Twitterでの通信がカウントフリーになります。LINEやTikTokは使い放題の対象外ですので注意が必要ですが、ハードにSNSを使われる方にとっては使い放題の恩恵は大きいでしょう。

また、auの速度制限時の通信速度は通常128kbpsですが「auフラットプラン7プラス」では月間利用データ量が7GB超過後も300kbpsの通信速度で利用が可能です。

auフラットプラン7プラスに適用可能な割引

「auフラットプラン7プラス」は「家族割プラス」の適用が可能です。auで対象プランを利用中の家族が2人であれば月額から更に-500円。3人以上であれば-1,000円割引となります。

auに家族がいない方でも、2019年6月1日から同9月30日の期間中、加入した家族の人数に関わらず、「家族割プラス」の最大割引額同等の月々1,000円を割り引く「家族割プラス スタートキャンペーン」の割引対象となります。

「auスマートバリュー」の適用で、さらに-1,000円割引になり、最大割引で月額3,480円となります。

どんなユーザーにおすすめ?

「auフラットプラン7プラス」は定額制ですが、月々のデータ使用量が一定して4GBを超えるのであれば「新auピタットプラン」よりも「auフラットプラン7プラス」を選択する方がお得です。月4GB~7GBの利用であれば「新auピタットプラン」より500円安く、かつ「auスマートバリュー」の割引額も500円大きくなります。

auは75%近くのユーザーが月7GB未満の利用であると発表しており、かなりの数のユーザーが「auフラットプラン7プラス」の対象内に収まるとしています。7GB以上を使うハードユーザーには、後述する「auデータMAXプラン」がおすすめとなります。

auスマートフォンの2019年1月から2019年3月平均利用データ

auデータMAXプラン

月7GB以上使う方にも、新たな料金プランが登場しました。auではデータ容量に上限のない「auデータMAXプラン」を今夏以降に提供開始予定です。「au データMAX プラン」は割引なしの場合、月額8,980円です。

音声通話込みで月間データ容量の上限のない新プランです。データ容量を気にすることなく、動画や音楽などのさまざまなサービスやアプリを楽しめます。

注意点

LTEが使い放題なら自宅の光回線を解約しちゃおうと考える方もいらっしゃるかもしれません。気をつけていただきたいのは、テザリングやデータシェア、国際ローミングを利用する場合、月間20GBの制限が設定される点です。スマホからのテザリングでPCやタブレットを利用するといったケースでは制限が適用となります。

またauは「動画配信、ストリーミングサービスなどの、大量のデータ通信または長時間接続をともなうサービスをご利用の際、通信速度を制限します」、「一定期間内に大量のデータ通信のご利用があったお客さまについて、混雑する時間帯の通信速度を制限します」としており、完全な無制限ではない点に注意が必要です。

au データMAX プランに適用可能な割引

「au データMAX プラン」は「家族割プラス」で、auの対象プランを利用中の家族が2人であれば月額から更に-500円。3人以上であれば-1,000円割引となります。また「auスマートバリュー」の適用で、翌月から永年-1,000円が割引となります。最大割引で月額6,980円からデータ無制限で利用することができます。

くわえて、適用の翌月から6ヶ月間、月-1,000円を割引く「auデータMAXプラン スタートキャンペーン」が用意されているため、半年間は月額5,980円となります。

新プランではテザリングが無料に

今回発表された「新auピタットプラン」「auフラットプラン7プラス」「au データMAX プラン」では、従来の料金プランでは月500円のオプションだったテザリング料金が無料になります。

テザリングオプション自体なくなったわけではなく、従来のプランではこれまで通り有料オプションとなりますが、これによってテザリング有料は実質ソフトバンクだけとなり、ソフトバンクの対応が注目されます。

結局どれを選べばいいのか

簡単にまとめると、新プランの対象ユーザーは次のようになります。

「新ピタットプラン」は、使わないときはほとんど使わないといった月々の利用にばらつきがある方向け。

「auフラットプラン7プラス」は、一定して4GB~7GB程度を使う方向け。

「auデータMAXプラン」は、常に7GB以上を利用する方向け。

思ったほど安くはならない

現在auを利用している方にとっては、安くなるケースも多いと思われます。ただし、一見すると大きな割引に見えますが「自宅でau光を使っている」とか、「家族3人が全員au」だとか、割引を受けられる条件は厳しいです。最大割引の恩恵を受けられるユーザーはごく少数にとどまると思われます。思ったほど安くならないというのが実感ではないでしょうか。

格安SIM・MVNOと比べると...

MVNOよりも高品質な回線が必要で「auスマートバリュー」や「家族割プラス」の恩恵を受けられる方、毎月20GB以上の大容量を使用するような方にとっては、魅力的な選択肢といえるでしょう。

逆に、自宅でau光を使わず、家族もauではないという場合には、依然としてMVNOよりもかなり割高です。月7GBで比較すると「auフラットプラン7プラス」の月額5,480円に対して、au端末がそのまま使えるLINEモバイルの音声SIMは、月額2,880円にすぎません。10分かけ放題のオプションを追加しても月額3,760円です。

また、家族がいる場合でも、シェアサービスのあるMVNOの方がずっと安価です。「auフラットプラン7プラス」は家族3人でauを利用し、かつ自宅にau光を利用していても一人あたり3,480円です。対してau回線は使えませんが、OCN モバイル ONEの容量シェアでは20GBを3人の音声SIMで分け合えば、一人あたり2,350円です。同じくDMMモバイルのシェアプランであれば、一人あたり2,027円まで安くなります。

安さだけを考えれば、端末購入代金割引がなくなった場合、auに留まる理由は多くありません。

新プランがおすすめできる方は「高品質な回線が必要」、「ショップでの手厚いサポートを受けたい」、「データMAX プランで大容量を使いたい」という方になります。

注意点

いずれのプランも2年契約が適用条件となっています。解約時には契約解除手数料(9,500円)が発生します。

「新auピタットプラン」「auフラットプラン7プラス」は6月1日より申込受付開始。自動的に新プランへ切り替わる訳ではないので、新プランにはご自身での申込が必要となります。

プラン変更は機種変更時にしかできないので注意が必要です。新料金プランについては以下の但し書きがついています。

2017年7月14日以降に機種購入した方は、それ以降、機種購入を伴わない「新auピタットプラン/auピタットプラン/auフラットプラン/auデータMAXプラン」とその他料金プラン間の変更はできません。

新プランの提供開始に伴って、旧プランとなる「auピタットプラン」「auフラットプラン 30」は6月30日をもって新規申し込み受付終了となります。

NTT Docomoは、本日4/15に新しい通信プランである「ギガホ」と「ギガライト」を発表しました。 Docomoは...
キャリアの通信料金、複雑でわかりにくいですよね。それに加えて毎年変更があったり割引キャンペーンがあったりで混乱することも多いと思いま...

Source:au

 コメント

※暴言・個人攻撃等は予告無しに削除します

  1. 匿名 2019.05.15 21:07 ID:1b7665162 返信

    つまり三大キャリア以外にすれば
    いいんですねわかります

    • 匿名 2019.05.16 15:10 ID:478d6cf8d 返信

      ラッシュ時に携帯いじらない生活パターンの人はマジでMVNOで問題ないだろうな
      俺も値段に惹かれてしばらくMVNO使ってみたが都内電車通勤かつ通勤時間が1番のんびりスマホ弄れる生活なんでダメだった

  2. 匿名 2019.05.16 11:31 ID:adb00bfa2 返信

    脱庭します

  3. 匿名 2019.05.16 15:11 ID:478d6cf8d 返信

    良くも悪くも今までのプランの焼き直しで、端末割引が絞られるであろうことを考えると実質値上げなのはドコモと変わらんな。まったく総務省はロクなことしねえ。