Ankerの大ヒットしたモバイルバッテリーのAnker PowerCore Fusion 5000。先月、突如その後継機種であるAnker PowerCore Ⅲ Fusion 5000が発表され、7月の上旬に発売されました。
数年前に発売され、USB Type-Aのみであり、最大12Wの充電しかできなかった旧型に対し、新型は新たにUSB Type-Cに対応。充電速度もUSB-PD準拠の18W充電に対応し、モダンなモバイルバッテリーとして旧型を置き換えるべく登場した期待の一台です。
今回はそんなAnker PowerCore Ⅲ Fusion 5000を私、ナカヤマが手に入れましたのでレビューしていきたいと思います。
これはなに?
USB Type-C、18W急速充電に対応した電源プラグ直結型モバイルバッテリー
容量は4,850mAh、価格は3,499円(定価)
いいところ
○USB Type-Cに対応したところ
○充電器とモバイルバッテリーを別々に持つ必要がないこと
○18W急速充電に対応したこと
わるいところ
×18W急速充電はモバイルバッテリーとして利用した時のみ?(iPhone 11で検証時)
×バッテリーを充電するのはUSB PD非対応で2時間40分もかかる
×バッテリーとデバイスの同時充電ができない
目次
開封の儀
なにはともあれまずは開封していきましょう。
外装はAnkerらしいブルーのパッケージとなっています。
付属品はポーチのみ。旧型はMicroUSB端子で充電できたためか、USB Type-A to MicroUSBケーブルが付属していましたが、新型はケーブル類は一切なし。
ポーチはメガネ拭きのようなモソモソとした質感のもの。なお、旧型はメッシュ状のものでした。
印字はこんな感じ。
入力:100-240V、50-60Hz、0.6A
出力(USB Type-C):5V3A、9V2A
出力(USB Type-A):5V2.4A
となっています。なお、USB Type-CとUSB Type-Aの2つのポートを同時に利用した場合は合計で最大15Wの出力となるようです。
旧型よりも大きく、軽くなった
旧型と比較してみましょう。
サイズ感はほとんど同じ。少しだけ大きくなっています。一方で重量は新型が189g、旧型が176gとなっています。サイズは大きく、重量は軽くなっているためか少しだけ軽く感じます。
新型は光沢感のある質感であり、旧型はプラスチッキーなマット素材といった感じです。旧型は傷が付きやすかったですが、新型は細かい傷が付きそうですね。
プラグ部はこんな感じ。少し飛び出していてプラグが出しやすい様になっています。謎のギザギザが付いているのはなぜでしょうか...
充電ポートがある部分はこんな感じ。USB Type-A×2のうち一つがUSB Type-Cとなっています。また、4段階のインジゲーターが新たに付きました。旧型は3段階だったためよりわかりやすくなっています。
なお、新型はこのポート部の面だけAnker PowerPort Ⅲ miniのようなサラサラの素材となっています。個人的には全面この素材が良かったなぁ...
低電流モード搭載
Anker PowerCore Ⅲ Fusion 5000は新たに低電流モードに対応しています。
低電流モードは完全ワイヤレスイヤホンやスマートウォッチなど、小さいバッテリーを搭載したデバイスに対して低電力を供給することで安全に充電するモードです。
低電流モードはインジゲーター部をダブルクリックまたは長押しで起動します。起動するとインジゲーターが緑色に光ります。
完全ワイヤレスイヤホンやスマートウォッチなどは物によっては5V1A以下で充電してくださいと指定されているものもあります。そういったデバイスを充電するときに安心して使える機能となっています。
充電器にもモバイルバッテリーにもなる便利さ
Ankerの電源タップ内蔵型モバイルバッテリーの最大の特徴は充電器にもモバイルバッテリーにもなる2 in 1仕様であることです。これにより、いままで充電器とモバイルバッテリー両方を持ち運ばなければならなかったのが一つにまとめられます。
その上、電源タップに直接指すことが可能であるため、モバイルバッテリー用の充電器を用意する必要がありません。お出かけの荷物を大きく減らすことが可能になるのは大きなメリットです!
その利便性についてまとめた記事は下記リンクからどうぞ。
お得意の充電速度には疑問
今回のAnker PowerCore Ⅲ Fusion 5000はUSB PD対応の18W急速充電を売りにしたモデルです。
18Wはモバイルバッテリー利用時のみ?
私もiPhone 11で充電速度を検証してみました。機内モードに設定し、iPhone 11を30分間充電しました。当製品ではMFi認証ありのUSB PD対応のUSB Type-C to Lightningケーブルを利用しました。その結果はこんな感じ。
iPhone標準5W充電器:17%
旧型モバイルバッテリー:36%
Anker PowerPort Ⅲ mini(おそらく18W):47%
当製品(充電器として利用したとき):34%
当製品(モバイルバッテリーとして利用したとき):46%
充電器として利用したときに12W相当の速度しか出ませんでした。まだ1度しか使っていないため断定できませんが、18W急速充電はモバイルバッテリー利用時のみなのかもしれません。
バッテリー充電に2時間40分もかかる
Anker PowerCore Ⅲ Fusion 5000のUSB Type-Cポートは出力専用であり、本体のバッテリーを充電するのには電源タップを利用するしかありません。
肝心の充電速度はなんと2時間40分。なお、旧型も同じぐらいかかります。
せっかくUSB PD対応で充電速度が売りなのに、本体の充電に時間がかかるのはもったいないとしか言いようがありません。本体も18Wの速度で充電できたらいいのに...
モバイルバッテリーとデバイスは同時充電不可
更につらいのがバッテリー本体とデバイスが同時充電できない仕様。
Anker PowerCore Ⅲ Fusion 5000はスマートフォンなどのデバイスの充電を優先し、デバイスの充電が完了した後にバッテリーを充電し始める仕様となっています。同時充電ができればよりスマートに充電ができるのに...残念です。
なお、旧型も同様の仕様となっています。
まとめ:残念だが利便性には変えられない
このようにAnker PowerCore Ⅲ Fusion 5000を利用して初めてその様々な残念な仕様が目立つように感じました。あのバカ売れしたAnker PowerCore Fusion 5000の後継機種ということで期待しすぎたのかもしれません。
特に旧型をもっていて、USB Type-Aケーブルが充実している私からすると今までの充電スタイルが大きく変わるということも期待できず、買い換える必要性はそんなになかったかなと感じます。ブレイクスルーを期待していただけに残念です。
とはいえ、荷物が減る利便性にはかないません。外出時にバッテリーを使い、帰宅後に充電を開始し、朝起きたらスマートフォンもモバイルバッテリーも満タンという私の使い方を考えれば全く問題ないし、むしろ外出時に充電速度が早いのは嬉しいポイントです。
これからモバイルバッテリーを買いたいという方にはおすすめです。2 in 1仕様はメチャメチャ便利です。でも、旧型をもっている人はモバイルバッテリー利用時の18W充電のために買い換えるほどではないと思います。
新型は、着実に旧型の弱点を潰してきています。次のモデルでは、より改善されていることを願っています。
動画版のレビューもあります
YouTube上にもAnker PowerCore Ⅲ Fusion 5000のレビュー動画をアップしています。こちらでは外観を旧型と比較する様子が動画で見られます。よろしければこちらもあわせてご覧ください!
ankerさんから提供品なのにこの評価は草