今年2月に発売された5眼カメラを搭載するNokiaのNokia 9 PureViewですが、DxO Markからは85点という厳しい評価をつけられました。ちなみに80点台というのはデュアルカメラのミッドレンジ機、Moto G7 Plusなどのスコア。現在はGalaxy Note 10が113点というハイスコアを出しています。
Nokia 9 PureViewは12MPのメインカメラを筆頭に、深度の測定とアップデートされたソフトウェア処理によって優れた撮影が行える、ハズでした。厳しいテストの結果出されたスコアを見てみると、トップの「Exposure」、露出の項目があまり高くないことがわかります。
露出とはカメラレンズに取り込まれる光や画像そのものの明るさのことを指します。 DxO Markが行なったテストの一部を解説します。
Huawei P30 Pro(112点)とGalaxy S10+(96点)と画像を比較したところ、明暗差のあるロケーションでは明るい部分の描写がうまくできていないことがわかります。右端は、建物の形だけでなく空模様なども曖昧になっていますね。
Nokia 9 PureViewで撮影
こちらはNokia 9 PureViewで撮影された風景ですが、ソフトウェア上での処理が「やりすぎ感」を出している気がします。劇的ではあるのですが、ゲーム画面の様になっている、と言えばわかりやすいでしょうか。いくら荘厳な風景でも肉眼ではこの様に見えることはないでしょう。
推測ですが、DxO Markはソフトウェアが画像を勝手に「作品」の様に仕上げてしまう点を憂慮したのではないでしょうか。
また、全体を通して「画像全体の仕上がり」が低く評価されており、拡大するとノイズが目立ってしまう点が指摘されていました。
晴天下ではノイズが少なく建物のエッジも綺麗に出ていますが、少しくらい室内になると木目などが途端にギザギザしてしまいます。テストでは環境に左右されがちな不安定が散見されました。
DxO Markでは静止画だけでなくビデオ撮影も評価の対象です。Nokia 9 PureViewはビデオ撮影時に一つのレンズしか使用していないため、処理も簡単に行えるはずですが撮影された映像は全体的に暗く、お世辞にも綺麗な映像とは言えません。
端的に言って、カメラが売りのスマホで撮影した動画、というには少々残念な印象ですね。現在発売されている多くの機種がカメラ機能に特化しており、その仕上がりは甲乙つけ難いものになっています。
Nokia 9 PureViewはそのなかで抜きん出ようとした結果、空回りしてしまったのではないでしょうか。今回DxO Markが出したスコアは、カメラの数が多ければ良い写真が撮れるわけではない、ということを証明しています。
依然として多くのユーザー求める優れたカメラ機能。機種を選ぶ際には撮影されたフォトサンプルもぜひ参考にしたいですね。
Source: GSMArena
奇抜なカメラデザインもこれじゃ無駄だな