このレビューは2019年の中国ファーウェイのフラッグシップモデル「Huawei P30」のテレクトリスト読者による実機レビューです。
sasanisiki様、レビュー投稿ありがとうございました。
目次
Huawei P30のスペック概要
Huawei P30はHuaweiのスマートフォンで、高性能で珍しい超広角カメラとデザインのグラディエーションが特徴的なandroidです。
基本スペック | |
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ディスプレイ | 6.1インチ, 1080 x 2340, 有機ELディスプレイ, 422ppi |
サイズ | 149.1 x 71.4 x 7.6mm, 165g |
システム | |
OS | Android 9.0 (Pie) |
Soc | Hisilicon Kirin 980 |
CPU | Cortex-A76(2.6GHz) x2 & Cortex-A76(1.92GHz) x4 & Cortex-A55 x4 8コア, 2.6 GHz |
メモリ(RAM) | 6GB / 8GB |
ストレージ | 64GB / 128GB / 256GB, sd_card microSD最大NMカード256GBまでSIM2スロットを使用 |
カメラ | |
メインカメラ | camera_rear 40 + 16 + 8MP, F値/1.8, トリプルカメラ, OIS(光学手ぶれ補正), デュアルトーンLEDフラッシュ, レーザーAF, PDAF, 3x光学ズーム, ISO 204800 |
メインカメラ特徴 | camera |
前面カメラ | camera_front 32MP, F値/2.0 |
センサ類 | 指紋認証センサ, 加速度センサ, 近接センサ, ジャイロ, コンパス, 顔認証ロック, 色彩波長センサ |
機能 | 防水 IPX 5, あらゆる方向からの噴流水を受けても問題なし, イヤホンジャック あり |
その他特徴 | 急速充電(22.5W) |
バッテリー | battery_charging_full3.1, Type-C 1.0, 3650mAh |
購入について
購入の決め手
購入場所・購入時期・購入価格
購入モデル
化粧箱・付属品
化粧箱は高級感のある白い箱に金色で文字が刻印されているものです。 Huawei Mate20proのような高級感はありませんでした。
本体デザイン
背面は写真や言葉では伝えきれないような緩やかに流れるオーロラのような輝きを持っています。iPhoneのような落ち着いた上品さは感じられず、派手さが際立っていますが、高級感がありかっこよさもあります。
色自体も深みのある青で存在感を放っています。
また、カメラが少し大きめに出っ張っています。画面を表にして置いた時に傷が入ってしまいそうなのが難点です。
Huawei Mate20proのミッドナイトブルーでは触った時に指紋がつきましたが、こちらは全くと言っていいほどつきません。
背面がエッジになっているので持ちやすく、画面がフルフラットなのでエッジディスプレイが苦手な方に向いていると思います。
ディスプレイ
鮮やかさはさすが有機ELと言ったところです。1080 x 2340px (フルHD+)ということもあり高解像度です。
ですが、前世代のHuawei Mate20proの1440 x 3120と物足りなさを感じないこともありません。そこは無印モデルだから仕方ないと言ったところでしょうか。
また前述したようにエッジディスプレイではありません。そのためHuawei Mate20proと見比べた際にエッジが太く錯覚してしまいます。
ソフトウェア・アプリ
Huawei P30にはandroidをHuaweiがカスタマイズしたEMUI9.01が搭載されいます。
そのためアイコンが全体的に四角形になると言った見た目上のUIがカスタマイズされいますが、決して使いにくいなどと言ったものではありません。
また、EMUI9の時のようなUIのがたつきもなく洗練された印象を受けます。
指関節のタップでスクリーンショットやスクロールスクリーンショット(スマホの画面を縦にスクロールしながら撮ることのできるスクリーンショット)手袋をつけたままでも、画面を操作できるグローブモードなどHUAWEIならではの便利な機能が備わっています。
処理性能
antutu20万代後半〜と高い性能を持っているため高い環境を必要とするゲームでも快適に動きます。
また、マルチタスクも6GBのメモリのおかげでスムーズです。 kirin970ではGPUの性能が良くないなどと言った話もありましたが、Kirin980ではそれも改善され高い性能を誇っています。
カメラ性能・写真サンプル
カメラ性能は売りでもあるように暗所性能が極めて高いですが、高すぎる故に良くないです。というのも、目で見えているよりも明るく撮れてしまい、暗闇で写真を撮っても明るく写ってしまいます。
例えば星の写真を撮りたいなどと言った用途では活躍が期待できますが、普段の写真がそれでは情緒も何もありません。やりすぎに感じてしまいます。
また撮影時に画面上に映る画像と後からギャラリーで見る写真では、後者が大きく処理されているため微調節ができません。
このため、よっぽど夜の写真を撮る人以外、Mate20ProやiPhone XSを買ったほうが良いのではないかと考えています。 明るいところにおいては極めて優れたカメラ性能を発揮します。 色が細かく再現され、人物のポートレートでは髪の毛の一本一本まで処理されています。
また物に対するポートレートでは、超広角カメラの恩恵によりiPhoneのように対象物から離れる必要がありません。 3倍ズームも同様で、手ぶれ補正もあるため狙った物を綺麗に撮ることができます。
ビデオ性能に関しても暗所性能が向上しています。ほとんど真っ暗なところでもより細かく写すことができます。ですが、RYBBセンサーの弊害か全体的に黄緑っぽく色がかってしまっています。ソフトウェアで修正できないかと思ってしまいます。
また超広角カメラのビデオ撮影性能は普通と言ったところでしょうか。mate20Proと同様に明暗関係なく細かいディテールが潰れてしまっています。
さらにAI手ぶれ補正のためにせっかくの超広角カメラの利点である広い画角が狭まってしまっています。アップデートでAI補正を切った状態での撮影をサポートも欲しいところです。
以下はHuawei P30で撮影した写真サンプルです。(画像クリックでフルサイズ表示。ファイルサイズにご注意ください)
スピーカー・音質
モノラルスピーカーになっています。 大きさ、音質共に iPhone XR>iPhone 8Plus>Huawei mate 20pro>Huawei P30と言ったとこでしょうか。
iPhone SEなどの他のモノラルスピーカー搭載機種よりは最大音量が大きいことが救いですが、モノラルであることやハイエンドスマートフォンにしては音量が大きくありません。
また最大音量にした際の音割れも強くキンキンした印象があるなど、スピーカーに関しては良い印象を持てませんでした。 そのためスピーカー性能を求める方にはお勧めできません。
電池持ち・充電速度の印象
純正の充電器を使うことで極めて早い速度で超急速充電ができます。
前日の夜に充電器に刺さなくても、朝に起きてから充電を初めて出発時には一日思う存分使えるだけの充電量が溜まっているというレベルです。
まとめ
◎良い点
- 暗所性能が極めて高いカメラ・超広角カメラ
- 美しいデザイン・背面のグラデーションカラー
- 軽量 軽いと評判のGalaxyに7g重い165g
×悪い点
- 性能の高すぎて諸刃の剣となってしまうカメラの暗所性能
- 時代錯誤とも言えるモノラルスピーカ
- snapdragon855に劣る性能
全体的な感想
極めて高いカメラ性能を持っている本機ですが、前モデルのMate 20 Proと比べると防水性能やスピーカー性能がかなり落ち、スマホをテレビやエアコンのリモコン代わりにできる赤外線発信機がありません。
さらにワイヤレスリバースチャージやQI充電機能すらなくなってしまうなど、ハイエンドに必須なものや最近の流行りの機能が入っていません。ですが価格は約8万円します。
カメラ性能も暗所性能が極めて高くなっとは言え、その性能の真価が発揮できるのは星の写真などです。そのため夜景などではGalaxy s10などの他機種と大差がなく、そこまで必要だとは考えられません。
また今Huaweiは政治や様々な面で決して安定しているとは言えない状況です。そのリスクを犯してまでこのスマートフォンを買う利点があるのかと考えてしまいました。 自分はたとえ値段が同じだとしてもHuawei P30とMate 20 Proでは後者を選びます。
最後になりますが、極めてレベルで高い暗所性能など最新のスマートフォンとしてふさわしい魅力も持っています。 自分の手のひらの中に、どのような状況でも使えるカメラを持ったスマートフォンが収まっていると考えるとワクワクします。
決して万人にお勧めできるわけではありませんが、もしあなたがこのスマートフォンに興味を持っているのならば、きっと購入後後悔することは無いでしょう。
満足度:10点満点中4点
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