今週のニュースの中から目立ったニュースをピックアップ。telektlistが選ぶ今週のニュースTOP5。2019年6月初週は、2年縛りの契約解除料が1000円以下になるかもしれないというニュースや、第4のキャリアをめざす楽天について、WWDC19で注目を集めたAppleなどについてお伝えしました。また、Pixel 3aやRed Magic 3など新機種の実機レビューも注目です。
目次
2年縛りの契約解除料が1000円以下へ値下げへ
キャリアの契約解除料──いわゆる違約金が1000円以下になるよう、政府が働きかけを行うというニュースです。一見めでたいことのようですが、そもそも「2年縛りはなくす」というのが総務省の方針だったのではないか?──という疑問も浮かびます。
むしろ、政府の対応は後退しているようです。
契約解除料が、家電量販店などへ支払われる携帯電話の販売奨励金(インセンティブ)の原資の一部として使われてきたことは、容易に想像できます。今後は分離プラン化が進みつつ、端末購入割引もなくなっていくかもしれません。
顧客にとって端末購入割引がなくなるのは痛手かもしれませんが、販売奨励金はMNPを獲得する専用スタッフの人件費に使われてきたという側面もあります。一日に一件あるかどうかのMNPのために、数人のスタッフを雇っていた家電量販店も当たり前の時代がありました。
巨大ショッピングモールの店長さんや家電店の店長さんから、かつて販売奨励金がどれほど巨額だったかうかがったことがあります。お話をうかがった家電店は、当時は全国に次々とグループ店が開店しているほど勢いのある企業でしたが、家電部門など、販売奨励金以外はほぼ赤字だったそうです。一時的には、グループ全体の利益がほとんど販売奨励金だったと聞かされ驚きました。
家電量販店衰退の原因をAmazonなどのネット販売だと指摘する声がありますが、実際は販売奨励金の減額によるのかもしれません。
キャリアから家電店へ、いくらの販売奨励金が支払われていたのかは、話の裏を取っていないので書けませんが、少なくとも筆者は、MNPで端末一括ゼロ円+20万円分のポイントバックを得たことがあります。(もちろん家族何人ではなく、単独です)それでも家電量販店が、MNP獲得の販売奨励金で黒字になっていたことから推測していただければと思います。
「総務省は余計なことをするな」という声もありますが、一部の顧客だけが20万円ものポイントバックを受けるのは正常とはいえないでしょう。筆者は20万円に相当するの利用料金を支払う前にMVNOへMNPしました。赤字になった分とMNP獲得専用スタッフの人件費は、申し訳ないですが、他の利用者の負担になったはずです。
利用者が求めているのは、不公平なキャッシュバックや毎週人件費を投じて繰り広げられるMNP獲得イベントなのでしょうか?
誰もが公平に利益を得られる安い料金プランを提示できないところに、キャリアの構造的な歪みがあったように思えます。
サービス開始を控えた楽天モバイルの基地局整備状況
2019年10月より第4の通信キャリアとなる楽天モバイルの基地局整備に関するニュースです。
楽天モバイルといえば、すでに2年縛りどころか3年縛りを始めるなど、風格は堂々としたMNOキャリアです。
月額基本料は2年間安く、3年目以降は「ずっと」高くなります。筆者は楽天が用いている「2年間ずっとXX円」という表現が以前から気になっています。
「2年間限定」なのに「ずっと」とはどういうことでしょう。間違いではないのでしょうが、「2年間」と「ずっと」は矛盾しているように感じます。
筆者は「2年間ずっと友達だよ!」と言ってくる友達は願い下げです。
料金プランも3大キャリアの例に習ったのか、キャリア同様複雑化している楽天モバイルですが、三木谷氏はそう思っていないようです。「われわれは第4のキャリア。先行している企業(3大キャリア)と同じことをやってもあまり意味がない」と意気込みを語っています。
その意気込みの最たる例は、5Gを見据えたクラウドベースの完全仮想化ネットワークによるデータ通信です。汎用サーバー上で専用ネットワーク機器の役割を担うソフトウェアを動かすことでコストを抑えることが可能な上、仮想化されたクラウドベースのネットワークなので冗長性があって安全という夢の技術です。
コストを抑えたことを自慢されても、消費者は不安になるだけです。料金も抑えてもらえるといいですね。
Redmi K20 Pro発売。1時間強で80億円売り上げる
注目のコスパモンスターRedmi K20 Proが、ついに発売されました。気になるのはグローバル版の発売ですが、telektlistでは既に市場に出回っているXiaomi Mi 9Tがグローバル版Redmi K20であることや、インドでも発売間近であることなどをお伝えしました。
iPad OS登場
6月4日のWWDC19でiPad OSが発表されました。iOSにiPad向けの機能が追加された新OSについて解説しています。iOSについてはほかにも、iOS上のアプリはAppleが主張するほど安全とはいえないのではないか、というWSJの報道などを伝えています。
ディスプレイ内蔵型カメラ続々登場か
海外では主流になりつつある前面ポップアップカメラを過去のものにするかもしれない技術が、今週相次いでお披露目されました。カメラ撮影の時だけカメラの前のディスプレイを透化させる技術です。
OPPO、Samsung、Essential、LG、Xiaomiと続々参入するこのディスプレイ内蔵型カメラ競争ですが、弊誌コメント欄でもご指摘いただいたとおり、光が入り込む技術的な問題を指摘する声もあります。
かつて光が入り込むため白いiPhoneの発売が遅れるといったこともありました。技術は日進月歩ですので、近い将来商品化されるのかもしれません。
番外
今週は弊誌ではあまり取り上げてこなかった実機による検証やレビューを複数お届けしました。注目のスマートフォンGoogle Pixel 3aの開封からのレビューや、ゲーミングスマホRed Magic 3について「冷凍庫でベンチマークテストを行うとスコアが上がるのか?」といった読者の方から寄せられた疑問も検証しています。
また、今週も読者の方から貴重なレビューを頂いています。引き続き弊誌では読者の方からのレビューもお待ちしています。レビュー投稿いただいた方には、1000円分のAmazonギフトカードを差し上げます。レビュー投稿についてはこちらから。
「筆者は『2年間ずっと友達だよ!』と言ってくる友達は願い下げです。」笑