Mi 10は値上がりする? Xiaomiのスマホが高価になる未来を展望

高コスパで知られるXiaomiのスマホが値上がりするという、驚きのニュースが飛び込んできました。
Xiaomiの共同創設者兼CEOのLei Jun氏は、中国国内のイベントで次のように述べています。

じつをいうと、私たちの電話が2,000人民元(約33,000円)より安いという世評を取り除きたいのです。
私たちはさらに投資を拡大し、より良い製品をつくりたいのです。
私は“我々の商品が3,000人民元(約50,000円)以下におさまるのは、今回が最後かもしれない”と言いました。
将来、私たちの電話はもっと高くなるかもしれません。ものすごく、というわけではありませんが、少しだけ高価になります。

先日発売されたXiaomi Mi 9は2,999人民元でした。
Lei Jun氏の話が事実であれば、Mi 10は3,000人民元を上回る価格になるということになります。
Xiaomiは、なぜいま値上げに踏み切ろうとしているのでしょうか。

利益率は永久に5%を超えることはない

Lei Jun氏は、かねてより「ハードウェア+小売+インターネット」のエコシステムに辛抱強い投資を行い利益を出していく、トライアスロン理論を提唱していました。

スマホをはじめとするハードの利益だけを追うのではなく、IoTやライフスタイル商品、MIUIを通じたソフトの広告やゲームの売上といったサービスのエコシステム全体で利益を出すという理念です。

ある意味、ハードで利益を上げることはあきらめているともいえます。
そのこだわりはすさまじく、GoogleからXiaomiへやってきて、既に退社してしまったHugo Barra氏は、

「Xiaomiは金を稼ぐことなくスマホを配っている。100億台のスマホを売ることはできても、利益を上げることはできない」

と語っていたほどです。(techcrunch

Barra氏がFacebookへ去った後、皮肉にもXiaomiはそのスマホの売上でV字回復することになります。
インド市場を席巻したXiaomiは昨年、ハードウェア部門で5%という過去最高の純利益を達成するに至りました。

しかしLei Jun氏は、ハードで利益を目指さないという理念にこだわったのか、

「2018年以降、シャオミのハードウェア製品の利益率は永久に5%を超えることはない。もし上回れば、ユーザーに還元する」

などと公言するようになります。

そこまでハードで利益を上げないことにこだわってきたLei Jun氏に、どんな心境の変化があったのでしょうか?

ブランドイメージの回復

2015年の失速以来、Xiaomiは「安物ブランド」のイメージと戦ってきました。
インド市場を制して復活したXiaomiは、「安い」というイメージはRedmiやPocoといったサブブランドにまかせ、イメージチェンジを図っているとも考えられます。

Xiaomiの代名詞でもあった高コスパなハイエンド端末という路線は、今後はPocophone F1やSnapdragon 855が採用されるという噂のRedmiのフラッグシップ端末が引き継ぐことになるのかもしれません。(xda-developers

Huaweiが、honorブランドとすみ分けているのと同じような路をたどるのでしょうか。
honorがかつてXiaomiに対抗するためにつくられたことを考えると、Xiaomiからの意趣返しがはじまったと見ることもできそうです。

インド向けサブブランドPocophone F1

高騰する研究開発費

Lei Jun氏は、より良い製品づくりのために投資を拡大したいと語っています。
それはもしかすると、スマホの原価率を下げて研究開発費を製品単価に上乗せするということなのかもしれません。

原価率が低いことで悪名高いスマートフォンといえばiPhoneシリーズでしょう。

今年の2月のイーロン大学でのスピーチにおいて、一人の学生がApple COOのJeff Williams氏に対して「iPhoneの製造コストは、たったの350ドルだ」という不都合なレポートに言及しました。

Williams氏はApple Watchの開発過程にいかにコストがかかるかを引用しつつ、

「アナリストは私たちがやっていることのコストや、私たちが自分たちの製品をどれほど注意深くつくっているか、まったく理解していないのです」

と反論しました。(appleinsider

2015年に81億ドル(約9,800億円)だったAppleの研究開発費は、2018年には147億ドル(約1兆6000億円)まで高騰しています。いまや研究開発費でアップルを上回るのは、アメリカ企業ではアマゾン、アルファベット、そしてマイクロソフトだけなのだそうです。(Businessinsider

5G元年といわれる今年のMWC 2019では、LG V50 ThinQやHUAWEI Mate X、Samsung Galaxy S10 5Gなど5G対応のスマートフォンが一斉にお披露目されました。

ところが、莫大な開発費にもかかわらず、AppleのiPhoneは2020年中の5G対応が困難だとの報道が流れています。(ForbesJapan
研究開発費が高騰を続ける一方、費用が成果に結びつかない事例といえるでしょう。
開発費が高騰化する一方、スマホ業界では既に革新的な製品が生まれにくくなっているのかもしれません。

折り畳みスマホになるから高くなるなんてことはないですよね?

過去、そしてこれから

2011年に発売されたXiaomi Mi 1は1999元(約25,000円)でした。同年発売されSiriのデビュー作となったiPhone 4Sは、SIMフリーの16GB版が649ドル(当時の相場で約58,000円)でした。

ハイエンド・スマートフォンは進化とともに値上がりを続けてきました。今回のXiaomiの値上げは研究開発への投資と説明されていますが、5%の利益率を守ったうえでの値上げとなるのか、それとも原価率を下げての値上げとなるのか、新たに革新的な製品を開発できるのか、Xiaomiのこれからに注目です。

Source:technode

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Writer


 コメント

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  1. 匿名 2019.03.18 09:00 ID:9faec2dc3 返信

    利益率5%の公約を維持しながらの値上げならユーザーの理解も得られそうに思いますけど、どうなんでしょうね。

    >ところが、莫大な開発費にもかかわらず、AppleのiPhoneは2020年中の5G対応が困難だとの報道が流れています。

    それは引用先の記事にもある通り、他社はクアルコムかファーウェイ、もしくはサムスンなどからモデムを買えば良いけど、クアルコムとは長年続く犬猿の仲でiPhoneXからモデムをインテルに換えたくらい、トランプ政権下でモデムという基幹部品をファーウェイに頼るというのはデカい爆弾を抱え込むのと同じことで現実的でなく、サムスンも過去に色々あった相手で頼めば売ってはくれるだろうが有機ELパネルの時みたいにフっかけられるの見え見え、というAppleの立場が問題なのであって、研究開発費の問題ではないのでは。