中国でビジネスをスタートし、少しずつブランド力と知名度を上げているUMIDIGI。2018年ごろから日本国内での人気も高まり始め、当サイトでもUMIDIGI関連の記事は高い注目を集めています。
メーカー解説シリーズは今回が三回目となります。
目次
「良いものを安く」それがUMIDIGI
Source: UMIDIGI公式サイト
2012年にUMIという名前でビジネスを始めた中国発のスマートフォンメーカー・UMIDIGI。
読者の皆さんにとってもUMIDIGIは低価格でバッテリー容量とカメラ性能に優れたスマートフォンを多く展開するメーカーというイメージが強いはずでしょう。事実、2019年は4000~5000mAh台の大型バッテリーを備えていたり、48MPカメラを特徴とした機種が多いラインナップとなっています。
直近の販売機種はほぼ全てが技適を取得しているので安心して日本国内でも使用できます。
最近ではスマートフォンだけではなくワイヤレスイヤホンなど周辺ガジェットにも製品ラインナップを広げています。
現行シリーズのラインナップ
Aシリーズ
UMIDIGI A1 Proをはじめとし、UMIDIGI A3 Pro、UMIDIGI A5 Proまで続いています。UMIDIGI A3シリーズからは流行りのノッチディスプレイを採用し、よりモダンな見た目も魅力となりました。
Aシリーズは価格が特に低めに設定されており、UMIDIGIの中でも人気となっています。
Fシリーズ
UMIDIGI F1の登場から始まったFシリーズですが、UMIDIGI F1 PlayとUMIDIGI F2が別に存在しています。
UMIDIGI F1は大画面のFHDディスプレイにHelio P60チップセット、5150mAhのバッテリー、18Wの高速充電機能などが人気を集めました。
Powerシリーズ
バッテリーサイズにこだわりたいユーザーにおすすめできるのがPowerシリーズです。
最新機種であるUMIDIGI Power 3は6150mAhもの大型バッテリーを搭載していることで話題となりました。UMIDIGI Power 3は存在しますが、UMIDIGI Power 2という機種は存在していません。
「Power 2は、どこですか?きっと中華スマホにありがちな次元の歪にでも消え去ったのでしょう。」ーサイト内より引用
新 Xシリーズ
2019年になって新たに登場したのがUMIDIGI Xというスマートフォンでした。フラッグシップキラーというネーミングの通り、これまでのUMIDIGIスマートフォンとは一味違う「ハイスペック感」のあるスペック構成となっています。
UMIDIGIはUMI時代にもUMI X1という機種を発売していたことがあり、原点回帰と思わせるネーミングです。
UMIDIGI Xの後継機の登場で、Xシリーズとして定着していくことを期待しましょう。
UMIDIGIと日本
日本のユーザーに向けて日本語の商品紹介動画をアップロードするなど、同社は確実に日本というマーケットを意識していることが分かります。
2018年にはUMIDIGI公式オンラインストアをAmazonにオープンし、われわれ日本人にとって安心して購入できる環境が整ってきています。グローバルを意識したUMIDIGIは、日本のバンドにも対応させることを徹底しており、日本のユーザーへの人気の理由ともなっています。
当然ながらAmazonに出品されている商品の全てが技適認証を受けています。
Xiaomiやvivoなどの世界的に知名度のあるメーカーが日本市場で勝負するとしても、国内で存在感を少しずつ見せているUMIDIGIは良いバトルを繰り広げるに間違いありません。
デザインの歴史 ₋ UMIDIGIデザインの定着には時間が必要
UMIDIGIスマートフォンのデザインですが、業界の流行を取り入れたものが多い傾向にあります。
過去の機種はどれもデザインがバラバラというのが問題でした。厳しい言い方をすると、ロゴを隠したら同じメーカーの製品と分からないほど、統一性のないデザインだったのです。
2018年ごろからはラインナップにもデザインに統一性が見られるようになりました。その一方で、ライバルメーカーの製品のデザインとそっくりであることも珍しくありません。2019年のフラッグシップモデルであるUMIDIGI XはHuaweiのグラディエーションデザイン(参考: Huawei Y9s)を完全に模倣しており、オリジナリティには欠けているでしょう。
UMI ROME
UMIDIGIという名前へ変わる前のUMIブランド時代のスマートフォンです。
背面のバックパネルは曲線を描く形状が特徴的で、デザインと持ちやすさの両方を考えれていることが分かります。折り曲げにも強い特殊な素材が使われていました。
UMIDIGI C Noteで現在のUMIDIGIロゴへ
UMIDIGI C Noteでは、これまでのUMIからUMIDIGIへロゴの変更が行われました。
iPhone 6シリーズを意識したようなマッド調にラインの入ったバックパネルが特徴的でした。
UMIDIGI Crystalでベゼルレスの流行に合わせる
UMIDIGI Crystalはベゼルレスのディスプレイを採用しており、デザイン性に優れた仕上がりとなっていました。良くも悪くもUMIDIGIらしさが無いデザインでした。
デザインだけでなくコストパフォーマンスにももちろん優れており、発売当時はUMIDIGIの人気機種でした。残念ながら、この機種のデザインは後継機種に引き継がれることはありませんでした。
UMIDIGI Sではオリジナリティが出てくる
UMIDIGI Sなどの機種から、UMIDIGIらしいオリジナリティがデザインに見られるようになりました。バックパネルはマット感のあるものとなっており、高級感も感じられます。UMIDIGI S時代のデザインは後継機種にも引き継がれています。
UMIDIGI Z2 / Z2 ProでHuawei風グラデーションの採用
UMIDIGI Z2 / Z2 ProではHuawei P20風のグラデーションを採用しました。その後もその動きは変わらず、後に登場したUMIDIGI XではP30風のグラデーションパターンを採用しています。
UMIDIGI S3 Proではセラミック素材を採用
UMIDIGI S3 Proは過去最高のデザインだったと言えるでしょう。背面のバックパネルはセラミック素材でできていることが特徴で、カラーデザインもダークシルバーにゴールドのロゴが高い評価を受けました。UMIDIGI S3 Proですが、48MPのSONY IMX586センサーを採用しており、カメラ性能にも妥協がありませんでした。
コスパの良さは有名
コストパフォーマンスを重要視するユーザーにとって、UMIDIGIのスマートフォンはとても良いチョイスでしょう。
1万円台から2万円台の機種を多く揃えているUMIDIGIですが、どの機種もカタログスペックを比較した際のコストパフォーマンスはとても良いです。
例 UMIDIGI X vs Xiaomi Mi A3
例としてこの二機種のコストパフォーマンスを比較してみます。
UMIDIGI X | Xiaomi Mi A3 | |
価格 | 約27000円 | 約30000円(64GB) |
生体認証機能 | インディスプレイ指紋センサー搭載 | インディスプレイ指紋センサー搭載 |
チップセット | Helio P60 | Snapdragon 665 |
内蔵メモリ(RAM)・内蔵ストレージ(ROM) | 4GB・128GB | 4GB・64GBもしくは128GB |
カメラ | トリプルカメラ | トリプルカメラ |
この比較だけを見れば、UMIDIGI Xも大手ライバルメーカーのスマートフォンと良い勝負をできていることが分かります。ここではカメラ性能やデザインなどは考えていません。
以上の特徴のみならず、AMOLEDディスプレイや48MPカメラセンサー、18W高速充電などのポイントも抑えているのがUMIDIGI Xです。
日本国内で比べたらコスパはトップレベルになる
上の比較は海外向けスマートフォンとのものです。日本国内向けのスマートフォン同士で比べた場合、UMIDIGIのスマートフォンの相対的なコスパはさらに優れています。
日本国内のスマートフォン市場でコスパを評価されているのは、やはりHuaweiとOPPO。しかし、SIMフリースマートフォンというジャンルだけに限って言えば、UMIDIGIは一定数のファンを獲得できる可能性を秘めたメーカーだと感じます。
UMIDIGIを大手メーカーと呼ぶには早いだろう
ここ数年で着実にマーケット内での存在感が大きくなっているUMIDIGI。とはいえ、2012年からビジネスを始めたといえど、同社を大手スマートフォンメーカーと呼ぶにはまだ早いでしょう。
世界スマートフォンマーケットシェアや出荷台数などのデータを見ても、UMIDIGIの名前を見ることはありません。大手メーカーと呼ぶための明確な基準が存在するわけではありませんが、知名度からマーケットシェア、カスタマーサポートなど様々な面で成長していく必要があります。カタログスペックの割には実際の撮影写真が見劣りするカメラ性能、ソフトウェアの完成度についても改善の必要があるでしょう。
確実に言えるのは、UMIDIGIは順調に成長している途中であるということです。これからの商品ラインナップに期待しましょう。
Mi A3は660でなく665です
インドとかでは1万円台です