台湾の半導体メーカーのTSMCは公式に4nmプチップ製造プロセスの存在を明らかにしました。
TSMCのCEOである刘德音(Liu Deyin)氏は6月8日に、現在の5nmプロセスである「N5P」の進化版の、4nmプロセスである「N4」の利用を開始し、2023年までに大量生産にこぎつけることを発表しました。
2020年は5nmプロセス製造が本格化する年に
TSMCの現在の主力は6nmプロセスである「N6」です。これは、7nmプロセスの「N7+」のアップグレード版であり、回路密度を大きくすることでパフォーマンスとエネルギー消費を最適化することができます。
5nm、4nmと回路が小さくなり、密度がさらに向上することでより高性能、低消費電力なチップを作ることが可能になります。
TSMCのモバイル向けチップセットは16nmプロセスから始まりました。その後にSamsungが14nmプロセスを実用化したことから競争化が始まり、TSMCが12nmプロセスを実現。電子回路がどんどん小さくなり始めました。
TSMCのロードマップによりますと、5nmプロセスを採用した初めての製品の大量生産は今年の第4四半期から開始することになっています。
なお、5nmプロセスを採用して製造されたSocを搭載したスマホ発売の噂はいくつか出ています。今年8月5日発表予定のGalaxy Note20が搭載予定のExynos 992は5nmプロセスで製造される可能性が高いようです。ただ、Galaxy Note20ではExynos 992搭載を見送る可能性があるようです。また、10月発表予定のHuawei Mate 40で搭載予定のKirin 1000も5nmプロセスで製造される予定のようです。
サムスンのExynos 992はサムスン自らで製造している可能性がありますが、HuaweiのKirin 1000はTSMCが製造を請け負っている可能性は高そうです。
TSMCは3nmプロセスにも挑戦予定
また、今回発表した4nmだけでなく、2021年の前半までには3nmプロセスに挑戦することも明らかにしています。
インテルの創業者であるゴードン・ムーアは1965年に、「18ヶ月ごとにプロセッサー上のトランジスタの数は2倍になる」という経験則を論文上で発表しました。近頃、プロセッサーの進化は頭打ちとなっており、ムーアの法則が破れつつあるなか、それでも少しずつ進化を続けています。モバイル向けチップは果たしてどこまで進化するのでしょうか。楽しみですね。
Source : 快科技, Via : Gizmochina
そもそもHuaweiはTSMCと取引出来なくなってる件ってどうなりました?
先月から禁止されてますけど、kirinの新規生産は出来ないんじゃないかな