ここ最近MediaTekが勢いを増し、OPPOも自社製SoCを開発中とされるなど、活気を見せるスマホ用SoC市場。そんな中、SoCメーカーでもあるサムスンは、サードパーティへの依存度を下げるため、自社製SoC、Exynosを積極的に自社スマホに採用していく模様です。
今後5~6割のGalaxy機がExynosを採用か
韓国メディアElectronic Timesによると、2022年よりExynosを採用するGalaxy機が占める割合は全体の5~6割になり、同SoCの製造を手掛けるSystem LSIは、Exynos用製造ラインのキャパシティを2倍以上増加するとのこと。
現在、Exynos採用のGalaxy機は全体の2割ほどとなり、エントリーモデルはMediaTek、ミドルレンジ~ハイエンドモデルでは主にQualcomm製SoCを採用している状態となっています。
具体的にどの価格帯のモデルで採用を増やすかは不明ですが、韓国メディアThe Elecによると、2022年に発表されるサムスン製スマホ・タブレット計64機種の内、31機種は依然としてQualcomm製SoCを採用するとされています。
来年2月に発表とされるGalaxy S22シリーズも例外ではなく、一部の国・地域向けモデルではSnapdragon 8 Gen 1を、他の国・地域向けモデルではExynos 2200を採用するとされ、更には、Galaxy Z Fold4、Z Flip4はSnapdragon 8 Gen 1のみを採用するとのこと。
少なくとも、フラッグシップモデルでのSnapdragon採用がなくなる、ということはまずなさそうです。
一方で、Galaxy S21 FEはSnapdragon 888とExynos 2100の両方、Galaxy Tab S8シリーズ、そして来年第3四半期に生産開始とされるGalaxy S22 FEは、Exynos 2200のみを採用としています。
ただ、これらのプランは今後変わることもあるとのことで、確定しているわけではない点に留意です。
またサムスンは、自社スマホでの採用がないミドルハイSoC、Exynos 1080なども手掛けており、これらが遂に自社採用となるのかにも注目ですね。
半導体不足が原因か
サムスンが自社製SoCを積極採用する理由ですが、QualcommやMediaTekなど、サードパーティーへの依存度を下げるためであると見られています。
そもそも何故サードパーティーへの依存度を下げるかについては、OPPOやVivoなど中華メーカーはアメリカによる制裁への備えがその理由として挙げられますが、今回は、半導体不足が一つの原因となっているようです。
サムスンは、半導体不足によるSnapdragon 888の供給不足によって、Galaxy S21 FEの発売を来年初めまで遅らせざるを得ない状況となっています。
その結果、売り上げに多大な影響を被っていることは明らかで、半導体不足は今後も続くとされていることから、自社供給に力を入れることは至極真っ当な判断と言えるでしょう。
Source : Electronic Times, The Elec Via:IT Home
最近までQualcomm一強だったのにあっという間に競争が生まれそう