Selpic P1レビュー:クリエイテビティが試されるペン型プリンター

現在Indiegogoにてクラウドファンディング実施中のペン型のモバイルプリンターである「Selpic P1」。筆箱に入るサイズでスマホとほぼ同じ重量というコンパクトな筐体でありながらどこにでもなんにでも印刷することができるプリンターとなっていますが、今回はそんなSelpic P1のサンプル品をいただきましたのでかんたんにレビューしていきます。

Selpic P1って何?

Selpic P1はスマートフォンの専用アプリを用いてWiFi経由でデータを転送し、文字やQRコード、画像を印刷することができるプリンターです。

小型軽量であることを生かしてどこにでも持っていくことができるのがポイントです。

また、ペン型であるということから曲面上にも印刷できたり、さらには紙だけでなく布、金属といった表面上にも印刷でき、アイデア次第では様々な活用ができるガジェットとなっています。

どんな場所でも、どんな場所にも印刷できる小型のインクジェットプリンターの登場です。 筆箱に入るサイズのコンパクトなイン...

いいところ

  • 圧倒的なモバイル性
  • 文字だけでなくQRコードのコードや画像も印刷できる
  • どんなところにも印刷できる

わるいところ

  • アプリの完成度がいまいち
  • カードリッジを毎回外す必要があるのが面倒
  • 利用中はインクの香りがする
  • カートリッジの入手経路が確保できるか不安

実機レビュー

それでは実機から見ていきましょう。

Selpic P1の同梱品はこんな感じ。Selpic P1本体に本体のカバー、充電用のUSB-Cケーブルに専用のインクそして説明書・保証書にアルコールのふきんがついています。

非常にコンパクトであることが目立ちます。iPhone 11と比較してもこのサイズ。かさばることなく筆箱やバッグのちょっとしたスペースに収納できそうです。

インクを装填した状態がこちら。コロコロで距離を計測し、それにあったインクをヘッダーから放出することで印刷する仕組みとなっています。

ちなみに解像度は600dpiであり、QRコードを印刷することが可能となっています。

なお、Selpic P1のカバーはマグネットでくっつき、デスク上に立てて置くことが可能です。

インクは専用のカバーが付属しています。カバーにはスポンジ状のヘッドを保護する部品が取り付けられており、利用しないときにはこのカバーを利用することが推奨されています。

なお、乾燥などによりヘッダーが詰まったときは付属のアルコールパッドを利用して拭けば良いとのこと。その都度インクカートリッジを取り外して別途保管する必要があるのは残念なポイントです。

専用アプリへの接続はBluetoothと2.4GHzのWiFi

Selpic P1を使う前に専用アプリに接続する必要があります。

その際に気をつけなければならないのが2.4GHzのWiFiを利用しなければいけないところ。-aや-acで終わる5GHzのWiFiでつなげようとするとエラーがおきますのでご注意ください。私はこれに気づかず30分無駄にしました...

また、利用する都度接続する必要があります。接続は結構時間がかかるため気軽に使えないのが難点。

一方で、自分がよく使うものに関しては名前を付けて保存し、かんたんに呼び出してすぐに印刷できる機能がかなり便利。封筒に印刷する情報や、自分の名前などを保存しておくとはかどります。

アプリは日本語されていますが細かい言い回しはどうしても違和感があります。また、横固定であるため文字入力に慣れないといった問題点もあります。問題なく利用できますが使いやすいとは言えないため、アップデートに期待です

クリエイティビティが試されるモバイルプリンター

まずはスマートフォンのアプリで自己紹介に使えるような、名前と各種SNSの情報を載せたものを印刷してみました。

アプリ上で文字を打ち、アイコンはイラストを引用してそのしたに文字を配置、自分のSNSのURLを入力してQRコードをコードが生成されて、あとはそれらをドラッグしていい感じに配置するだけでかんたんに作ることができました。あとはSelpic P1にデータを送信して本体を転がすだけで印刷できます。

また、QRコードはぎりぎり読み取れるぐらいの解像度で印刷してくれました。

曲面に対しても同じようにして印刷することができます。ただ、うまく転がすのが難しいため文字が途切れてしまうことも。

材質の影響かQRコードの読み取りはできなかったのですが、それでも例えば友人との集まりで自分のコップや皿に名前を印刷するといった使い方はできそうです。

マスクに対してもご覧の通り問題なく印刷することが可能です。花粉症と印刷して無用なトラブルを避けるとか、無機質なマスクに対して自分らしいデコレーションをするといった事もできちゃいます。

個人的に「イイ!」と思ったのがボトルへの印刷。たまたま100円ショップで買った無地のボトルがあったのですが、おしゃれなフォントの文字を印刷することができました。

印刷時に気になった点としてはインクの香りが強いこと。冷房部屋で使っていましたが、2時間ほどずっとインクの香りが漂っており、人によっては気分が悪くなるかもしれないと感じました。換気できる環境で利用することをおすすめします。

まとめ:クリエイテビティが試されるプリンター

このようにSelpic P1はどこでも、どこにでも、どんなものも印刷できる面白いプリンターです。お子さんの学校へ持っていくものに名前をつけるだとか、自分のお店でのPRに利用する、封筒やはがきの発信元を印刷するなど、アイデア次第では様々な活用ができそうです。

ズレ防止用に専用の定規も登場しています。

細かい使い勝手やアプリの完成度はクラウドファンディングらしい仕上がりとなっていますが、デバイス側で「これができない」といった制限がほとんどなく、自分のやりたいと思っていたことが手軽に実現できるデバイスとなっています。Selpic P1はまさに自分のクリエイティビティが試されるプリンターであるといえるでしょう。

Selpic P1はすでに目標額の約600%以上の金額が集まっており、商品化が決定しています。

現時点でプリンター本体が定価の半額の99ドル(約1万1000円)から、8色カートリッジセットが33%オフの39ドル(約4000円)からの出資で入手でます。受付は8月21日まで、9月に発送開始となります。

また、Selpic P1のほかにSelpic S1という大型のハンディプリンターも登場しています。Selpic S1はAmazon.co.jpでも販売されています。

充電はMicroUSBであったり大型で取り回しが若干悪い一方で、インクがより大型でよりたくさん印刷できることや、大型であるため安定して印刷することができること、そして何より本体がWiFiスポットとなっているため接続性がSelpic P1よりもいい機種となっています。Selpic P1と一緒にこちらも一緒にチェックしてみてはいかがでしょうか?

→ Selpic S1のクラウドファンディングのページはこちら

どんな場所でも、どんな場所にも印刷できる小型のインクジェットプリンターの登場です。 筆箱に入るサイズのコンパクトなイン...

Source : Indiegogo

 コメント

※暴言・個人攻撃等は予告無しに削除します

  1. 匿名 2020.08.19 10:27 ID:092ff92cd 返信

    こういうの最初に思いつく人ってすごいわ

  2. 匿名 2020.08.19 11:09 ID:b7f368d1f 返信

    これ他の企業とかも作ってるけどインクのコスパがネックなのよね

    • 匿名 2020.08.19 13:06 ID:9b1fbba02 返信

      LANケーブルやサーバ機器のasset tagにも印刷できるんだろうか
      できるとデータセンター屋に普及するかも