アフリカや一部アジア地域をメインターゲットとしていることから、日本人には馴染みのないInfinix。そんなInfinixが送り出すInfinix Noteシリーズの新作Infinix Note 8の実機をレビューします。
目次
購入について
今回購入したInfinix Note 8の価格は日本円で約16000円です。16000円で買えるスマホとしては非常に完成度高く仕上がっており、筆者は大変満足できました。
世界的に見ても一部のマーケットでしか販売されていないことから入手が難しい一台です。筆者はこのInfinix Note 8が発売された去年からそのコスパの良さに惹かれ、購入のチャンスを狙っていましたがようやく手にすることができました。
付属品
付属品は充電アダプターとケーブル、TPUカバー、SIMピン、保護フィルム、その他説明書です。保護フィルムは貼り付けがされていなかったため、筆者自身でその作業をする必要がありました。保護フィルムはすぐに指紋がベトベトついてしまうので、メイン機として使う場合には質の良いものを別で用意する必要があるでしょう。
充電機の端子部分はInfinixのコーポレートカラーである黄緑色になっています。realmeなどもそうですが、こうしたアクセントカラーにガジェットマニアは惹かれます。
本体が入っているボックスも黄緑色の主張が強く、スマホのパッケージデザインとしては新鮮な印象を受けました。ボックス自体もしっかりとした素材、かつ透明ラベルもはってあるなど、安っぽさは全くありません。付属品もきちんと包装されており、好印象を受けました。
Infinix Note 8のスペックをチェック
世界各国のスマホを幅広くカバーする当サイトですが、Infinix Note 8のスマホ情報ページは用意しておらず、それだけニッチな機種ということになります。
ディスプレイ | 6.95インチLCD(720x1640: HD+) |
OS | Android 10 |
SoC | Helio G80 |
メモリ | 6GB |
ストレージ | 128GB |
メインカメラ | 64+2+2+2MP |
前面カメラ | 16+2MP |
バッテリー | USB Type-C 2.0, 5200mAh, 18W高速充電 |
こうしてスペックをざっくりと見てみると、1.6万円のスマホとしてはなかなか特徴が多く盛り込まれていることが分かります。ディスプレイは6.95インチと非常に大きかったり、Helio G80を採用している点、64MPのメインカメラと前面のデュアルパンチホールカメラ、大型バッテリーは18W高速充電にも対応します。
なかなか魅力的な機種だと筆者は感じますが、唯一の妥協点はHD+解像度のLCDディスプレイとなるでしょう。realmeなどのメーカーでさえも同価格帯の機種ではHD+のディスプレイを搭載するため、ここで差別化ができればアドバンテージとなったでしょう。
ソフトウェア・アプリ
ソフトウェアにはAndroidベースのXOSというカスタムOSが搭載されています。Infinixというメーカーはすべての製品にこのXOSを採用しており、ピュアAndroidでない点に好感が持てます。クオリティについても低いという印象は全くなく、重大なバグなども使用中には見つかることはありませんでした。
純正アプリも多くがAOSPからカスタマイズされた独自UIを採用するなど、カスタムOSとしてしっかりと開発されているのが感じ取れます。今回レビューしている端末はデIPS LCD搭載しですが、ソフトウェア自体はダークモードにも対応しています。One UIやMIUIなどの大手他社のカスタムOSと比較した際の優劣は置いて起き、その比較対象としてもおかしくないレベルの完成度ではあると言えます。
美しすぎるバックパネルのダイヤモンドカットデザインには誰もが惹かれる
2万円を切る低価格のInfinix Note 8ですが、デザイン面は非常に力が入っています。2019年から2020年にかけてトレンドとなったダイヤモンドカットデザインを採用しており(一部カラーバリエーション)、背面バックパネルの美しさは息をのむほどです。
もちろんプラスチック素材ではありますが、安っぽさは感じません。今回レビューをしているカラーとブラックがこのダイヤモンドカットデザインになっていますが、ブラックも筆者を長時間悩ますほど美しいものでした。このデザインには見覚えがありますが、これは2019年発売のGalaxy A50sに非常に似ています。Galaxy A50sはダイヤモンドデザインの先駆けともなった機種で、多くのメーカーがこのデザインに後続しましたが、Infinix Note 8もそれを思い出させます。
フレームもバックパネルと同じくメタリックな質感のブルーとなっています。色味を表現するのならば、厳密にはエメラルドブルーと言うのが正しいでしょう。バックパネルを下に伏せても、フレームのブルーが本体を美しく見せてくれます。
バックパネルもフレームも、ツヤありのメタリック系質感が出ているため指紋は簡単についてしまいます。指紋が付きにくいという特徴の保護フィルムなどを使う際は指紋が一切目立たなくなる筆者のため、これはInfinix Note 8自体が指紋を残しやすいということになります。付属もしくは別売りのカバーを装着することは、美しいバックパネルを保護する意味でも絶対だと言えそうです。
ビルドクオリティ(本体パーツ組み立てなどの品質)も全く問題なく、筆者が以前に購入した45,000円(海外定価)のXperia 10 IIよりも良いという印象を受けました。
カメラのクイックテスト - 64MPには期待しないほうがよかった
グッドポイント
- 64MPモードの独立ボタンが上部に配置されているため、それをタップするだけで解像度の切り替えができるのは非常に便利
- 純正カメラアプリを起動すると自動で明るさが上げられる仕様になっている(日光の強い屋外でカメラを起動したときに画面が見えずに撮影チャンスを逃すこともあるので、自動調整はとても助かると感じる)
- 純正ギャラリーアプリは非常にシンプルだが必要な機能は揃っており便利。特に保存した写真の容量が表示される点に驚いた
- 写真のプレビューの右上にはFacebookとInstagramの独立ボタンがついており、それらをタップするだけで上記のSNSに写真をアップロードすることができる
- フロントはデュアルレンズを搭載で見た目の満足感は高い
バッドポイント
- 一度削除した写真は復元ができない仕様になっている
- 64MPカメラはおまけのレベル
- ナイトモードで夜景撮影をしてもおもちゃのカメラのようなレベル
通常
Galaxy A51で撮影した写真と比較をしますが、Infinix Note 8でも非常にきれいに撮影できていると感じます。具材の色味も自然かつ食欲をそそるような映りをしています。
筆者はこのカメラはなかなか気に入りました。価格を考えればよい写真が撮れると感じます。
ボケモード
上はボケ撮影モードを使用して撮影した写真です。筆者に写真撮影の技術やカメラの知識があるわけではないですが、スマホのレンズを植物に向けただけで雰囲気のある写真が撮影できました。ボケが一部不自然なものの、クオリティは決して低くないでしょう。が、写真を拡大して見るとやはり不自然な部分は目立ってしまいます。
ナイトモード
変に明るくなりすぎており、白つぶれのようなものも見受けられます。ソフトウェア側で無理やりな調整をしているのだろうと感じました。撮影処理スピードは速くないものの、特に不満はありません。
やはり2万円を切るスマホで夜空にレンズを向けようとする筆者がおかしいのであり、過度な期待をしすぎたのでしょう。手元の3万円クラスのGalaxy A51で撮影した夜景と比べても、差がありました。
64MPにはがっかり
Infinix Note 8で撮影(64MP) pic.twitter.com/shiqYDkJ9J
— Sekey (@sekeysm) June 3, 2021
64MPカメラを搭載していることが特徴の一つであるこのスマホ。Infinixも「64」という数字を大きくアピールしていることが印象的でした。事実、2万円を切る価格で64MPまでの高解像度センサーを搭載している機種は非常に珍しいでしょう。世界的ヒットとなったRedmi Note 10でさえもメインは48MPであり、64MPにこだわるとなると4万円近いGalaxy A52のような機種になってきます。
高解像度センサーのメリットとして撮影した写真を拡大表示した際に潰れが削減されるなどがありますが、そもそもInfinix Note 8の64MPモードで撮影できる写真に魅力が感じられません。筆者はファイル容量も大きくなる64MPモードをあえて使用するシーンが想定できず、その意味を感じ取ることができませんでした。はっきり言えば、64MPカメラは期待はずれです。
フロントカメラはデュアルレンズを搭載
フロントカメラですが、本体の価格からは想像できないことにデュアルレンズを搭載しています。かつそれは左配置のパンチホール型となっており、その見た目のインパクトは非常に大きいです。作例を記事内に掲載できないことが残念ですが、フロントカメラもなかなかの完成度だと感じます。
パンチホール型のデュアルカメラといえばGalaxy S10シリーズやvivo V19シリーズなどで見られましたが、多くのメーカーはフラッグシップであってもシングルを維持する場合が多いです。Infinix Note 8は良い意味でデュアルレンズのアピールができるでしょう。
セルフィーの撮影時はディスプレイ輝度が自動で上げられるため、それがバックライトとしても機能します。ビューティーモードでは肌のシミやヒゲも薄くなります。Infinixはアフリカでかなりの人気を誇るメーカーですが、セルフィーの肌色のチューニングをアフリカとアジア向けでそれぞれ変更しているかは分かりませんでした。ただし、事実としてアジア人の私にもセルフィーの相性は良かったです。広角モードが使えれば満点だったでしょう。
ARショットでは動物の耳をつけたセルフィーが楽しめる
ARショットという機能では、ARフィルターによってうさぎや犬などの動物をモチーフにしたフィルターを付けることができます。フロントカメラで人の顔を認識すると、フィルターが自動で適用されます。フィルターの種類は非常に少ないですが、B612などにあるようなモダンなデザインが多く使い勝手は良いと感じました。
6.95インチの大型ディスプレイは迫力が違う
Infinix Note 8の最大の特徴は、6.95インチもあるLCDディスプレイでしょう。前面左上にはデュアルパンチホールカメラが配置されていますが、6.95インチというサイズもあり、窮屈さは全く感じません。手元のGalaxy A51と比べても、通知バー二本分くらい縦に長いと思われます。Xperiaスマホのように縦に長くありながら、ディスプレイサイズ自体も大きいのはポイントです。
動画視聴やブラウジングなどのコンテンツ消費にはとても適しており、動画専用のサブスマホとしても活躍をしています。ただし、ディスプレイの輝度はやや低めであると感じました。HD+であるためせっかくの大画面であっても解像度には不満が残りますが、価格を考えれば文句は言えないでしょう。
でも・・・6.95インチはさすがに手に余る
大型ディスプレイは気に入ったものの、本体自体は縦長であるため、筆者の手のサイズでは通知の確認や画面上部をタッチするために手のポジションを変更する必要があります。動画視聴やゲーミングには最適ですが、片手では非常に使いにくいです。
加えて本体に厚みがあるかつ重量もずっしりとするため、男性でも手の大きさがあるユーザーでないと快適には感じないという印象を受けました。ズボンのポケットに入れても違和感が残るため、手で持ち歩くことが多いです。よってファブレットとして考えたほうが良いでしょう。
以前に記事で無印良品のアクリル小物ラックがスマホの収納に非常に適しているという紹介をしています。筆者は現在も同じ製品を収納に使用していますが、このInfinix Note 8はカバーをつけてしまうとサイズが合わずに収納ができません。これまで何十台ものスマホをこのラックに収納してきましたが、サイズが規格外だったのはこの機種のみです。女性にとってはもちろん、男性にとっても大きいと感じるでしょう。
ロック解除は高速 - 側面に指紋センサーを搭載
指紋センサーは側面に搭載されていることが特徴です。Xperia Z5シリーズのような電源ボタンと共有するタイプのものとなっています。センサーのサイズも小さすぎず、ほどよい感触が気に入りました。
側面の指紋センサーを使用したロック解除は非常に高速で、ラグもなくすぐにホーム画面に移動ができます。筆者の所有するGalaxy A52よりも解除のスピードは高速です。
5,200mAhのバッテリーは18Wの高速充電に対応 - 価格以上のバッテリースペック
Infinix Note 8のディスプレイおよび本体サイズの大きさはメリットにもデメリットにもなりえますが、その分だけバッテリーサイズにも反映がされています。5,200mAhもの大型バッテリーを搭載し、18Wの高速充電にも対応します。
同価格帯ではバッテリー容量が大きいライバル機種は多く存在しますが、高速充電への対応も備えたものは珍しく、バッテリースペックはInfinix Note 8を魅力的にしている一因だと言えます。どれだけバッテリー容量が大きくても充電スピードが遅くては効率の面では優れたことになりません。Infinixはユーザーのニーズを理解していると言えます。
当然ながらバッテリーの持ちは非常によく、YouTubeをひたすら流したり、SNSを楽しんだりと一日フルに使い倒しても充電の必要性を感じません。
なお、ステータスバー上のバッテリーアイコンは白色となっていますが、バッテリー容量が低くなると赤色に変化します。本体を充電する必要があることを容易に理解させることができるユーザーフレンドリーなデザインだと感じました。
総評 - Infinixという聞きなれないメーカーのミドルレンジスマホはあなたが想像する以上に一流だ
Infinix Noteシリーズは長く続くシリーズラインですが、Infinix Note 7でデザインとスペックに独自性を見いだせてから、アジア圏でも注目が高まっていると感じます。Infinixはその最新作となるInfinix Note 10をパキスタンで正式発表してます。
Infinix Note 8はそんなInfinixの注目度が向上しているわけを如実に表す、コスパに優れたかつ他社製品にはない独自性も含んだおもしろい機種となっていました。刺さる人にはとことん刺さるスマホだと言えるでしょう。
Infinixいいスマホってことは知ってるんだけど日本語対応してない。してれば買ってた。
ソフトウェアのところに日本語対応してないことを書いて欲しい。