日本でもSIMフリースマートフォンの展開をはじめたり、女優の指原梨乃さんをイメージキャラクターに採用するなど日本国内での知名度も高くなっているスマートフォンメーカー・OPPO(オッポ)。
OPPOのスマートフォンを5台以上所有する筆者がOPPOの特徴やデザイン、歴史をざっくりと解説していきます。
メーカー解説シリーズは今回で四回目になります。
目次
現行シリーズのラインナップ
Aシリーズ
低価格であることが特徴のAシリーズ。安いものでは1万円台前半という機種も存在します。
東南アジアでは人気のシリーズとなっており、OPPOのマーケットシェア拡大を支える重要なラインナップです。
Fシリーズ
OPPO F1からスタートしたのが伝統のFシリーズです。2019年の今は最新モデルとしてF11が存在していますが、OPPO Renoシリーズに人気を持っていかれているようです。
VOOC 高速充電機能や高性能カメラなど、Aシリーズにはない機能がFシリーズの魅力でしょう。一方、2019年の最新機種でもUSB Type-Cを搭載しておらず、Micro USBを採用し続けているのは残念です。
Kシリーズ
KシリーズはOPPO K1という中国国内向けモデルからスタートしました。ナンバリングに特徴があり、K1からK3へ飛び、最新モデルであるその次はK5となっています。
グローバルモデルではない上にラインナップがとても少ないため、スポットライトはあまり当たっていません。しかし、筆者の意見ではKシリーズが最もコストパフォーマンスに優れていると考えています。なぜなら、Kシリーズは全てRealmeのスマートフォンと同じスペック構成をそのまま採用しているからです。
Kシリーズの購入はOPPO沼にはまる可能性があるので注意してください。
Renoシリーズ
ポップアップ式カメラが特徴のRenoシリーズ。最高のカメラ性能に特化しています。
OPPO Reno 10x Zoomはそのズーム性能でスマートフォン業界を驚かせました。これまではフラッグシップ機しかありませんでしたが、Renoシリーズの人気から低価格モデルのラインナップも少しずつ現れるようになりました。カラーも女性ユーザーをターゲットとしたものが登場するなど、徐々に浸透しているシリーズです。
OPPOと日本
もともとは中国をはじめとする海外でビジネスを進めていたOPPO。2018年になってからOPPO R11sというスマートフォンで日本へ進出を果たしました。R15 Neoは日本国内ではとてもリーズナブルな価格であり、OPPOの人気機種となりました。
2019年になってからはすごい勢いで新機種を発表して日本のユーザーを沸かせ、最近ではOPPO Reno Aという日本向けモデルを発売しています。
OPPO Reno Aには同じ「リノ」繋がりで指原莉乃さんがイメージキャラクターに採用されます。Weiboアカウントを持つなど中国国内でも知名度のある彼女の採用は、日本国内だけでなく中国国内でも話題となりました。彼女自身はすぐにOPPO製品の良さに引き込まれていったようです。同時に、指原莉乃さんはiPhoneユーザーであることも認めています。
OPPOの歴史 - ピックアップ
BBKグループの音響機器部門が独立
元々OPPOは現在もvivoを傘下に持つ中国BBKグループの音響機器部門でした。2004年にスピンオフして別会社に。2008年にガラケー市場に参入後、2011年にスマートフォン製造を始めています。
現在はvivoとは市場や価格帯で競合するライバル関係に。資本関係は解消されており、OPPOはBBKグループ傘下ではありません。
2013年にN1を発売 ₋ 回転式カメラ採用
OPPOのスマートフォンで尖っていたのがN1シリーズ。2019年の今この機種を見てしまうと特別感は薄いですが、当時はとても革新的な回転カメラでした。
N1とN1 miniの二種類が存在していました。
2014年にはVOOCチャージを初採用
今となっては珍しくない高速充電機能ですが、OPPOは2014年に他社に先駆けて独自の高速充電規格「VOOCチャージ」を開発しています。
VOOCチャージが初採用されたのはOPPO Find 7という機種です。初代のVOOCチャージ(20W)は30分間で3000mAhのバッテリーを75%まで充電することができました。
ちなみに、発音は「ヴイオーシーシー」ではなく「ヴーク」と言うそうです。
2016年にはR9を発表
OPPO R9にはSONYとOPPOが共同開発をしたカメラセンサー、IMX 398が採用されています。そんなR9は光の少ない撮影シーンを得意としていました。
2018年にはFind Xを発表 ₋ 世界に技術力を広める
裏にも表にもカメラがないデザイン、これがOPPOの大作 OPPO Find Xでした。世界初のパノラマアークデザインを採用しています。価格がネックであまり売れなかったものの、日本でも発売されています。
2019年にはブランドロゴを変更 ₋ ポップなデザインに
2019年にOPPOは新しいロゴを発表しました。これまでの鋭くも丸みがあったロゴに対し、新しいロゴは柔らかさのあるポップなデザインとなっています。ブランドカラーも濃いめのグリーンとなりました。
デザインの歴史 ピックアップ
OPPOのスマートフォンですが、他のメーカーのものと比べると派手なカラーリングが特徴でしょう。縦に長い楕円型の指紋センサーは、OPPOのスマートフォンだと一目で分かる特徴的な形となっています。
OPPO F9 ₋ ベストオブザベスト
OPPOという名をさらに有名にしたのがOPPO F9でした。背面の特徴的なデザインはまるで鳥の羽のようなパターンをしているのが魅力的。グラデーションデザインが採用されており、バックパネル本体はもちろん、側面のバンパーまでもがキレイにグラデーション塗装されています。
また、OPPO F9はOPPOが初めてウォータードロップノッチ(水滴型)を採用した機種としても知られており、OPPOスマートフォンのデザインを語る上では欠かせないものです。
通常版カラー二色に加えて限定カラーと資生堂コラボカラーが存在します。
筆者の個人的な話ですが、OPPO F9は私の人生で最も魅了されたスマートフォンでした。すでに二色持っていますが、いつの日か四色をコンプリートしたいです。
OPPO Find X - 美の追求
OPPOが美を追求した結果の集大成がOPPO Find Xでしょう。カメラが隠されたそのデザインから日本国内でも話題となりました。派手なカラーリングが特徴のOPPOでありながら、この時だけは落ち着きのある本体カラーを採用しています。
Find Xに採用されたスライド式カメラですが、スライドするスピードも美しさを考えた上で調整されているそうです。
OPPO RX17 Pro - ガラスの美しさ
OPPO RX17 Proにはガラス製のバックパネルが採用されています。すりガラス調のバックパネルはその手触りも高い評価を受けました。また、ミストグラデーションカラーでは左右で違うグラデーションカラーが配色されている点がポイントでした。
付属のTPUカバーはクリアブルーとなっており、細かい部分までにもデザインへのこだわりが感じられます。
日本ではOPPO R17 Proとして発売されました。
OPPO F11シリーズ - ヨコからタテへ
OPPO F11シリーズの登場はOPPOにとって大きな変化でした。これまでのスマートフォンはロゴが横に配置されており、背面のカメラレンズも横並びになっているのが特徴でした。
しかし、OPPOは新型F11シリーズでデザインを大きく変え、縦配置のロゴに縦並びのカメラレンズの形を採用しました。このデザインは現行の機種まで採用され続けています。
OPPO Reno Ace Gundam 40th Anniversary Edition
OPPOの最近のコラボと言えば、ガンダムです。日本での発売はなかったスマートフォンでしたが、パッケージには日本語で「ガンダム」と記されており、日本人としては嬉しい気持ちになります。
スマートフォン本体からパッケージ、付属品までがガンダム仕様にデザインされています。ケーブルもガンダムカラーの赤に黄色のアクセントがある特別なデザインになっています。
マーケットシェア ₋ 中国大手との手に汗握るバトル
日本でも知名度が高くなっているOPPOですが、今回は世界全体のマーケットシェアのみを取り上げます。
2018年Q2から2019年Q2までの一年間でマーケットシェアTOP5に入り続けているものの、vivoがぴったり後を追っている状況が続いています。
一方で、2019年Q2時点でシェアTOP4であるXiaomiとの差も大きくないことから、XiaomiとOPPO、vivoの三社は密接した競合関係にあると言えるでしょう。2020年の動き次第ではこの三社の中でOPPOが躍り出ることも、Xiaomiとvivoに先を行かれることも予想できるはずです。
ちなみにOPPOはグループ傘下にRealmeとOneplus事業会社も保有しており、合算するとより大きなマーケットシェアを誇ります。
躍進の原動力は優れたプロモと自社製造
OPPO躍進の原動力は2つあります。
1つは女優や俳優を起用し、「5分充電すれば2時間通話できる」VOOC急速充電や、自撮りを全面に押し出したAIビューティー機能など、わかりやすい新技術が一般人にも受け入れられた点。地方都市までカバーされた充実した販売網で、農村部に弱いXiaomiの弱点を突いて成長しました。
もう1つはスマホの自社生産が際立って多い点。需要の変化に合わせて生産量を柔軟に調節する自社工場が品薄や在庫過剰の防止に役立っていました。
Color OS - iPhoneユーザーなら気に入るはずだ
今となってはAndroid系のニュースばかりを書いている筆者ですが、iPhone信者だったこともありました。iOS 4からiOS 8まで使いましたが、Color OSはiOSのように使いやすいインターフェイスと美しいデザインがとても魅力的でした。
「ヌルヌル感」、こんな言葉がiOSユーザーの間では使われますが、その感覚もColor OSではきちんと再現されているのです。Color OSを一言でざっくりと説明するなら、「iOSとAndroidを1:1で混ぜたもの」でしょう。
コスパの高さはトップレベル
OPPOスマートフォンのコスパは昔は今ひとつでしたが、近年急上昇し、XiaomiやHuaweiと張り合うまでになっています。バッテリーの大きさにしても、カメラ構成や性能にしても価格を考えた時にお得感のある機種が多いでしょう。
一方、昨年発売されたOPPO A7は明らかにコスパが悪く、ネット上でもボロボロに叩かれていたこともありました。筆者も実際に購入しましたが、ひどいものでした。
ここ最近ではA7を除いて素晴らしいコストパフォーマンスの機種ばかりであり、コスパ重視のユーザーには筆者からもおすすめできます。
おまけ - 真面目なOPPO店員とチャラいVivo店員
「OV」と言われたりもするOPPOとVivoですが、どちらも東南アジアでは大人気のメーカーです。
筆者は東南アジア数か国のOPPOショップとVivoショップを数十店舗訪ねてきましたが、OPPOの店員さんは真面目な人が多い印象を受けました。一方のVivoの店員さんは髪型や勤務態度、接客のマナーなどでチャラチャラとしている人が多かったと感じました。
どちらのショップの店員さんもスマートフォンのスペック情報を早口で解説してくれるのが面白かったです。
OVはどっちもOSに難があるのなんとかしてくれい