Global Times(環球時報)は、米アップルは今年、中国限定iPhoneを発表する予定であると報じました。
中国限定iPhoneはコストの掛かるFace IDの部品を除去し、代わりにディスプレイ内指紋認証を搭載します。そうすることでコストを削減し、より安くiPhoneを販売する模様です。
Face IDの主要な構成要素である「TrueDepthカメラ」は、数百元(日本円にして1600円~)ほどかかるようです。Face IDを非搭載にすることで、原価を抑えて、値段の面から敬遠されがちな中国市場で安いiPhoneを売ることで巻き返しを図るのでしょう。
ディスプレイ内指紋認証センサーの原価は不明ですが、3万円台の中華スマホにも搭載され始めていることを考えると結構安いのでしょう。
Appleの中国市場での現状
中国市場では、Huawei、OPPO、Vivo、Xiaomiといった地元ブランドが広く普及しています。様々なスマートフォンが販売されている中、中国ユーザーは5000元(約80000円)を一つの基準としてスマートフォンを選んでいます。
それ以上高価になると、カメラ性能やその他付加価値がシビアに見られます。5000元以上のプレミアム帯で、Appleのシェアは急激に落ちつつあります。
2018年における中国で販売されたスマートフォンの平均価格は2523元(約40000円)でした。4000元(約62000円)以上のスマートフォンは全体の13%ほどであり、中国市場では中価格帯の高価すぎないスマートフォンが求められていることがわかります。
現在、スマートフォンの中国市場でのシェアはHuaweiが34%、Vivoが19%、OPPOが18%、Xiaomiが12%で、Appleはそれらに続く9%となっています。
Appleが抱える問題は価格だけではありません。中国とアメリカの間で起こっている貿易戦争の影響で中国で生産しているiPhoneの製造コストの上昇は短期的には不可避です。
ユーザー数が多く、輸出関税もかからない中国市場での売上減少を阻止するのは重要事項でしょう。
そこで、この安価な中国限定iPhoneを中国市場に投入し、シェア拡大を目指すというテコ入れを行おうとしているのです。
ブランドイメージとの両立が課題か
より安くiPhoneが手に入るのならそれに越したことはありませんが、中国国内ではiPhoneはハイブランド品であり、富裕層のものというイメージがあります。
そのイメージを如何に損なうことなく中国限定の安価なiPhoneを発売するかが課題になるだろうとアナリストらは述べています。
なお、このリーク情報がApple内での確定事項か、もしくは単なる構想であるかは不明。
また、AppleはGlobal Timesに対し、このニュースへのコメントを拒否したとのことです。
Source : Global Times
指紋センサー内蔵液晶なんてのも出るみたいですね
https://buzzap.jp/news/20190701-jdi-boe-fingerprint-sensor-lcd/