米政府の「Huawei叩き」がエスカレートしています。中国側の報復の可能性も含め、不透明感が高まっています。
ホワイトハウスは現地時間5月13日、アメリカに拠点を置く企業がHuaweiとの取引を禁止する大統領令を、1年延期することを発表しました。これによって少なくとも今後1年間は、HuaweiがGMSを利用することはできなくなりました。
加えて、Huaweiを含めたアメリカの禁輸リストに入っている企業に対して、米国のソフトウェアおよび技術を利用して製造された半導体を、政府の許可なく販売することを禁止するルールを5月15日に発表しました。
日経電子版は、5月18日、台湾メーカーTSMCがHuaweiからの新規受注を停止したと報道しました。
GSM搭載制限の延長でHuaweiはどうなる?
Huaweiとの取引を制限する大統領令は、2019年5月に制定されました。これによってHuaweiは、Google PlayストアやGoogle Mapといった「Google Mobile Services(GMS)」が利用不可となりました。
GMSが利用できないので、日本やヨーロッパにおけるHuaweiの販売台数が伸び悩むリスクが考えられます。一方でHuaweiは、GMSを代替する独自アプリ「HMS(Huawei Mobile Services)」の普及を狙っています。GSMArenaによれば、Huaweiは3月に「HMSのアクティブユーザー数は4億人に、HMS開発者は130万人に到達した」ことを発表しました。
またHuaweiは2019年に、Android OSを代替する独自OS「Harmony OS」を発表しました。Android OSはオープンソースなのでHuaweiも利用することができましたが、GMSが利用できないことから、その利便性は大きく低下していました。Harmony OSとHMSが充実すれば、AndroidとGSMに替わるOSとしての普及が見込めます。
現在Harmony OSは中国市場での展開を進めていますが、いずれ国際市場でもHarmony OS搭載スマホを販売していくと思われます。
半導体供給制限の影響は不透明
5月15日に新たに発表された半導体の供給制限措置の影響はまだ分かりません。具体的な運用ルールは別途米商務省から発表される予定です。
Huaweiのスマホで今後SnapdragonのSocが使えなくなる可能性もゼロではなさそうです。
ただ、中国側が米メーカー(Apple等)に対して対抗措置を講じる可能性も十分ありえます。米中当局が何らかの折り合いをつける可能性もありますし、そうなってほしいです。米中の報復合戦が仮にエスカレートした場合、本件はHuaweiにとどまらずAppleや中華系スマホメーカー全てに悪影響が及ぶ可能性があります。
米中貿易摩擦が今後どのように進展するかは予想できませんが、Huaweiとの取引制限はアメリカ企業にもネガティブな影響を及ぼします。今後この問題がどのような展開を迎えるのか、世界中から注目が集まります。
中国の逆制裁は同国のスマホメーカーも潰しかねないしHUAWEIいろいろと厳しそうだね。
まあ頑張ってくれとしか。