中国歩歩高社から独立してできた二つの企業、OPPOとvivo
今となっては世界シェアは5位と6位、中国国内シェアでは2位と3位ですが、数年前まではまだ知名度に乏しいメーカーでした。どのようにしてここまで登りつめたのでしょうか。
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町中にある実店舗が売上増の原動力
実機を触れられ、そして修理までしてくれるメーカーの専門店というと、日本ではAppleのAppleStoreやSamsungのGalaxy storeが有名です。Appleの専門店は日本国内に8つ、中国に25つ、Samsungの専門店は日本国内にGalaxy harajukuの1つ、中国だとSamsungの専門店は750前後あります。
これに対して、OPPOとvivoの代理店は合計30万店と言われています。圧倒的な実店舗網で消費者と接点を持つことにより、両社はオフラインで売り上げを伸ばしました。
特に、ネット通販が普及していなかった中国の地方都市(3線都市・4線都市)での躍進は目覚ましいものでした。
充実のアフターサービス
販売店が多いことは売上につながるだけではありません。多くのスマホメーカーでは修理が必要な場合、本社に本体を送る必要があり、そこで検査をした後に修理されます。
ですがOPPOやvivoは、販売店で済ませてもらうことができます。そのため消費者は故障時の修理の心配をせずに購入することができ、アフターサービスの満足度も向上しました。
写真は、筆者が上海のスーパーマーケットで見かけたOPPOを前面に押し出した販売代理店です。画面修理や電池交換といった簡単な修理や交換サービスならしてもらえるようでした。
このような地道なアフターサービスが急成長した要因の一つでしょう。
違いが「わかりやすい」新技術
OPPOとvivoは、技術革新に力を入れています。OPPOは2016年には中国国内トップの特許出願量に躍り出ています。
そして、開発された新技術はどれもユーザーにとって違いが「わかりやすい」ものでした。ユニークな着眼点で他社との差別化を図ったことがこの2メーカーの特色です。具体的な技術を紹介します。
画面内指紋認証(vivo)
今となっては一般化してきたこの技術ですが、世界初の画面内指紋認証搭載のスマートフォンの発表および発売はvivoです。
2017年にはMWCにてデモ機が展示され、2018年にはX20 Plusとして世界初の画面内指紋認証搭載スマートフォンが発売されました。
超清画質―スーパークリア画質(OPPO)
OPPOが独自に開発した技術で、同時に何枚も写真を撮りそれらを重ね合わす事で超高画素を実現しています。
例えば、OPPO Find 7は2014年発売でありながら5000万画素という超高画素を実現しています。
今でこそカメラレンズの多さがスマホのカメラ性能のアピールになっていますが、当時は画素数の多さ=画質の良さという迷信にも似た観念がありました。
Oppoの超清画質は画素数でダイレクトにカメラ性能をアピールできる技術でした。
VOOCフラッシュチャージ(OPPO)
OPPOの持つ18の特許を用いて作られた超高速充電方式です。3000mAhのバッテリーを30分で75%まで充電することができます。
この技術が用いられたスマートフォンが2014年には既に発売されており、他社に先駆けた独自充電方式でした。
「5分充電すれば2時間通話できる」というキャッチフレーズ。インパクトとわかりやすさを兼ね備えた宣伝でした。
スマホはコスパだけでは売れない
OPPOとvivoはじっくりと市場を読み、コスパとは違う別の努力を行ったことが、Xiaomiの躍進下でコスパ一色だったスマホ市場でここまで登りつめることができた原動力となりました。
今でも、10倍ズームやホップアップカメラなど新たなアイデアで攻める2社。
しかし、Xiaomiは実店舗網の拡充に力を入れ、HuaweiはVOOC以上の急速充電技術を確立しています。他社の迅速な追随で、昔ほどのインパクトは無くなっているのが現状です。
5G・画面内カメラ内蔵ディスプレイなどといった新しい技術がひきめしあう2019年、OPPOとvivoは果たしてどのような戦略で成長を維持するのでしょうか。
BBKはHuaweiにとっても脅威の存在になって来ているよね