Apple関連の高クオリティなニュースで知られるMacRumorsは、著名アナリストMing-Chi Kuo(郭明錤)氏が投資家に対し「Foxconn、Pegatron、及びその他のAppleサプライヤーに影響を与えているコロナウイルスの流行」へ細心の注意を払うよう警告したと報道しました。
同氏はメッセージの中で、Apple製品を製造しているいくつかの工場の稼働状況についてを報告。コロナウイルスがiPhone 9(iPhone SE2)の生産にも影響する可能性についても示唆しました。
Foxconnの中国国内主要工場は大幅に遅れ
河南省鄭州市にあるFoxconnの工場は、iPhone 11など比較的低価格なiPhoneの生産に関しての最重要拠点。Kuo氏によれば、2月2日の春節休み終了後も最低1週間の遅れが発生しているとのこと。春節前の40~60%の従業員しか復帰できていないといいます。
深センにあるFoxconの拠点では2020年の新型iPhoneに向けた準備が進められており、春節期間中も30%ほどの従業員が休みを取らずに開発を続けてきました。当初、ここの従業員が他所の人手不足を埋めていましたが、それでも最低1週間の遅れが出ています。こちらの拠点では、鄭州工場よりもさらに少ない30~50%ほどの従業員しか復帰できていません。
海外へ移転も、労働衛生に問題アリ?
上記主要工場での生産の遅れを念頭に、Foxconnは山西省太原市やインドの工場へiPhone生産を移転し始めました。
しかし、そちらでは生産能力にどうしても限りがあるうえ、空調設備が不完全で従業員の健康上の問題が指摘されています。ウイルスが蔓延する中で空調設備に欠陥があるのは非常に危険です。数日前にはNikkei Asian Reviewにより中国の保険当局が大量の労働者が集まるFoxconn工場の稼働にストップサインを出したとの報道がありましたが、それはフェイクであったようです。
Foxconnの最大の工場が位置する深セン市龍華区の当局者は、この報道は事実ではないとした上で、依然調査は続いており、Foxconnは「温度検査、従業員のマスク着用、安全な食事システムなどの対策」を提示したと明らかにしました。
Pegatronは比較的順調に生産中
もう一つのAppleの主要サプライヤーであるPegatronは、同社上海工場を2月3日に通常通り稼働開始。iPhone 11の生産とiPhone 12の開発を再開し、従業員も90%が復帰できています。しかし、従業員の多くが2月の給料日後に退職する見込みで、Kuo氏はその後には稼働率が60~70%まで低下するのではないかと予想しています。
一方、iPhone 9(SE2)の生産を担当すると見られる江蘇省蘇州市の崑山工場では、2月10日に再開が予定されているものの、「最低数日」の遅れが予想されており、さらに従業員の復帰率も40~60%程度にとどまってしまう可能性があります。
まだ先行きは不透明
Kuo氏は、「まだ多くの不確実性がある」として具体的な出荷時期の明言を避けました。
3月中旬発売といわれるiPhone 9だけでなく、秋のiPhone 12シリーズの出荷にも影響を与える可能性があります。
とどまるところを知らないコロナウイルスの流行は、今後も様々な産業に大きな影響を与えていくことは確実。私達もこれ以上の流行を防ぐため、徹底的な手洗い、咳エチケットなどの配慮が必須です。
Appleの受注落とせないからさぞブラックな現場になるんだろうなあ
それでも納期守れなそうだが……