中国を中心に世界で猛威をふるう新型コロナウイルスの流行は、スマホ業界を含む多くの産業に深刻な影響をもたらしています。香港の調査会社CounterPointの最新の報告によると、中国ではこのウイルスの影響により、スマホの出荷台数が激減する見込みです。
CounterPointは、今年第1四半期の中国におけるスマホ出荷台数予測を、当初の9000万台から30%近く少ない6300万台へ引き下げました。特に実店舗でのオフライン販売は、前年同時期との比較で50%以上も減少するようです。
これによってメーカーが余剰在庫を抱えると、第2四半期以降の製品出荷や新製品発表にも支障をきたす可能性があります。
各メーカーへの影響は明暗が分かれそうな形に
CounterPointのアナリストであるFlora Tang氏は、各メーカーへの影響を予測しています。
例えばHuaweiは、自社の売上のほとんど(60%)を中国国内で賄っているのに加え、米国による制裁の影響で多くの部品が中国製であるため、中国国内への依存度が高く、他のメーカーよりも深刻な影響を受けると見られています。OPPOやvivoも、中国国内の実店舗での販売を主軸としているため、出荷台数の落ち込みが懸念されています。
一方、海外でのオンライン販売が好調なXiaomi、OnePlus、Realmeへの影響はそれほど深刻ではないようです。
より具体的な影響がわかりやすいのは、Appleの例でしょう。Appleが中国国内のApple Storeを一時閉鎖したニュースは、日本でも話題になりました。これによって、iPhoneの販売台数は約100万台も減少するとのこと。さらに、Foxconnの鄭州工場では、発売間近のiPhone SE2の生産が滞っているとの報道もあります。今はまだ表面化していない問題が、数ヶ月後にツケとして回ってくるかもしれません。
グローバル市場への影響も避けられない
影響は中国市場にとどまりません。グローバル市場への影響も懸念され、今年第1四半期は世界全体で5~6%ほどの出荷台数減少になると予想されています。
CounterPointのTom Kang氏によれば、このウイルスの流行は3月頃に収束するものの、市場全体が元通りになるまで、さらに3ヶ月ほどかかるだろうとのこと。したがって、今回の騒動による影響は第2四半期まで及びそうです。
CounterPointは、2020年の出荷台数が前年比で増加する見込みとしていました。ところが今回の件を踏まえると、2020年の出荷台数の伸びは期待できない様子。
連日のようにコロナウイルス関連のニュースが報じられていますが、一刻も早い事態収束が望まれるところです。
Source:CounterPoint,GSMArena
言ったら不謹慎なのかもしれないけど、これを機にフラッグシップ機のセールしてくれたら嬉しい