AnTuTuベンチマークは、その年の最も優秀なSoCを決めるSoC Award 2019を公開しています。
随分マニアックなAwardですが、Qualcomm、MediaTek、Huawei、Samsungなど、Android向けSoCの開発メーカーが勢揃い。
優れたSoCが「パフォーマンス」、「イノベーション」、「コスパ」の3部門で選考しています。
それでは各部門の受賞SoCを紹介します。
目次
パフォーマンス部門
Qualcomm Snapdragon 855 Plus
栄えある最も優れたパフォーマンスに選ばれたのは、Qualcomm Snapdragon 855 Plusです。
2019年を代表するフラグシップSnapdragon 855のGPU強化版として発表されました。
855 Plus搭載する「ROG Phone 2」が2019年の総合スコアランキング1位に。
平均スコアでは約480000(AnTuTu V8)を叩き出し、文句なしの性能を備えたSoCです。
イノベーション部門
Huawei Kirin 990 5G
Kirin 990 5Gは、Huawei子会社のHiSiliconが開発したフラグシップSoCです。
業界では初めてチップセットに5Gモデムが統合した点が評価されました。
2019年10月に発売された「Mate 30 Pro」に搭載しています。
AnTuTuスコアは、約450000(AnTnTn V8)。
Samsung Exynos 980
Exynos 980は、vivoと共同開発されたSoC。
チップセットには5Gモデムを統合しており、デュアル5Gモードをサポート。5Gのサブ6Ghzをサポートしており、最大で2.55Gbpsのダウンリンク速度が可能です。
主な搭載端末は「vivo X30 Pro」。
AnTuTuスコアは、約330000(AnTnTn V8)。
Qualcomm Snapdragon 765G
Snapdragon 765Gは、Snapdragon 765、865と同時に発表された最新SoC。
5GモデムをSoCチップ内に統合しており、速度は下り最大3.7Gbps。GPU性能はSnapdragon 730と比べて約20%の向上に成功。総合スコアは2017年のフラグシップのSnapdragon845に肉薄しています。2020年の5G対応端末普及の起爆剤になりそうなSoCです。
主な搭載端末は「Oppo Reno3 Pro」。
AnTuTuスコアは、約300000(AnTnTn V8)。
MediaTek Dimensity 1000L
Dimensity1000Lは、Mediatekが開発した新型SoC「Dimensityシリーズ」のミドルレンジモデルです。
2019年12月に発表されたばかりですが、早くも「Oppo Reno3 5G」に搭載されています。
5Gチップを内蔵し、総合性能では他社のSnapdragon765GとExynos980を上回っています。上位版のDimensity1000はAntutuスコア51万点を叩き出ており、新たな高スペックSoCの登場により、2020年のSoC勢力図が大きく変わるきっかけとなりそうです。
AnTuTuスコアは、約380000(AnTnTn V8)。
コスパ部門
Huawei Kirin 810
Kirin 810は、7nmプロセスで製造されたミドルレンジSoCです。
CPU構成は、Coretex A76 x 2基+Coretex A55 x 6。GPUにはMail G52が搭載されています。総合性能では、以前のフラグシップのKirin 970とSnapdragon 835を上回っています。
AnTuTuスコアは、約280000(AnTnTn V8)。主な搭載端末は「nova 6 SE」の他、Huaweiスマホに限定されていますが、HuaweiはKirinを外販する方針を固めているので、今後他メーカーのスマホにも搭載されるかもしれません。
MediaTek Helio G90T
Helio G90Tは、2019年7月に発表された、ゲーミングに特化したSoCです。
CPU構成はCoretexA76+CoretexA55のオクタコア。GPUは高性能なMailG76を搭載。
主な搭載端末は「Redmi Note8 Pro」。
AnTuTuスコアは、約280000(AnTnTn V8)。この性能で2万円代前半のスマホに搭載されていることは驚異的です。安価なゲーミングスマホの普及に期待が持てます。
Source: AnTuTu
AntutuがAnTnTnになってますよ