スマートフォンのカメラは日進月歩で進化しています。画素数は一眼カメラに劣らず、デュアルカメラを用いた様々な表現、強力なSoCやAIによる画像処理、Snowなどのアプリによる画像編集などなど、スマートフォンにしかできない進化も遂げています。
現在、Apple, Google, Huawei, Samsung, Sonyといった有名メーカーたちがハードウェアとソフトウェア両方においてスマホカメラをリードしております。
しかし、2019年のMWCにおいて、NokiaのソーシャルメディアチーフのEdoardo Cassina氏は、プロフォトグラファーのKonsta Punkka氏がNokiaの最新機種のNokia 9で撮影した画像をinstagramに投稿しました。この画像はまさに、噂通りの5眼カメラ搭載でカメラ性能が凄まじいNokia 9の力を示しています。
プロフォトグラファーのKonsta Punkka氏いわく、この写真はNokia 9で撮影され、Nokia 9で編集したものだそうです。(つまり、JPEG撮って出し、無編集ではないということです。)instagramでは圧縮がかかっており、完全な生の写真は見れませんが、それでもNokia 9のカメラ性能が素晴らしいことがわかります。
画像は日没(もしくは日の出)のシーンであり、奥の斜めから入ってくる光が手前の奇岩にあたっている印象的な画像です。
まずは山の質感を見ると、しっかり解像しており、木々が茂ってる質感があることがわかります。
また、右側の手前の岩を見ると、しっかりボケていることがわかります。スマホ写真にありがちなパンフォーカス(全面にピントが合った写真)ではなく、しっかりとピントが合っていない部分もある一眼カメラらしい写真となっています。
そして何より素晴らしいのがダイナミックレンジです。ダイナミックレンジとは、白飛び(真っ白になっているところ)寸前から黒つぶれ(真っ黒になっているところ)寸前までの、階調を失わずに同時に写し込める明暗差の幅のことを言います。
例えばこの写真。鉄器の黒が黒つぶれせずに火の回りも白潰れしていない。これは一眼カメラのダイナミックレンジが高いことを示している(ミラーレス一眼を用いた。筆者撮影)
スマホのカメラのような小さいセンサーで受け取れる光の総量が少ないものはダイナミックレンジが狭く、白飛び黒つぶれが激しいことが多いです。特に太陽光が入った写真は明暗差がひどいため、その様子が顕著に現れます。
しかし、Nokia 9で撮影されたこの写真は手前の岩の太陽光があたっていないところがほとんど黒つぶれがなく、岩の質感が残ったまましっかりと階調を残せています。おそらくカメラ5台分のセンサーがあるため、ダイナミックレンジがかなり広くなっているのでしょうが、この写真はそれが如実に現れた一枚になったと思います。
とはいえ太陽が出ているところはさすがに白飛びしています。しかし、これは一眼カメラでも難しいシーンなので仕方ないと言えるでしょう。この白飛びを鑑みてもNokia 9は健闘していると思います。
プロフォトグラファーのKonsta Punkka氏が撮影した写真は編集を加えたものです。おそらくAdobe Lightroom mobileなどのプロ向けソフトが使用されていると思いますが、それでもカメラ5台分の情報を処理するNokia 9のカメラの実力が垣間見えたのではないでしょうか。
この写真からだけではズーム機能や、超広角、背景ボケ機能といった性能がまだわかりませんが、どのようなものであるにせよNokia 9のカメラはワクワクするような革新的なものです。
Source : Instagram
一昔前だと多重露光による高画素化及びHDRなんて邪道!といわれてたのに
自然に見せる技術がこなれてきたのもあってか
すっかり一般化しちゃいましたね。