米Qualcomm社は、12月3日にハワイのマウイ島で開催したイベント「Qualcomm Snapdragon Tech Summit 2019」にて、次期ハイエンドスマートフォン向け「Snapdragon 865」を新たに発表しました。
製造は台湾メーカーのTSMC。現世代のSnapdragon 855の後継モデルとなります。
この記事では、仕様、スペック(855との比較)やAntutuベンチマークスコアを紹介します。
Snapdragon 855の正当進化
Snapdragon 865は、前世代のSnapdragon 855と比べて全体で45%。CPUのKryo 585は約25%、GPUのAdreno 650は約20%の性能向上に成功してるとQualcommは主張しています。
また、ディスプレイは最大4K 60Hzと144Hz WQHDをサポートのほか、ビデオは最大8Kまで、4Kでは120fpsでの撮影が可能。
さらに、シングルカメラの画素数はなんと最大2億画素まで搭載可能です。
通信に関しては、5Gは下り最大7.5Gbps。また、Wi-Fi 6(IEEE802.11ax)にも対応します。
スペック詳細(855と比較)
SoC | Snapdragon 865 | Snapdragon 855 |
CPU | Kryo 585 (ARM Cortex A77-based) 8コア 最大2.84GHz | Kryo 485 (ARM Cortex A76-based)8コア 最大2.84GHz |
GPU | Adreno 650 | Adreno 640 |
ディスプレイ | 最大 4K UHD 60 Hz / QHD + 144Hz | 最大 4K UHD 60 Hz |
AIプロセッサー | Hexagon 698 第5世代AIエンジン | Hexagon 690 第4世代AIエンジン |
メモリ | LPDDR4x,2133 MHz, 16 GB RAM / LPDDR5x,2750 MHz | LPDDR4x,2133 MHz, 16 GB RAM |
カメラ | ・シングルカメラ最大2億画素 ・デュアルカメラ最大2500万画素 | ・シングルカメラ最大1億9200万画素 ・デュアルカメラ最大2200万画素 |
ビデオ | 最大8K 30fps / 4K 120fps | 最大4K 60fps |
通信 | 5G 下り最大7.5Gbps / 4G 下り最大2.5Gbps | 5G 下り最大5.0Gbps / 4G 下り最大2.0Gbps |
充電ポート | Quick Charge 4+ Quick Charge AI | Quick Charge 4+ |
AIエンジンでは、第5世代になり第4世代の7TOPSから15TOPSへ約2倍の処理能力になったとのこと。電力効率は35%向上してます。
AnTuTuベンチマーク
SoC | Snapdragon 865 | Snapdragon 855 |
AnTuTu総合(Ver.8) | 565,384 | 386,499 |
Geekbench シングルコア(Ver.5) | 929 | 600 |
Geekbench マルチコア(Ver.5) | 3,450 | 2,499 |
ご覧の通り、Snapdragon 865は総合で約56万点を超えてます。これは前世代のSnapdragon 855を約17万点近く上回っています。全体で45%の性能向上とQualcommが主張していますが、Antutuベンチマークスコアもおおむね一致しています。
既に、SamsungやXiaomi、さらにはOppoがSnapdragon 865搭載スマートフォンを2020年に投入することは過去のリーク・関係者の発言から確実です。
日本でもおそらく2020年のフラグシップスマホに搭載されると思われるので、各社の今後の動向に期待しましょう。
Source: xda
865に5Gモデムは内蔵されていないのではないでしょうか。
855のときはX50モデムチップと組み合わせて5Gを実現していましたが、865用のモデムチップは別のモデルが提供されるのでしょうか…?