2年後にはApple、他のことしてそう…。
去る9月、HUAWEIのCEOである任 正非(じん せいひ)氏はアメリカの有力ビジネス誌、フォーチュンのインビューを受け、「Harmony OSは2年以内にiOSと競争できるようになる」と発言しました。
Harmony OSはHUAWEIの独自OSで、アメリカからの禁輸措置が始まる前から開発が開始されていました。特徴としてはオープンソースであり、Androidからの意向もスムーズに行えるというもの。
つまり、HUAWEI以外の機種、OPPOやXiaomiであってもインストール可能ということです。この点を考えると、なぜ「iOSと競争」と発言したのか疑問が残ります。順当に考えれば競争相手はAndroidなはずです。
HUAWEIはAppleと競争したい?
これまでもHUAWEIはAppleに対して挑戦的な姿勢を取っており、Apple製品を手がけるサプライヤーから製品技術を盗んでいた、という事実も明らかになりました。HUAWEIはなりふり構わずAppleを猛追することで成長してきたのでしょう。
そう考えると、今回の任CEOの発言も納得がいきますね。Harmony OSをAndroidではなくiOSのように育て上げたいのかもしれません。アイデアやデザインの模倣を指摘された際も、「優秀なものは似てしまう」といった旨の発言をしたこともあり、どうにも憧れを拗らせているように感じられます。
iOSとHarmony OSは別物
しかし、OSの性質はもちろん、企業としてのスタイルそのものがHUAWEIとAppleでは大きく違います。HUAWEIは通信機器を販売している一方、Appleは製品を通しての「体験」を売っています。
HUAWEIが手がけるスマートフォンは確かにハイスペックで、デザインも先進的なものです。しかし、そこにプロダクトデザインの文化や過去からの踏襲を感じるかといえば、それは否でしょう。
そしてそれはハードだけでなく、ソフトに関しても同じことが言えます。ジョブズがiOSの電卓のデザインにこだわった、という逸話がありますが、これは決してジョークではありません。細部まで同じ文脈で統一させることはユーザーの体験に大きく影響します。
性能、という観点においてはHarmony OSがiOSと競争できるようになっても、同等のブランド価値を発揮する存在にはならないのではないでしょうか。そもそものスタンスが異なっているからです。
それぞれの2年後
HUAWEIがスマートフォンに加え、Harmony OSを開発している間、Appleは全く別の分野へ進出する可能性があります。すでにiPhoneは完成形に近づき、iPadやMacBookシリーズもここ数年、大きく変わっていません(iPad Proは別)。
すでにApple Cardという決済サービスを始めているように、Appleは次のステージに進もうとしています。2年後となると想像がつきませんよね。Apple Carといった製品の噂もされています。
HUAWEIは2019年上半期決算において前年比で23.2%増加と、逆風を受けてなお勢いを見せています。しかし今後、スマートフォンが地球規模でさらに普及していけば人々は「体験」を求めるようになるでしょう。
こうした背景を踏まえ、HUAWEIは真にイノベーティブな存在へと進化できるのでしょうか。新製品だけでなく、長期的な動向にも注目が集まります。
Source: gizmochina.com
母体数が桁違いなのに2年でどうやって並ぶの?(笑)