Color OSは中国のスマートフォンメーカー「Oppo」によって開発されたAndroidベースのカスタムOSです。基本的な操作感や機能などはAndroidスマートフォンそのままですが、他と比べても少しクセがあるカスタムOSとして、一部では有名です。
ここ最近Oppo製スマホの人気は日本でも上昇中で、Reno Aなど新モデルのCMもバンバン打たれていますが、iPhoneなど他のスマホから乗り換えるにあたって一番の不安がソフトウェアの使い心地です。
この記事では、Oppoの日本国内版・中国版・グローバル版あわせて5機種のColorOSを異なるバージョンで使用してきた私SekeyがColor OSの特徴や機能、使い心地をスクリーンショットを交えて徹底解説します。
目次
ホーム画面・ランチャー
ホーム画面はかなり洗練されていると言っていいでしょう。Androidの中では筆者が最も気に入っている見た目で、iOSと似たデザインが特徴です。ドロワーがない点もiOSに似ています(Color OS 6ではドロワー有りのオプションも選べるようになりました)。
ホーム画面内に何個のアプリを置くかを設定で決めることも可能です。4x5もしくは5x6から選ぶことができます(ほとんどの機種は4x5が初期設定です)。
ランチャーの変更も可能
Color OSではランチャーの設定が少し分かりにくくなっています。設定画面から「アプリ管理」ー「デフォルトのアプリ」ー「ランチャー」と進むとシステムランチャーから好きなランチャーに変更することができます(ランチャーの変更が一切できない機種も存在します)。PlayストアからインストールできるNovaランチャーなどの有名なものにも対応していますが、全ての機能が正常に動くという保証はないため注意が必要です。
標準ランチャーではウィジェットも使え、ページめくりのエフェクトも変更できたりと主要な機能はそなえています。標準ランチャーの設定変更には、ホーム画面の状態で二本指で「つまむ」動作をしてください。
こだわりがなければColor OSの標準ランチャーをそのまま使うことをおすすめします。
アイコンの形は端末によりけり
Color OSを使っていて筆者が個人的に不思議に思っているのが、ホーム画面のアプリアイコンについてです。
realme中国版のColor OSでは標準アイコンが丸形になっています。一方のrealmeグローバル版のColor OSでは丸形と四角の両方が存在したり、どちらも混ざっている場合もあります。
Oppoのスマートフォンでも同じで、日本国内版でも丸形だったり四角だったりと機種・バージョンによってバラバラです。
標準アプリだけでなく、Playストアからダウンロードしたアプリも丸になったり四角になったりと違いがあるのが不思議です。Oppoの2019年新型モデルでも標準アイコンが四角の場合があるため、発売時期は関係ないと考えています。
なお、その他のデザイン・インターフェイスはどのOPPO製スマートフォンも同じで、使いやすさに差はありません。
設定画面・標準アプリ
設定画面
Color OSの設定画面はiOS(7以降)のインターフェイスにとても似ており、誰でも使いやすいのが特徴となっています。カテゴリの分類表示も一般的なスマートフォンと変わらず、一目で探している項目を見つけることができます。
Androidユーザーはもちろん、iOSユーザーでも問題なく使えるでしょう。
通知バー周り
通知バーに表示できるアイコンの種類はとても豊富で、設定で変更できます。支払い系アプリのショートカットや、Shazamなどのアイコンも存在します。Color OS 6の通知バーはXiaomiのMIUIのものにかなり似ています。
標準アプリ・写真
写真アプリの使い勝手は良くも悪くもないでしょう。
削除した写真は削除済み写真として本体に残り続けます。30日を過ぎると完全消去される仕様です。iOSと同じで、誤って消してしまった場合でも復元が簡単なのは良い点でしょう。そのほかファイル名検索機能やシークレットアルバム機能、人間の顔が映った写真をまとめるなどの機能が存在します。
Color OS 6では、自動的に写真を分類して一週間の振り返りアルバムを作成するという機能も追加されました。
Color OSの写真アプリではアプリ上でファイルを別のアルバムに移すことができますが、本体ストレージ上では移っていることにはなりません。
つまりファイルを別のアルバムに移せたように見えているだけということになります。本体ストレージ上でも移動させたい場合にはファイルマネージャーを使う必要があります。ファイルの管理がしづらいのはColor OSの非常に悪い点で、Color OS 6になっても改善されていません。
そのほかにも写真アプリが横表示に対応していないのは悪い点でしょう。
標準アプリ・天気/時計
天気アプリは背景白ベースのデザインとなっており、おしゃれさもありながら見やすいインターフェイスが特徴です。天候によってグラデーションの色が変わるため、毎回アプリを開く時の楽しさがあります。
Color OS 5の時計アプリではメニューボタンが画面下側にありましたが、Color OS 6では画面上側に移りタッチしにくいと感じています。
アップデート状況
合計5種類のスマートフォンでColorOSを試してきましたが、どれもソフトウェアアップデート(セキュリティアップデート)はきちんと配信されていました。
iOSと同様、ソフトウェアアップデートがある場合はポップアップが強制表示されます。ポップアップは消すことができず、今すぐアップデートすることを選ぶか、後でアップデートするかの二択を迫られます。アップデート画面を一度開いてホーム画面に戻ることでアップデートの放置もできますが、ポップアップはしつこく表示されるため現実的ではありません。
OSアップデートはあまり来ない
OSアップデートが来ないと言われることが多いOppo・realmeのスマートフォンですが、これは正しいでしょう。筆者が所有するRealme Xはソフトウェアアップデートだけが週に一度のペースで来ている状況が続いています。
(必死に探して入手した)Realme 2 ProはAndroid 8からAndroid 9へアップデートされましたが、日本発売の低価格機種・Oppo AX7(SIMフリー版)にはAndroid 9が配信される様子はありません。
国内外モデル問わず、低価格機種へのOSアップデート配信にOppoは力を入れていないという印象があります。
セキュリティ機能はかなり充実
Color OSは様々なセキュリティに関する機能が搭載されています。
セキュリティキーボード
Color OSのセキュリティ機能として代表的なものはOppoセキュリティキーボードでしょう。このキーボードはパスワードを入力するシーンを自動で認識し、メインに設定したソフトウェアキーボードに割り込んで現れる特徴を持ちます。
LINEやブラウザなどではGoogle日本語入力を使用していても、パスワードが求められた場面では自動的にOppoセキュリティキーボードでの入力に切り替わるようになっています。
なお、日本国内版のColor OS 6を搭載した新機種では標準キーボードにSimejiが採用されている場合があります。Simejiの人気を考えてOppo 日本が独自に採用したものでしょう。かつて許可なく入力データを転送していて問題になったSimejiの採用は、Oppo セキュリティキーボードを台無しにするチョイスだと筆者は感じています。
スクリーンショットの強制キャンセル機能
スクリーンショットの強制キャンセル機能もColor OSは搭載しています。
パスワードの入力中や、スクリーン上で個人情報を扱っている最中にスクリーンショットを撮影しようとすると、撮影が強制的にキャンセルされるようになっています。
悪質なアプリの検出とお知らせ機能
Color OSでは悪質なアプリを検出すると、ポップアップ通知でユーザーにアンインストールを勧めることがあります。これにより、ユーザーが誤って悪質なアプリをインストールしてしまっていた場合でも早い段階で対処できる場合があります。
筆者のスマートフォンでも、CamScannerを悪質なアプリと判断し、アンインストールするようポップアップ通知が来たことがありました。このアプリはのちにマルウェア混入が発覚したものでした。
アプリの暗号化機能
アプリの暗号化機能では、ユーザーが指定したアプリに6ケタのプライバシーパスコードでロックをかけるというものです。暗号化されたアプリはプライバシーパスコードを入力しなければ空けることができません。
こういった機能が実際に機能し、ユーザーを危険から守れているのかを知ることは難しいです。とはいえ、このような安全のための機能がいくつも採用されていると理解するだけでもOSへの安心感は変わってきます。
バッテリー関連
Oppoのスマートフォンはバッテリー容量が大きめの機種が多く存在するのが特徴でもあります。それらに搭載されるColor OSもバッテリーの持ちを良くする省エネモードを搭載しています。
省エネモードがオンの時には、画面の明るさが下げられるほか、自動画面オフまでの時間が15秒に変更されます。バックグラウンド同期も終了させられます。
Color OS最大の問題: 通知が来ない
Color OS搭載のスマートフォンは通知を正常に受け取れないことが多いです。メールやSNSなどの通知は重要ですが、これらの通知が遅れたり全く来ないことがあります。アプリによって通知が来ないのではなく、どのアプリでも通知が来る時と遅れてくる時、全く来ない時に分かれます。
この問題は5ちゃんねるなどの掲示板でも報告されていることが珍しくありません。バックグラウンドでのアプリ動作を厳しく制限するColor OSならではの問題のようです。
解決策
アプリを「ロック」することでバックグランドで常に動作させ、通知が来るようにするという対策があります。そのほかにも「フォンマネージャーアプリ」から「プライバシー権限」ー「スタートアップマネージャー」を開き、通知を必ず受け取りたいアプリをオン(緑色)に変更することで問題が解決する場合もあります。
われわれユーザーができる対策は限られているため、これは完全に解決することができない問題です。事実、SNSの通知が遅れてくることが理由で「友人からの外出の誘いに返信できなかった」などの経験があります。(筆者の環境:Color OSバージョンV6.0 Androidバージョン9)
一方で、通話の着信が来ないということは一切ありません。
カメラ関連
カメラのインターフェイスはiOSにとても似ており、操作感も近いです。iPhoneユーザーにColor OSスマートフォンを渡しても迷いなく扱えると思います。
シャッターボタンの位置は固定で、ボタンの数を追加するなどの機能はありません。中国版やグローバル版ではシャッター音を消すことが可能ですが、日本版ではできない仕様です。日本版はサイレントモードにしていてもシャッター音が鳴ります。シャッター音自体はiOSと比べて小さめです。
そのほか音量ボタンをシャッターボタンかズームボタンに割り当てることも可能です。ウォーターマークも付けられるようになっています。
その他独自機能
スワイプアップジェスチャー
三分割された灰色のバーどれかに指を置き、上に引っ張るように動かすことで操作ができます。
Color OS 5からColor OS 6になってアプリ間移動のヌルサク感が良い具合に調整されています。iPhoneと操作方法は全く同じで、ヌルサク感もとても似ています。
通常のAndroidと同じようにボタンを表示する設定に変更も可能です。スワイプアップジェスチャーは指の動かし方に慣れが必要のため、何度も練習する必要があります(個人差あり)。
三本指で画面分割(マルチタスク)
Color OSは画面分割もサポートしています。アプリを開いた状態で、三本の指を画面に置いて同時に上へスライドさせると分割表示に追加するアプリを選択する画面に移動します。
画面分割中は両穂のアプリのサイズを変えるのはもちろん、二つを同時に操作することもできます。
三本指でスクリーンショット
Color OSでは、スクリーンショットの撮影は三本の指を画面に置いて同時に下へスライドさせるとできるようになっています。ボタンでの撮影には電源ボタンと音量ボタン(ー)を同時に押します。ボタンでの撮影は長押しする必要があり、動画の切り抜きにはあまり向いていません。
ロック画面マガジン
この機能はOPPOがセレクトした壁紙をスマートフォンが自動で受信し、定期的に新しい壁紙へ変えていくものです。壁紙は風景やスポーツなどのテーマから選べるようになっており、性別を選ばないものが中心です(テーマによって戦闘機などの壁紙になることもあります)。なお、広告の表示はありません。
ダブルタップで画面オン
Xperiaなどのスマートフォンでは昔から採用されている機能ですが、Color OS 6から新たに追加されました。画面がオフの時にダブルタップをするとオンになるというものです。
小ネタ 開発者モード
開発者モードの有効化
設定画面から「端末情報」へ進み、「バージョン」を七回タップすると開発者モードをオンにすることができます。
開発者モードをオンにしている時は「開発者モードがオンになりました」という消せない通知が表示されます。この通知を消すためには開発者モード自体をオフにするしかないのが残念な点でしょう。
外部のランチャーって使えるようになったのかな?