先日台湾の半導体メーカー、MediaTekがゲーミングスマートフォン向けSocであるHelio G90とG90Tを発表しました。Helio G90シリーズのGはゲーミングの略で、スマートフォンの性能をゲームに合わせて調節するMediaTekの独自技術HyperEngineゲームテクノロジー(下記に記載)が組み込まれています。
目次
Helio G90とHelio G90Tの性能とベンチマークスコア
Helio G90とHelio G90Tは、CPUに最大2.05GHzのARM Cortex-A76とCortex-A55オクタコア、GPUに最大0.8GHzのARM Mali-G76 3EEMC4を搭載しています。公式発表はされていませんがおそらくHelio G90TはHelio G90をクロックアップさせたものであると思われます。また、最大10GBのLPDDR4Xメモリを搭載可能としています。
Helio G90シリーズは最近話題の64MPのカメラに対応しています。ネットワークに関しては「MediaTek TASおよびCat-12 4G LTEモデムを搭載」との記載があるため、残念ながら5Gには対応していないようです。
Helio G90のAntutuスコアは総合スコアが22.2万点、3Dスコアが6.8万点。GeekBench4はマルチコアスコアが6800点、シングルコアスコアが2400点となっています。これはQualcommのミドルレンジSocのSnapdragon730を超えており、中々の高性能Socであることが分かります。Helio G90Tのスコアは現在明らかになっていませんがG90よりやや高性能という事だけ抑えておけば良いでしょう。
MediaTek HyperEngineゲームテクノロジーとは
G90シリーズに搭載されたゲーミング向けの技術である「MediaTek HyperEngineゲームテクノロジー」は、MediaTekが独自開発したものです。その主な機能を紹介します。
ネットワーク接続の安定化
G90シリーズにはIntelligent Network Prediction Engineが搭載されており、Wi-Fiの接続が弱くなった際に僅か数ミリ秒でLTEに切り替えをします。これにより、電波が急に弱くなっても安心してプレイすることが出来ます。ただし、通信料には注意が必要ですね。
また、まだ普及しておらず、技術的にも難しいデュアルWi-Fi接続にも対応しており、1つのWi-Fiルーターの2つの帯域(2GHz帯と5GHz帯)、もしくは2つのルーターに同時接続することが出来ます。これにより、更なる安定したWi-Fi接続を実現しています。
電話回線とデータ回線の同時実行
Helio G90シリーズ搭載スマホでは電話をしながらゲームをすることが出来ます。勿論電話の着信によってゲームが中断されることもありません。
この機能は友人とゲームをする際に作戦を伝えたりと、一部ユーザーに便利な機能でしょう。
ディスプレイの最適化
Helio G90シリーズはタッチスクリーンへの入力にラグがかなり抑えられており、それでいて電池消費を抑えながら、高フレームレートでプレイすることが出来ます。また、最新のHDR(ハイダイナミックレンジ)10規格をサポートし、細部まで表現することが出来ます。
まとめ
Helio G90シリーズは競合であるSnapdragonよりも安く売られることが多いため、今後高コスパが売りの中華スマホに採用されていくと思われます。ベンチマークスコアスコアやスペックだけでは分からない点は沢山ありますが、Helio G90シリーズを搭載した端末の登場、発売が楽しみです。
Source : Mediatek
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