今週のニュースの中から目立ったニュースをピックアップ。telektlistが選ぶ今週のニュースTOP5。2019年7月第3週は、サムスンのGalaxy Note10を巡る話題、注目のSnapdragon 855 Plusやそれを採用した最新ゲーミングスマホの話題などをお届け。おすすめ防水スマホ5選も注目です。
目次
サムスンとGalaxy Note10を巡る様々な事情
今週はサムスンにまつわるニュース――特にGalaxy Note10に関連するニュースを多くお伝えしました。日本の韓国への半導体素材輸出管理厳格化に伴い、Galaxy Note10に採用される予定のExynos 9825の生産が滞っているという一部の報道についてもお伝えしています。
サムスンのファウンドリ事業を巡り、いま何が起きているのでしょうか。今年に入ってからのサムスンのファウンドリ事業に関するニュースを整理してみたいと思います。
今年2月。朴槿恵前大統領への贈賄罪などに問われ収監されていたサムスンの李在鎔副会長に対し、ソウル高裁は懲役5年の一審判決を破棄。執行猶予付きの懲役2年6ヶ月の判決を下し、李副会長が釈放。サムスンの事実上のトップに返り咲きました。
2月23日。サムスンはファウンドリ事業拡大のためASMLから1台300億円といわれるEUV露光装置8台を購入。露光装置は華城半導体工場へ投入され、起工式が行われています。
4月。李副会長は非メモリ世界1位戦略を掲げ、「2030年までにシステム半導体(モバイルAP、イメージセンサー、ファウンドリなど)で1位達成」を目標に、12年間で設備投資と研究開発費を合わせて133兆ウォン(約13兆円)の投資を行うことを発表。
同じ4月。朴槿恵政権への贈賄罪でサムスンを攻撃していた文在寅政権は、一転して技術研究費を最大30%控除するなど、事実上のサムスン減税ともいえる非メモリ半導体支援政策を発表。約13兆円を投資するサムスンに対し、10年で約2兆円規模の減税を決定しました。
4月30日。文在寅大統領は李副会長とともにサムスンのシステム半導体ビジョン宣布式に出席。世界初のEUVリソグラフィによる7nmプロセスで製造されたウェハーにサインを入れ、韓国=サムスンがファウンドリ世界1位を目指すという目標を共有するなど、両者の蜜月ぶりを世界にアピールしました。
6月。Digitimesなど複数のメディアが「サムスンがクアルコムからSnapdragon 865の生産を受注した」と報じました。前モデルとなるSnapdragon 855は台湾のTSMCが生産していましたが、製造工程にEUVが用いられるSnapdragon 865については、TSMCよりもサムスンの方が優位であるとのクアルコム関係者の発言もありました。
同じく過去にTSMCが生産していたNvidiaのGPUチップ、IBMのPowerプロセッサもサムスンが受注したと報じられるなど、サムスンの計画は順調に進んでいるものと思われていました。
6月末。日本政府が韓国への半導体素材3製品の輸出管理強化を発表します。中には極端紫外線リソグラフィで使用されるコーティング製品であるEUVフォトレジストが含まれていました。
そして、EUVフォトレジストの供給が中断されれば、年内に7nmプロセスのチップを供給するというサムスンの目標が後退するのではないか、と懸念されるようになります。
7月4日。半導体素材3品目の輸出管理強化がはじまります。中央日報が報じたサムスンとSKハイニックスの関係者によると「規制が始まった4日以降、3品目に対する日本経済産業省の輸出承認はただの1件もない」とのこと。
そして先日弊誌でもお伝えしたとおり「Galaxy Note10の生産が遅れているのではないか?」という現状に至ります。
理由はおそらく、Galaxy Note10に採用されたExynos 9825の一部工程にEUVが使われているためでしょう。
KoreaHeraldによると「現在のEUVラインは試験運用のみ行っているため、当面懸念はないものの、日本製のフォトレジストの代替品を調達することはほとんど不可能」とのこと。「EUV技術がサムスンのチップ事業の将来を左右すると言っても過言ではない」としています。
中央日報が報じた関係者は「Exynos 9825の生産には支障がない。Note10発売スケジュールに合わせて通常の手続きでセット企業にチップを納品していると把握している」と、Galaxy Note10の販売に問題がないことをアピールしています。
ただし同記事によれば、
Exynos 9825搭載のGalaxy Note10は韓国とインド向けに限定され、米国や欧州市場へ販売されるGalaxy Note10にはクアルコムのSnapdragon 855、またはSnapdragon 855 Plusが採用される。
とのこと。Exynos 9825版のGalaxy Note10は韓国とインドに限定されています。
サムスンは現在稼働中のラインとは別に、9月にさらにもう一つEUVによる生産ラインを操業開始する予定です。
Snapdragon 855 Plus発表
サムスンが生産するとされていたSnapdragon 865の先行きが不透明になるなか、突如発表され存在感をましているのがSnapdragon 855 Plusです。
弊誌では近年脚光を浴びるAIにも注力したSnapdragon 855 Plusと、それを採用するゲーミング・スマートフォン2機種、ROG Phone 2とBlack Shark 2 Proについてお伝えしています。
ファーウェイは順調なのか、それとも?
半導体素材輸出の厳格化でサムスンが注目を浴びる一方、アメリカの規制後も意外に堅調と思われていたファーウェイですが、オンラインでシェアを伸ばした中国市場に対し、欧州市場では大きくシェアを落としたようです。
Android Qに対応したMIUI 11も明らかになりましたが、今後登場するであろう新OS含め、ファーウェイの今後についても、まだまだ予断を許さない状況のようです。
巨大な中国市場の行方
オンラインを中心に中国でのシェアを拡大したファーウェイに対し、ライバル企業も手をこまねいているわけにはいきません。
弊誌では今週、OPPOやvivo、Xiaomiの中国市場における戦略を取り上げた記事を2本お伝えしました。
スマホのカメラ性能はセンサーからソフトの時代へ
スマートフォンにおけるカメラの性能は、画素数を競う争いからセンサー(カメラ)の数を競う争いに変わり、近年は6眼スマホが噂されるなど、わかりやすい「なにかの数」による争いが続いていました。
ところが、シングルカメラでも高画質な撮影を実現したPixel 3の登場により状況が一変。AIやソフトウェアによる画像処理が急速に注目を集めています。
今週弊誌では、スマホ写真の画質はカメラの数で決まるのかを取り上げた記事や、再び画素数争いを始める108MPカメラに関する記事、シングルカメラでDxO Mark100点を記録したPixel 3aの記事をお伝えしています。
その他、OPPO Reno 10x Zoomの実機レビューでは、写真の専門知識皆無でも最適な写真撮影が可能になるAIシーン認識機能の使い心地なども取り上げています。
番外
その他、今週はおすすめ防水スマホや、LINEモバイルのキャンペーンについてもお伝えしています。
規制することによってその後どうなるかを考えられてないと思う
今のところは規制で困っているのを見て笑っていても、その中でSamsungやHuaweiが本当に日本やアメリカに頼らないで済むようなものを開発出来たとしたら…?
ついに日本は用無し
もう彼らは十分に力は持っていると思う
後はそのきっかけと時間の問題