Appleはついに関税の波に飲まれてしまうのでしょうか。
今後アメリカが中国に関税を高めていくならば、Appleは値上げせざるを得ないでしょう。その場合、iPhone XRは160ドル程度、日本円にすると約2万円も値上げされることになると言われています。
今記事では、米中貿易戦争がAppleに与える影響について解説していきます。
トランプ大統領、25%の関税を発表
5月10日、ホワイトハウスは中国から輸入される「2500億ドルの製品に対して25%の関税」をかけることを発表。これまでの10%関税に15%上乗せされたことになります。
幸いなことに、この新たな関税の中にAppleの製品は含まれてはいませんでした。今回は貿易戦争の影響を回避することができたわけです。
しかし、もうAppleはこの争いから逃れることができないかもしれません。トランプ大統領は合意に達しない場合、さらに「3500億ドルの輸入製品に25%の関税」をかけることを発表したのです。
こうなった場合、AppleのiPhoneもその製品グループに含まれるだろうと予想されています。
貿易戦争とApple
Appleは自社製品をアメリカで設計しています。しかし、実際の製造・組み立てを行っているのはFoxconn(鴻海精密工業)や、PEGATRONといった台湾企業の中国工場です。
そのため、iPhoneは中国からの輸入製品としてみなされています。
トランプ大統領は以下のようなツイートをしています。
Talks with China continue in a very congenial manner - there is absolutely no need to rush - as Tariffs are NOW being paid to the United States by China of 25% on 250 Billion Dollars worth of goods & products. These massive payments go directly to the Treasury of the U.S....
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) May 10, 2019
ここで大統領は「中国との対話を焦る必要はまったくない。なぜなら、今や中国は2500億ドル分の製品に25%関税を払っているからだ」と述べています。しかし、正確にはこの一文は正しくありません。
「実際に関税を支払うのはアメリカの企業も含まれる一方で、中国政府自体が関税を支払うことはない」からです。
今後、iPhoneが新たな関税に含められることになった場合、Appleは2つの選択肢を迫られます。「iPhoneの価格を変えずに利益を減らす」のか、「関税による税金分を転嫁した値上げを行う」のか。
もし関税分全てを値上げに転嫁するとすれば、iPhone XRは160ドル(約17000円)も値上がりします。値上げを行った場合は間違いなく販売台数も減少するので、結局どちらの選択肢を採ってもAppleにとっては苦しい展開です。
まとめ
米中貿易戦争はいよいよ消費者に直接ダメージを与えるようになるかもしれません。Appleはこの事態にどのように対処するのでしょうか。ナスダックでは貿易戦争の影響と直近のiPhoneの販売台数低下を嫌気して、Apple株は5月に入ってから10%近く下落しています。
Source:Phonearena
中華スマホの末路だな