Qualcommは先日、CES 2020にて自動運転自動車向けSoCであるSnapdragon rideを発表しました。自動運転システム向けのSoCとなっています。今年の前半には自動車メーカー各社への提供が開始、搭載車両は2023年から生産が開始される予定です。
どんなSoC?
自動運転車は、周りの景色をカメラで監視、そしてコントロールしたりと多くのの処理を同時に行います。Snapdragon rideはそれらのほとんどの処理を一気に担ってくれる、いわばドライバーの代わりとなってくれるSoCです。
QualcommはSnapdragon rideについて現時点での安全基準で最高水準となるASIL-Dに対応、業界最高レベルのAIテクノロジーを採用しているとアピールしています。
Snapdragon rideを使用することで、これまでのQualcommの経験を活かした高い精度の位置情報や、効率的なデータ収集が可能になるとのこと。他にも、高い熱効率により空冷に対応、液冷といった特別な冷却装置が不要になるため、大幅なコストカットが見込めるとのことです。
また、処理性能も優れています。
自動運転車は性能によって、1から5までのレベルで分けられます。レベル1や2は主に緊急停止や車線からのズレを修正するといった運転支援で、レベル3が高速道路などの一定条件のもと運転手の監視付きでの自動運転。レベル4は運転手の監視が不要な自動運転、レベル5は条件無しで使用できる自動運転です。
Snapdragon rideは1から5まで全てに対応。レベル5ではハンドルやブレーキを取り外すことも可能になると言われています。
もっとも、現在市販されている自動運転車の最高ランクはレベル3、レベル4は各社とも試験段階。レベル5の実用化は早くとも2025年までかかると予想されているため、実用化まではまだまだ時間がかかりそうです。
車載向けSoCの競争は激化
Qualcomm以外にも多くのIT企業が車載SoCに参入しています。
例えば、PC向けGPUで知られるNVIDIAは2018年に自動運転向けSoC「Xavier」を開発、2019年12月に後継機にあたる「Orion」を発表し、高い性能をアピールしています。
また、数多くのスマホ向けSoCのCPU部分の設計を手掛けていることで知られるArmも自動運転にまつわるCPUやソフトウェアの開発を行っています。トヨタとデンソーは合弁会社「MIRASE Techonologies」を設立し、センシング技術や自動運転に最適なSoCの研究開発を行う予定です。2016年よりMediaTekも自動車市場に参入することを明らかにしており、Snapdragon rideの登場はさらに競走を激化させることになりそうです。
Source:环球网,EETimes Japan,Car Watch,自動運転LABPhoto:wccftech,CMMO手机中国
自動運転が流行っても日本で普及するのは数十年先になりそうだなぁ
悲しいンゴ