Snapdragon 675はクアルコムのSnapdragonシリーズの中価格帯スマホ向けチップセット(Soc)です。2018年10月下旬に発表され、2019年の第1四半期からRedmi Note7 ProやMotorola Moto Z4に搭載されています。
Snapdragon 675はゲームの起動速度が速くなった
Snapdragon 675は想定使用シーンの筆頭にゲームを掲げています。実際にSnapdragon 670と比べると、ゲームの起動速度が30%程高速化されているようです。
CPUには新設計のKryo 460を採用しておりSnapdragon 675はSnapdragon 670から総合性能が最大20%程高速化されています。Snapdragon 675は8コア構成ですがパフォーマンスコアは2基のみで省電力コアが6基の構成となっています。プロセスルールは11nmです。
GPUにはAdreno 612が採用されています。Unreal、Messiah等のゲームエンジンに最適化がされており、OpenGL 3.2やOpenCL、Snapdaragon profiler等のメジャーなグラフィックスライブラリにも対応しています。
Antutuスコアから見た性能
Snapdragon 675のAntutuスコア(Ver7)は総合スコアが17.9万点、3Dスコアは3.6万点となっています。Snapdragon 670の総合スコアは15.8万点、3Dスコアが4.3万点と総合的な処理能力は上がっているもののグラフィックの処理能力が少し劣っています。
それはSnapdragon 675のGPUはAdreno612が搭載されていますがSnapdragon670にはAdreno 612よりも高性能なAdreno 615が搭載されているからです。CPU性能やUX性能、MEM性能を上げつつコストを抑えるためにAdreno 612を採用したのかも知れません。その結果総合スコアが同じくらいの他のSocと比べても3Dスコアがやや低めになってしまったのではないでしょうか。
Geekbench 4のスコアから見るSnapdragon 675の処理速度
Snapdragon 675を搭載しているRedmi Note7 ProのGeekbench 4のスコアはマルチコアが6436点、シングルコアが2379点となっています。また、Snapdragon 670を搭載したGoogle Pixel 3aのGeekBench 4のスコアはマルチコアが5148点、シングルコアが1610点です。Antutuスコアからも分かった通り総合的な処理速度はSnapdragon 670を上回っています。
まとめ
Snapdragon 675はミドルクラスのチップセットですが、かなり高い処理性能を有しています。
冒頭でも述べたようにSnapdragon 675の位置付けはゲーム起動速度を向上させたSocです。一方、グラフィック性能は比較的低めです。ゲームの起動速度はYoutube上のスピードテストで見られているように、特にユーザーに重視されている点なのでクアルコムはそこを狙って強化したのでしょう。
ちなみに、Snapdragon675を搭載したRedmi Note7 Proは約2万2000円(海外版のみ)と破格で購入することができます。
確かに起動が遅いと残念感はある