サムスンは半導体メモリ市場での圧倒的な優位を失うかもしれない

台湾の大手半導体メーカー「Macronix International」の会長兼CEOであるミン・ウー氏は、Nikkei Asian Reviewにて「(SamsungやMicronなど)既存の大手半導体メーカーは、20年以内に中国の半導体メーカーに取って代わられる可能性がある」と指摘しています。

中国企業が半導体を製造するには「時間がかかる」

ウー氏は中国企業が半導体チップを製造することについて「まだ20年ほどかかる」とコメントしています。

「政府の補助金は半導体産業の発展に役立ちます。しかし能力のあるエンジニアを育成し、独自技術を構築するにはあと20年ほど必要です。

しかし中国企業が必死に働いている間に(SamsungやMicronなど)既存の大手半導体メーカーが何もしなければ、20年後に既存の大手半導体メーカーは生き残れないかもしれない。

SamsungやMicronの競合である「長江メモリーテクノロジー」や「GigaDevice」といった中国企業の業績は好調です。これは最近のワイヤレスイヤホン市場のブームが影響しています。

中国政府の助成金によって支援され、AppleのAirPodsの部品も製造している中国の半導体メーカー。Micronの競合企業である「GigaDevice」は、まだ弱小ですが2019年に市場シェアを230%も拡大しています。

米中貿易戦争が不確定要素

勢いを増している中国半導体メーカーですが、リスクもあります。アメリカとの貿易戦争です。

ウー氏は現在の中国半導体メーカーについて「チップ技術は世界のトップ企業に大きく遅れを取っている」と指摘しています。またCINNOのアナリストであるシーン・ヤン氏も「市場に大きなインパクトを与える中国半導体チップメーカーは、まだ現れていません」とコメントしています。

今後アメリカとの貿易交渉次第では、中国半導体メーカーの成長に大きなブレーキがかかる恐れがあります。

サムスンは業績を巻き返せるか

2019年はサムスンにとって厄年だったといえます。半導体市場の悪化や米中貿易摩擦による取引減少、日本との貿易問題などさまざまな課題がありました。

しかしWu氏はインタビューのなかで「2020年は半導体価格と需要が回復する余地がある」と指摘しています。Yang氏も「Appleを含むほぼすべてのスマートフォンメーカーが5G対応をするため、メモリチップの価格は2020年後半にも回復するでしょう」と語っています。

貿易問題については今後も不透明な状況が続きそうですが、半導体市況は今年以降、少なくとも2019年よりは回復しそうです。

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Source:Asian Review

 コメント

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  1. 匿名 2020.01.08 18:42 ID:e711588ce 返信

    なんか偏った記事だなあ。
    中国の半導体の話をするのになんでTSMCやインテルの名前が一切出てこないのだろう?
    それに5Gで稼ぐにはまずインフラ。その点ではサムスン結構頑張ってなかったっけ?
    DRAMに限った話ならタイトル通りかもしれないが、そうすると記事との整合か取れなくなるし。
    何が言いたいのかわからん、という感想を持ちました。

  2. 匿名 2020.01.08 21:14 ID:e4be94972 返信

    サムスンの株価が史上最高値を更新しましたぞ!

    • 匿名 2020.01.16 14:42 ID:9a138b483 返信

      結局輸出制限食らってもピンピンしているサムスン草

  3. 匿名 2020.01.09 02:24 ID:0040c57f7 返信

    別にどっちでもいいな(笑)

  4. 匿名 2020.01.14 11:05 ID:80da6fd76 返信

    上昇すれば、いつか下降する時が来る