LINEモバイルは、無料通話・メッセージアプリのLINEでお馴染みのLINE株式会社が運営している大手MVNOです。2019年4月よりソフトバンクグループの傘下となり、ますますプランが充実。MVNO売上上位の競合他社に攻勢をかけています。
今回は、ITライターの森野がLINEモバイルの各項目を5段階評価でレビューしてみました。LINEモバイルの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
LINEモバイルのプラン
【評価】☆☆☆☆☆(5/5点)
LINEモバイルは、ドコモ、au、ソフトバンクの3大キャリアの回線を提供しています。ソフトバンク回線の価格は高くなりがちですが、前述のようにソフトバンク傘下であることも影響しているのか、回線による料金の差違がないMVNOです。
LINEモバイルの主な料金プランは以下の通りです。
プラン名 | 容量 | SIMの種類 | 料金(税込) |
LINEフリー | 1GB | データSIM | 540円 |
SMS付きデータSIM | 669円 | ||
音声通話SIM | 1,296円 | ||
コミュニケーションフリー | 3GB | SMS付きデータSIM | 1,198円 |
5GB | 1,771円 | ||
7GB | 2,484円 | ||
10GB | 2,851円 | ||
3GB | 音声通話SIM | 1,825円 | |
5GB | 2,397円 | ||
7GB | 3,110円 | ||
10GB | 3,477円 | ||
MUSIC+ | 3GB | SMS付きデータSIM | 1,954円 |
5GB | 2,311円 | ||
7GB | 2,916円 | ||
10GB | 3,175円 | ||
3GB | 音声通話SIM | 2,581円 | |
5GB | 2,937円 | ||
7GB | 3,542円 | ||
10GB | 3,801円 |
料金プランは3つのみで、とてもシンプルでわかりやすいです。価格帯は、競合他社の中では平均的です。続いて、各プランのメリットとデメリットを見ていきましょう。
■LINEフリー
【メリット】
○LINEモバイルの中で最も安く運用できる
○全MVNOで唯一、ソフトバンク回線のSMS付きデータSIMを税込1,000円以下で運用できるプラン
【デメリット】
×データ通信の容量上限が1GBしかない
×au回線のデータSIMは提供していない。
■コミュニケーションフリー
【メリット】
○LINE、Twitter、Facebook、Instagramのデータ通信量がカウントされない
○データ通信の容量が3~10GBまで選べる
○LINE MUSICオプション(税込750円)を申し込めばMUSIC+プランになる
【デメリット】
×データ通信SIMは提供されていない
×カウントフリーの対象とならない機能も存在する
■MUSIC+
【メリット】
○LINE、Twitter、Facebook、Instagram、LINE MUSICのデータ通信量がカウントされない
○データ通信の容量が3~10GBまで選べる
【デメリット】
×データ通信SIMは提供されていない
×カウントフリーの対象とならない機能も存在する
×「コミュケーションフリー」との差違は「LINE MUSICオプション(税込750円)」の有無だけ
×LINE MUSICを試したいだけなら3ヶ月間無料になる単独申し込みの方がお得
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初期費用
【評価】☆☆☆(3/5点)
新規契約時には、登録事務手数料3,240円(税込)とSIMカード発行料432円(税込)がかかります。しかし、家電量販店やアマゾン、楽天市場などのネットショップなどで販売されているエントリーパッケージを使って公式サイトから申し込めば、手数料が約8割近く安くなるのでお得です。
なお、エントリーパッケージはショップによって値段が異なります。価格だけ見るなら370円のAmazonが最安値ですが、有料会員以外は送料が発生します。楽天市場では各家電量販店が400~420円の価格帯で販売していますが、カメラのキタムラなら送料は無料です。Yahoo!ショッピングでも各家電量販店が400~424円の価格帯で販売していますが、ソフトバンクセレクションヤフー店なら送料は無料です。なお、価格及び送料は2019年5月30日時点のもので、変動する可能性もあります。
Yahoo!ショッピング(ソフトバンクセレクションヤフー店)
エントリーパッケージはメリットも大きいのですが、使用期限があるので早めに申し込む必要があります。また、キャンペーンとの併用もできません。LINEモバイルは定期的に新規契約者を対象としたお得なキャンペーンを展開しており、ほとんどはLINEポイントで還元されます。特に最近は音声通話SIMやMNPを対象としたキャンペーンに注力しているため、場合によってはこちらの方が実質的にお得になる場合もあります。
サービス
【評価】☆☆(2/5点)
LINEモバイルのサービスは他社と比較するとユーザーにメリットがあるものは少ない印象です。LINEがあるためか、専用のメールアドレスもありません。その中でも、筆者が注目したのは「端末保証オプション」と「フィルタリングオプション」です。
【端末保証オプション 月額450~500円】
端末の紛失や故障などのトラブルがあった時に、交換代金や修理代金(1回目4,000~5,000円、2回目8,000円)だけで交換端末を手配してくれるオプションです。LINEモバイルで端末を購入した人はもちろん、それ以外で購入した中古端末も加入できます。新規申し込み時のみ加入可能なので、万が一に備えて加入しておけば安心です。
【フィルタリングオプション 無料】
近年はLINEを使った未成年の性犯罪被害が増加し、社会問題にまで発展しています。LINEモバイルはそうした対策を強化しており、危険性のあるWebサイトへのアクセスを防止する専用アプリを無料で提供しています。利用状況や利用時間の制限も設定できるので、子供のいる方は導入しておくと良いでしょう。
ユーザーサポート
【評価】☆☆☆(3/5点)
不明点や問題があれば、電話、メール、LINEチャットなどで問い合わせできます。特に、LINEアプリのトーク機能を使った「いつでもヘルプ」は、問い合わせ開始まで最長でも約70秒以内に応答してくれるので大変便利です。時間帯によっては混み合うこともありますが、電話で待たされるストレスに比べればかなり快適です。
問い合わせ方法 | 連絡先 | 受付時間 |
電話 (カスタマーセンター) | (会員)0120-142-275 (会員以外)0570-087-275 | 10:00〜19:00(年中無休) |
LINEモバイル公式アカウント (いつでもヘルプ) | https://line.me/R/ti/p/%40linemobile | 24時間 |
AIチャット(画面右下) | https://mobile.line.me/support/ | オペレーター:10時~19時 自動応答:24時間 |
メールお問い合わせフォーム | https://mobile.line.me/mypage/contact/ | 24時間 |
速さ
【評価】☆☆(2/5点)
LINEモバイルは、ソフトバンク回線の速さには定評があるものの、ドコモ回線とau回線は遅いという噂です。実際に朝(9時)・昼(12時)・夕方(18時)、夜(21時)の混み合うとされる時間帯4回にわたって通信速度を測定してみました。測定条件と結果は以下の通りです。
契約プラン:LINEフリー(ドコモ回線)
使用端末:ファーウェイ nova 3(Android OS 8.1)
測定アプリ:SPEEDCHECK Speed Test
測定日:2019年5月27日
測定場所:2階建て一軒家
【測定結果】
朝:ダウンロード 7.31 Mbps、アップロード 9.10 Mbps、Ping(反応時間)28ms
昼:ダウンロード 7.39 Mbps、アップロード 7.96 Mbps、Ping(反応時間)50ms
夕:ダウンロード 3.84 Mbps、アップロード 6.37 Mbps、Ping(反応時間)48ms
夜:ダウンロード 7.25 Mbps、アップロード 5.97 Mbps、Ping(反応時間)52ms
LINEモバイルのドコモ回線は、公式サイトでドコモのサービスエリアに準じると記載されており、全国の幅広いエリアで利用できます。Android端末の実行速度は下り145Mbps~283Mbps、上り22Mbps~43Mbpsと公表されています。しかし、ドコモ回線は噂通りかなり遅いです。特に、夕方の混み合う時間帯は著しく速度と安定性も落ちました。ベストエフォートには、正直ほど遠い印象です。動画視聴など通信負荷がかかるりやすいものは、かなりストレスになります。
LINEモバイルはこんな人に向いている
【合計】15/30点
LINEモバイルは、大手キャリア3回線を提供しており、シンプルなプランと良心的な価格が魅力のMVNOです。一部例外はあるとはいえ、LINEをはじめとした人気SNSの通信量がカウントされないカウントフリー制度やLINE Payでの支払い対応可能など、LINEの各種サービスとの連携性も他のMVNOには真似できない強みでしょう。
しかし、速度の項目に記載したようにドコモ回線はかなり遅いです。keisoku.ioの計測結果によると、au回線の速度もベストエフォート公表数値の半分以下の速度しか出ていません。そして、定評があるとされるソフトバンク回線もベストエフォート公表数値を大幅に下回っています。
これらのメリットとデメリットを踏まえた上で、LINEモバイルに向いている人は以下の通りです。
- ソフトバンク回線を格安料金で運用したい人
- 普段の連絡手段がLINEメインの人
- Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSをよく使う人
なお、LINEモバイルの主軸でもあるカウントフリーサービスに対しては、総務省が自主規制を求める方針であることを公表しています。すぐに禁止されるわけではないとのことですが、親会社のソフトバンクがこの規制のメインターゲットにされていることもあり、将来的にLINEモバイルへも影響が出る可能性があることも理解して運用するかどうかを判断しましょう。
LINEモバイルの申し込みは公式サイトがおすすめ!
急成長を続けるLINEモバイルは、公式サイトサイトや家電量販店のMVNOカウンターなどで申し込めます。エントリーパッケージやキャンペーンを使えば、実質負担額も安くなるので公式サイトから申し込むことをおすすめします。
iPhone 6sやOPPO R17シリーズ、Zenfoneシリーズなど、国内外のSIMフリースマホのラインナップも充実しているので、端末とSIMをセットで購入するのもおすすめです。加入を迷っている方は、LINEアプリから気軽に相談できるので、ぜひ利用してみてください。
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