先月Appleより登場したAirTagで注目を浴びている落とし物トラッカー。AirTagの登場の前より大きなシェアを持っていたのはアメリカ発のTileなのですが、今回はそのTileのベーシックなエントリー機種であるTile Mate (2020)を購入しましたのでレビューしていきます。
良いところ
- 電池交換可能で長く使える
- Tileからスマホの呼び出しが可能
- Androidユーザーも利用可能
- ストラップホール搭載でそのままキーホルダー化できる
- AirTagの半額(約2,000円)で低コスト
悪いところ
- AirTagと比べると心もとないユーザー数
- 使うボタン電池はちょっとマイナーなCR1632
- サブスクのみの機能があり、そのサブスクも高めの値段設定(360円/月)である
開封の儀
Tileは約2,000円で手に入る落とし物トラッカーです。パッケージングは吊り下げられるようになっており、至ってシンプルです。
右上にはTileをつけることを想定されている者たちでしょうか。ペットが入っていることに驚きです。
背面から開封!開封すると「The search is over.」のメッセージが。もうこれ以上探すことはないという粋なメッセージです。
同梱物は説明書とTile Mate (2020)本体のみです。
Tile Mate (2020)は正方形の板状です。AppleのAirTagと違ってストラップホールが付いています。なお、中央のTileロゴはボタンになっており、TileとスマートフォンのペアリングやTileから接続済みのスマートフォンを鳴らして探す際に利用します。
Tile Mate (2020)は裏面から電池交換が可能です。使用するボタン電池はCR1632というモデル。AirTagやTileの上位機種であるTile ProはCR2032ですので電池の共有はできません。残念。
なお、蓋側には防水性を確保するためにスポンジが施されています。なお、Tile Mate (2020)は公式にIP55防滴であることが公表されています。
※ボタン電池の型番は前2桁が電池の直径(mm)、後ろ2桁が厚み(10^-1mm)を表しています。CR2032とCR1632は厚みは同じですが直径が4mm違うということになります。いずれにせよ、どちらも100均やコンビニで簡単に入手できるものです。
サイズ感をみてみる
Tile Mate (2020)のサイズ感はこんな感じ。10円玉やSDカードよりも一回り大きいサイズとなっています。
AirTagと比較するとこんな感じ。AirTagよりも大きいです。ただ、重みは圧倒的にAirTagのほうが上。AirTagは高級感がありますがTile Mate (2020)はおもちゃ感がすごいです。なお、AirTagは11g、Tile Mate (2020)は6gと2倍近い重量の差があります。
厚みはコイン3-4枚程度。この程度であれば財布に入れても問題なさそうです。
初期設定は非常に簡単
初期設定はAppStoreまたはGooglePlay StoreからTileアプリをインストールするところから始まります。
AirTagはiPhoneのみですが、TileはiPhoneだけでなくAndroidにも対応しています。これは嬉しい!
まずはTileアカウントを作成し、その後にTileとスマートフォンをペアリングします。接続はスマートフォンのBluetoothをオンにしてTile Mate (2020)のボタンを押すだけ。非常に簡単に接続できます。
Tile Mate (2020)でできること
スマートフォンからTileを鳴らす(60mまで)
Tileにはスピーカーが搭載されており、ペアリング済みのスマートフォンからTileを鳴らすことが出来ます。
AirTagのように方向や距離がわかる機能はないものの、図書館や美術館のような静かな環境でなければ探しものはこれでも十分です。
Tileからスマートフォンを鳴らす(60mまで)
Tileは本体のボタンをダブルクリックすることでスマートフォンのアラームを鳴らすことが可能です。ダブルクリックしてから2,3秒後にスマートフォンから大音量のアラームが鳴るので「スマホどこ置いたっけ?」という問題も解決可能です。
なお、Tile Mate (2020)のBluetooth接続距離は60mまで。よほど広い家でなければ屋内はカバーできるでしょう。ちなみに上位機種のTile Proは120mまでとなっています。
スマートフォンとTileの接続が切れた位置を記録する
また、屋外での落とし物はスマホとのBluetooth接続が切れた位置を記録することでおおよその落とした位置の特定ができる仕組みとなっています。
アプリから接続中かどうか、接続されていないのであればどこで接続が切れたかがわかるようになっています。なお、この機能を利用するにはスマートフォン側でTileアプリの位置情報利用を常に許可する必要がありますのでご注意下さい。
紛失時に他のTileユーザーのスマホと接続することでおおよその位置を通知する
また、TileはAppleのAirTagのように他人のスマートフォンと接続しておおよその位置情報を通知するクラウドトラッキング(簡易GPS)にも対応しています。そのため、落とした後に交番などに届けられた場合でも改めて位置情報が更新されることがあります。
この機能の問題点はTileユーザー数です。AirTagはiOS 14.5搭載のiPhoneが探してくれる一方でTileはTileユーザーしか探してくれません。AirTagと比較すると圧倒的にネットワークが弱いのが弱点ですね。このあたりは後日別記事で改めて検証してみます。
【追記】実際に検証してみました。その様子は下の記事でどうぞ!
アラーム音の変更
Tileを使ってて面白いと感じたのがアラーム音の変更機能です。Tileには10種類の通知音が用意されており、好きな音に変更可能です。
AirTagと違って音で探すのがTileの基本です。TileはTileアプリから自分の好きなアラーム音に変更できるのでより一層愛着がわきますね。
機能を拡張できる月額360円のサブスク「Tileプレミアム」
Tileは月額360円(1年契約で月額300円)のサブスクであるTileプレミアムが用意されています。これに登録すればTileの機能を大きく拡張することが可能です。
忘れ物が内容通知してくれるスマートアラート
Tileプレミアムでは置き忘れを通知するスマートアラームに対応します。
同じ場所に5-10分以上滞在した後にその場所からTileを持たずに離れるとスマートフォンに通知がなされます。これにより、家や立ち寄ったカフェでの忘れ物がなくなります。
なお、この機能は通知のON/OFFを特定の場所で設定することも可能だそうです。
30日間の位置情報の記録
Tileプレミアムでは最後に接続した場所を記録するだけでなく30日間のログを閲覧することが可能になります。
家族などでTileを共有する機能
また、通常+1アカウントまで追加できる複数アカウントですが、Tileプレミアムでは無制限になります。例えば、テレビのリモコンに付けたTileを共有することで、家族のどのアカウントでもそのリモコンを探す事ができるようになります。
3年間の延長保証
また、通常1年間の保証が3年保証に延長されます。Tile Mate (2020)は電池交換が可能ですが、電池交換が出来ないモデルで3年以内に電池が切れてしまった場合、新品と交換することが可能になります。
複数のTileを利用している場合は価値があるとは思いますが、とりあえず1つ買ってみた状態では月額360円の価値は全くありません。家族共用のリモコンなどにつけるTile Stickerや電池交換不可能なTile Slimなどを持っている場合や、複数台のTileを利用するヘビーユーザーの方はTileプレミアムの入会を検討してみるのも良いかもしれません。
とはいえ、サーバーで情報を管理するわけでもないのに月額360円取られるのには少し納得し難いですね。あと、スマートアラームぐらいはサブスクユーザー以外も利用可能にしたほうがTileの価値がアップすると思います。
まとめ:低コストでトラッキングできる入門機
以上、Tile Mate (2020)のレビューでした。
Tile Mate (2020)はAirTagに搭載されている「正確な位置を探す機能」やiPhoneを使った広大なネットワークはないものの、アラーム音を利用したモノ探し、落としたおおよその場所の特定、Tileユーザーを使った簡易的なGPSトラッキングができます。「すごい!」という感動はないものの意外とこれぐらいで丁度いいのかもしれません。
一方で、TileはAndroidユーザーも利用可能である上に本体価格はAirTagの半額、ストラップ化にかかるコストを踏まえるとさらに低コストです。一つ約2,000円で購入できるTile Mate (2020)、お守り代わりに購入してみるのも良いかもしれませんね。
また、Bluetoothの接続可能距離が120mと2倍になり、ボタン電池がAirTagと同じCR2032になった上位機種のTile Proもあります。こちらは約3,500円とお高めですが、こだわりがある方はこちらも検討してみても良いかもしれません。
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https://twitter.com/MotorolaJP/status/1392313652192202752
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