Anker Nebula Capsule Ⅱレビュー:ホームシアターが作れるハイクオリティなモバイルプロジェクター

充電器はモバイルバッテリーで有名なAnker。そんなAnkerはオーディオブランドの「Soundcore」、スマートホームブランド「Eufy」、スマートプロジェクターブランド「Nebula」等を展開しています。

つい先日Anker直営店で全品10%オフセールを開催していた折に、ずっと気になっていたAnkerのモバイルプロジェクターのNebula Capsule Ⅱを購入しました。

Nebula Capsule Ⅱは2019年6月に発売されたモデル。古さゆえに新モデルが出るのではないかと気になったものの、2021年3月に発売された最新のNebula Vega Portableはかなり大型で排熱や排気音が大きく、モバイルできるコンパクトなプロジェクターとしてはNebula Capsule Ⅱはまだまだ現役です。今回はそんなNebula Capsule Ⅱで何ができるのか、どうライフスタイルが変わるかを中心にレビューしていきます。

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良いところ

  • 6万円でホームシアターが作れる
  • 起動も早く操作も簡単で手軽に使える
  • 発熱、騒音が気にならない
  • HDMI INで普通のプロジェクターとしても使える
  • USB-C充電なのでモバイルバッテリーが利用可能
  • 多機能なのにこれだけコンパクトでハイクオリティなのがすごい!

悪いところ

  • NETFLIX、Hulu、Amazonプライムビデオ等のサブスクやNasneなどを利用していないと使いどころが超少ない
  • 2.5時間のバッテリーはちょっと心もとない
  • 投影場所の調整がちょっとめんどくさい
  • 明るさの調整が不可能

開封の儀

さっそくNebula Capsule Ⅱを開封していきましょう。

本体以外の同梱物はこんな感じ。驚くことにAnkerのUSB PD対応の30W充電器である「Anker PowerPort Speed 1 PD 30」が付属しています。Nebula Capsule Ⅱは9,700mAhのバッテリーを搭載している上に30W充電に対応しており、2.5時間の充電で2.5時間利用可能となっています。

コンパクトでシンプルな外観デザイン

Nebula Capsule Ⅱ本体のデザインはこんな感じ。サイズ感としては350ml缶以上500ml缶以下といったところでしょうか。なお、この中にプロジェクターだけでなくバッテリー、スピーカーも入っていますので重量は重めの740g。かなりぎっしりつまっている印象です。

投光部はこんな感じ。隣にオートフォーカス用のレンズがついています。自動でピントを合わせてくれるのはNebula Capsule Ⅱのいいところです。

本体背面はこんな感じ。赤外線受信部、Bluetoothスピーカーモードへの切り替え、電源ボタン、そして下部にはAUX OUT、HDMIポート、USBポート、USB-Cポートが並んでいます。

リモコンのデザインはこんな感じ。Google Assistantボタンもあり標準的なAndroid TVと同じデザインとなっています。なお、右上にはHDMI入力を利用したプロジェクターモードとAndroid TVモードの切り替えボタンがあります。

リモコンは赤外線だけでなくBluetoothにも対応。ペアリング後はどこに向けても反応するようになります。

本体の下部には三脚ネジがついています。一般的なカメラ用の三脚やManfrottoのPIXI EVOといったミニ三脚と組み合わせることによって好きな方向に投影することが可能となっています。

プロジェクターの利点と欠点

まずは一般的にプロジェクターのメリットとデメリットをご紹介します。

大画面は正義

プロジェクター最大のメリットは簡単に大画面にできること。テレビやディスプレイは画面が大きくなればなるほど非常に効果になりますが、プロジェクターは投影面から離れれば離れるほど大画面になります。

Nebula Capsule Ⅱの場合は部屋を暗くすれば約90インチぐらいまで使えそうでした。我が家では90インチ以上の真っ白な壁がないのでひょっとしたらもっといけるのかもしれません。

部屋が暗くないと利用できない

一方で、プロジェクターが投影できる光量は一定であるため大画面であればあるほど画面は暗くなります。

そのため、真っ昼間の明るい部屋ではまるで使えません。朝型や夕方の暗い時間帯でも遮光カーテンを利用するか北向きの部屋で利用するといった工夫をしなければ使えません。

使える時間帯や場所に制限があるのはプロジェクターの大きなデメリットです。

Nebula Capsule Ⅱの強みは?

Android TV搭載で様々なコンテンツが利用可能

Nebula Capsule ⅡはAndroid TVを搭載したプロジェクターです。一般的な会議で使うようなプロジェクターと違ってリモコンやスマートフォンから操作することでYouTube、Amazonプライムビデオ、NETFLIXといったコンテンツを視聴可能です。また、専用のGooglePlay Storeを利用して新たにアプリをダウンロードすることも出来ます。

Amazonプライムビデオの表示サンプル

操作性は慣れれば問題なし。Nebula Capsule Ⅱは起動こそ数秒程かかりますがシャットダウンはリモコンの電源ボタンを押すだけなのでストレスはそこまで感じませんでした。

スマホの画面のミラーリングが可能

さらに、Nebula Capsule Ⅱはスマートフォンの画面をそのまま投影するミラーリングにも対応。

iPhoneであればコントロールセンター内の「画面ミラーリング」、Androidであれば「キャスト」をタップするだけで利用可能です。

ただ、利用した感じ2秒ほどラグがあるため使い所が難しかったです。プレゼンとかで使えるかも...?

HDMI入力のプロジェクターとして使える

また、Nebula Capsule ⅡにはHDMI端子が搭載されています。そのため、一般的なプロジェクターとしても利用可能です。

パソコンやSwitch, PS5などのゲーム機と接続することで擬似的に外付けディスプレイのようにして利用可能です。有線接続であるためミラーリングと違ってラグもないため非常に使い勝手が良いです。

プロジェクター製品でライバルとなるシーリングライト一体型のPopIn AladdinはHDMI入力ができないのでここが大きな差別化ポイントですね。

必要十分なオーディオ品質

Nebula Capsule Ⅱには8W出力のスピーカーが搭載されています。

一般的なプロジェクターのスピーカーは音質がガビガビのものが多いですが、Nebula Capsule Ⅱはコンテンツ視聴にフォーカスしたモデルであるため音質はそこそこいいです。もちろんホームシアター用のサラウンドシステムとは比べ物になりませんが...

一応AUX出力端子があって音声の出力が可能なものの、コンパクトなホームシアターというコンセプトから外れるのであまり使い所はないでしょう。必要十分という言葉が非常にフィットします。

バッテリー搭載で自由自在に設置

Nebula Capsule Ⅱは充電に専用端子ではなくUSB-C端子を利用しているため、モバイルバッテリーが使えます。そのため、30W以上の出力を持つモバイルバッテリーを使えばコードが届かないところや屋外での利用で駆動時間の延長が可能です。

充電端子がちゃんとUSB-Cなのはモバイルできるコンパクトなホームシアターというコンセプトが生きていますね。さすがはAnker製品といったところです。

Nebula Capsule Ⅱの弱みは?

なかなか便利なNebula Capsule Ⅱですが、やはりデメリットもあります。

投影場所の調整が手間

コレはプロジェクター製品全般に言えることですが、設置がすごくめんどくさいです。

Nebula Capsule Ⅱの投影は少し上向きになっているので丁度いいところにデスクがあればそのまま置くだけで使えますが、好きなところに投影したいときほとんどの場合で三脚が必要になります。

いくら起動が早くても操作が簡単でも設置に時間がかかると使うのがめんどくさくなります。このへんはディスプレイや設置型のプロジェクターに劣ります。

Nebula Capsule Ⅱは(縦方向のみ)自動台形補正、ピントも自動調整と非常にユーザーフレンドリーであるものの設置に関してはどうしても面倒です。

場所が固定されないことを裏手にとると天井に投影して寝ながら大画面でみられるメリットもありますが、本体が重いためPIXI EVOのようなコンパクト三脚では安定せず大型の三脚が必要になります。

なお、本体パッケージをそのまま流用すれば天井への投影が簡単にできますがこの状態では端子類が塞がれ充電もHDMI INも出来ません。一応吸気口は塞がないので排熱に影響はなさそうですがオススメは出来ませんね。

2.5時間のバッテリー持ちは少し心もとない

プロジェクターはディスプレイ以上に電池を食うものです。Nebula Capsule Ⅱも例外ではなく、本体は満充電で2.5時間しか持ちません。

2.5時間といえば大体の映画は1本見れるので問題ないのですが、その後に充電するのを忘れると翌日使うときに悲しくなります。とはいえ、充電しながらの利用はできるし大容量モバイルバッテリーがあればそこまで問題ではないと思います。

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明るさの調整ができない

Nebula Capsule Ⅱはディスプレイと違って明度調整ができません。

殆どの場合は暗いことが問題になりますが、天井投影して寝ながら利用するときはちょっと明るすぎると感じました。

プロジェクターはコントラスト比が非常に悪いので黒の部分も結構光っています。使いすぎると睡眠に影響が出るだろうなぁと思いますよ。

そもそも楽しむコンテンツがなければ意味がない

また、これはそもそも論なのですがAmazonプライムやNETFLIX、Huluといったサブスクに入っていないとYouTube専用機+普通のプロジェクターとなってしまいます。

また、肝心のYouTubeもAndroid TVの使用上、倍速再生が出来ないなどの制限があります。私は普段YouTubeは2倍速で見るのでAmazonプライムに入るまでは完全にただのHDMI入力プロジェクターでした。

普段から映像コンテンツを楽しむ人でなければ価値はないと思います。

まとめ:ロマンも実用性もあるプロジェクター

Nebula Capsule Ⅱを購入してから夜の動画鑑賞が非常に楽しみになりました。いまのところは手間のかかる設置も楽しんでやってます。

Nebula Capsule Ⅱの素晴らしい点はありとあらゆる機能がオールインワンになっているところ。プロジェクター、スピーカー、バッテリーが搭載されておりAndroid TVが乗っている全部のせ構成はロマンにあふれています。

また、ロマンだけで止まっているわけではないが非常にAnkerらしい。起動が遅い、反応が悪い、ファンがうるさい、解像度が低い、音がガビガビであるといった問題はなくすべてが完成度高くまとまっています。どこにでも持ち運べ、どこにでも設置できる簡易的なホームシアターがほしいという要望に完璧に答えてくれます。

悪いポイントはこれがプロジェクターであること。設置や調整がめんどくさいことやバッテリー持ちが悪いことはすべてプロジェクターだからであり、根本的な解決は難しいと思います。

Nebula Capsule Ⅱは自動の台形補正とピント合わせ、USB-C充電やモバイルバッテリー対応などテクノロジーで解決できることはしっかり出来ています。あとはプロジェクターとしての欠点をそれぞれのユーザーがどう捉えるか次第です。どれぐらい映像コンテンツを楽しむのか、どれぐらい投資ができるのかなど、それぞれの価値観によって評価が変わってくるでしょう。ちなみに私は面倒以上の価値はあると思いますよ。


Anker Nebula Capsule Ⅱは59,800円となっています。6万円で持ち運びできるお手軽ホームシアターが作れることに価値を感じた方は是非チェックしてみてください!

 コメント

※暴言・個人攻撃等は予告無しに削除します

  1. 匿名 2021.05.06 21:17 ID:8d649094d 返信

    いつか広い部屋に住めるといいですね(適当

  2. 匿名 2021.05.07 08:48 ID:551f4bfd4 返信

    個人的にはテレビで良いかなー
    価格は段違いだけど

  3. 匿名 2021.05.07 11:51 ID:d12076e41 返信

    来月出るXGIMI HORIZON買う予定