サムスンによって発売されたフラッグシップタブレットのGalaxy Tab S6。石板と呼ばれるほど重かった初代のiPadや初代のiPad Airなど、合計で10機種近いタブレット製品を所有してきた筆者が実機をレビューしていきます。
サムスンによるGalaxy Tabシリーズの最新作はGalaxy Tab S7シリーズとなっていますが、それでもこのGalaxy Tab S6を選んで後悔はしない、そんな非常にクオリティの高いタブレットとなっていました。
目次
- 1 付属品
- 2 スペックをチェック - SD855で6GB/128GBのハイエンド
- 3 質疑応答(自問自答のコーナー)
- 4 サムスンのSuper AMOLEDディスプレイをこのサイズで楽しむ
- 5 ソフトウェア - タブレットでも大活躍のOne UI 2.5
- 6 フラッグシップだけある高級感のあるデザインと質感がユーザーを満足させる
- 7 カメラのクイックテスト - タブレットなのでクオリティは仕方ない
- 8 DeXは外部ディスプレイなしでも使えるのが魅力
- 9 420gという軽すぎる重量に驚く - 片手でもラクラクに持てる
- 10 Sペンは使い方次第
- 11 タブレットにまでインディスプレイ指紋センサーを搭載させてしまったサムスン
- 12 AKGによるスピーカーは四か所に配置されているこだわり
- 13 7,040mAhのバッテリーと15W高速充電には満足
- 14 総評 - 年々勢いを失っている泥タブというジャンルもまだ終わってない
付属品
付属品はゴージャスになっています。15W高速充電に対応した充電器、USB Type-Cケーブル、Sペン本体、Sペンの芯の予備とその交換キットなどが入っていました。
ケースと保護フィルムはarareeというブランドの製品を選びました。どちらも価格が2,500円近い高級品でしたが、クオリティーも高く気に入っています。arareeの製品はサムスンによる公式アクセサリーとして認められており、サムスン純正品のような高いフィット感とクオリティーが期待できるというものですが、まさにその通りでした。
TPUケースはSペンを収納できるようになっており、近代的なデザインだと感じました。Appleペンシルの登場でこのようなタイプのケースがかなり増えていますが、ついに筆者も同じものを手にすることができました。
スペックをチェック - SD855で6GB/128GBのハイエンド
基本スペック | |
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ディスプレイ | 10.5インチ, 1600 x 2560, 有機ELディスプレイ, 287ppi |
サイズ | 244.5 x 159.5 x 5.7mm, 420g |
システム | |
OS | Android 9.0 (Pie) |
Soc | Qualcomm Snapdragon 855 |
CPU | Kryo 485(2.84 GHz) x1 & Kryo 485(2.41 GHz) x3 & Kryo 485(1.78 GHz) x4 8コア, 2.84 GHz |
メモリ(RAM) | 6GB / 8GB |
ストレージ | 128GB / 256GB, sd_card microSD最大1024GBまで |
カメラ | |
メインカメラ | camera_rear 13+5MP, F値/2.0, デュアルカメラ, AF |
前面カメラ | camera_front 8MP, F値/2.0 |
センサ類 | 画面内指紋認証センサ, 加速度センサ, 近接センサ |
機能 | 防水 非対応, イヤホンジャック なし |
その他特徴 | スタイラスペン対応, Samsung DeX, クアッドスピーカー |
バッテリー | battery_charging_full3.1, Type-C 1.0, 7040mAh |
Galaxy Tab S6はチップセットにハイエンド機向けのSnapdragon 855を採用しています。メモリは6GBとハイエンド機種にしては少ないですが、最新機種であるGalaxy Tab S7でも6GB・8GBのオプションしか存在しないため仕方がないでしょう。
質疑応答(自問自答のコーナー)
なぜGalaxy Tab S7シリーズを選ばなかったのか? お金がなかったんじゃないのか!!!
Galaxy Tab S7(シリーズ)と最後まで購入を迷っていた筆者ですが、最終的に選んだのはGalaxy S6でした。その理由はGalaxy Tab S7にはIPS LCDディスプレイが採用されていること、そしてGalaxy Tab S7の重量がGalaxy Tab S6よりも大きく上だったからです。
重量ですが、Galaxy Tab S7 WiFiモデルは498gなのに対し、Galaxy Tab S6は420gと非常に軽量になっています。筆者が以前に使用していたのはGalaxy Tab A 10.1 2019 WiFiモデルですが、こちらは重量が469gです。よって、軽さも重視してGalaxy Tab S6を選びました。
なぜあの大人気のiPadにしなかったのか? Samsungマニアだからか、そうだろ!!
iPadを長く使っていた経験のある筆者ですが、今回はAndroidタブレットであるGalaxy Tab S6を選びました。自身がサムスンマニアということも理由ですが、iPadにはGalaxy Tab S6に並ぶスペックで、かつ420gという重量を下回る機種は存在していません(2021年1月現在)。ノートPCを普段は使っているので、ソファで使うためのタブレットに求めるのは重量感です。
サムスンのSuper AMOLEDディスプレイをこのサイズで楽しむ
ディスプレイにはSuper AMOLEDディスプレイが採用されています。ダークモードもほとんどのアプリが対応するようになったので、この機能をうまく使いこなしながら目に優しいAMOLEDライフを楽しむことができています。初期のGalaxy SシリーズやGalaxy Noteシリーズでサムスン製のSuper AMOLEDディスプレイに感動したというユーザーは少なくないはずですが、この感動をタブレットのサイズでもできるのです。やはりスマホとでは迫力が違います。
AMOLEDということで焼き付きが少し心配ですが、ボタンではなくフルスクリーンジェスチャー機能へ変更することで、リスクを減らします。筆者はAMOLED搭載機種を使ってきて一度も焼き付きを起こしたことはないので、タブレットでもフルスクリーンジェスチャーへ変更さえすれば心配せずにすむでしょう。
ディスプレイの色味の調整もユーザー側でできるようになっているのはうれしいポイントです。
ソフトウェア - タブレットでも大活躍のOne UI 2.5
ソフトウェアにはAndroid 10ベースのOne UI 2.5が搭載されています。One UI 2.0でかなりの完成度に近づいているため、One UI 2.5とで大きくは違いませんが、新しいソフトウェアであることに変わりはありません。One UI 3.0へのアップデートもされることがすでに決まっています。
Galaxy Tab S6の420gという軽い重量からこのタブレットは片手で持ちながらの操作ができますが、One UIの操作感も相まってとても大画面でも快適に使えています。
フラッグシップだけある高級感のあるデザインと質感がユーザーを満足させる
背面と側面フレームは一体になっており、手にとてもなじむデザインです。質感も非常によく、指紋が全く付かないのはうれしいポイントでした。ディスプレイと本体の接合部分も全く段差がないフラットなデザインになっています。この高級感は、やはり実機を触ってみないと気づけません。
電源ボタンと音量ボタンのクオリティも、フラッグシップだけあり非常に高いです。エントリーからミドルレンジ帯の機種を多く触っている筆者にとって、Galaxy Tab S6のボタンのしっかりとある押した感覚と安っぽさのないビルドクオリティは新鮮でした。
カメラのクイックテスト - タブレットなのでクオリティは仕方ない
背面のカメラはデュアルカメラになっていますが、筆者は全く期待せずに購入しています。フロントとリアにそれぞれシングルカメラが配置されていれば充分だと感じていますが、Galaxy Tab S6のリアカメラを簡単にテストしました。
タブレットでありながらデュアルレンズを搭載しており、13MPと5MPの超広角というコンボになっています。
超広角レンズで撮影した写真は、距離を置いて見ると美しく撮れているように見えます。しかし、実際にタブレットでしっかりと見ると非常に荒くなっていることが分かります。変な歪みなどは見られませんが、やはりおまけ程度の性能という印象を受けました。
一方のメインレンズは普段使いには問題ないレベルでした。スマートフォンのものと比べるとやはりクオリティは落ちているのが分かります。ややギラギラした色味が気になりました。
DeXは外部ディスプレイなしでも使えるのが魅力
DeXは、サムスンによるフラッグシップ機種限定で使用できるパソコンに近いUIに変更する機能です。分かりやすく言うと、「パソコンモード」が正しいでしょう。
筆者がはじめてDeXを体験したのは、Galaxy Note 8を使っていた頃です。当時のDeXはHDMIの接続環境と外部ディスプレイが必要なものでした。Galaxy Tab S6などの機種では、DeXを外部ディスプレイなしで、本体のみで起動させることができるようになりました。
DeXを使用時には、タブレットの画面はタッチ型のマウスパッドとして機能します。Galaxy Tab S6の大きな画面をマウスパッドとして使うDeXモードは非常に快適です。Snapdragon 855を搭載していることもあり、こうしたスペックが求められる場面でも無理なく扱うことが可能です。驚くことに、DeX使用時の発熱は気になりません。
420gという軽すぎる重量に驚く - 片手でもラクラクに持てる
このタブレットの最大の特徴は、420gという非常に軽量に仕上がった本体です。筆者の中では13インチ前後で1kgを切るノートパソコン、10インチ前後で500gを切るタブレットは軽量と考えているので、420gはその指標を大きく下回っています。
短時間であれば片手で持っても全く問題ありませんでした。両手で持てば安定した状態で長時間、快適にタブレットを楽しむことができます。誰もにとって自宅で過ごす時間が増えた2020年でしたが、携帯性を求める機会が減ったことでタブレットの人気は高まっているでしょう。そんな自宅時間で使いたいと思えるのが、このGalaxy Tab S6という軽くて薄いハイエンドタブレットです。
Sペンは使い方次第
良くも悪くもないSペン
このGalaxy Tab S6に搭載のSペンは4096段階もの筆圧感知ができるようになっています。Sペンは本体のバックパネル部分の「くぼみ」に置くだけでくっつき、それが収納と充電の両方を役割を果たします。
筆者にとってGalaxy Tab S6のSペンはGalaxy Noteシリーズのものよりは持ちやすく使いやすいと感じましたが、Apple Pencilと比べると安っぽい質感という印象を受けました。
購入してからイラストやテキスト、デザインなどでSペンを使っていますが、耐久性に大きな問題はありません。ペン先がすり減っていくという様子もないですが、数年ハードに使っていく場合はどうなるか不明です。ペン先は交換部品が付属しているため、長く使うことを考えると非常にうれしいポイントでした。
クリスタ(CLIP STUDIO)が使えるのはGalaxyだけ
イラストレーターの間で評判が高く、シェアも伸びているCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)と呼ばれるグラフィックソフト。このAndroid版はGalaxyシリーズのタブレットとスマートフォンに限定して使用できるようになっています。
Galaxy Tab S6もそのサポート対象機種であり、イラストやデザインをするユーザーにとってはとても良いチョイスになるでしょう。なお、高解像度の作品・プロ向けのサポート機種としてメーカーから公表されているのはGalaxy Tab S6シリーズとGalaxy Tab S7シリーズのみとなっており、クリエイティブ用途のタブレットとしても非常に優秀な製品であることが予想できます。CLIP STUDIO PAINTに限らず、クリエイティブ用途では外部ディスプレイに接続して手はタブレットに、目ではタブレットとディスプレイの両方を追うという使い方が便利でしょう。
タブレットにまでインディスプレイ指紋センサーを搭載させてしまったサムスン
セキュリティ機能として、ロック画面の顔認証とパスコード系認証、指紋認証に対応します。タブレットでは世界初となるインディスプレイ指紋センサー(光学)をこの機種は搭載していますが、非常に素早くロックが解除できます。
縦で持っている時はスマートフォンのような感覚で指を置いてロック解除ができますが、横の場合は持ち替えるなどの工夫が必要です。四つの向きに回転して使うタブレットという以上、すべての向きでロック解除がしやすいインディスプレイ指紋センサーの位置はありません。これは我慢が必要でしょう。ただ、認証スピードと精度に不満は一切ありません。
AKGによるスピーカーは四か所に配置されているこだわり
Galaxy Tab Sシリーズの製品では、AKGがチューニングをしたスピーカー技術が採用されています。加えてタブレット単体でのDolby Atmosにも対応しています。
スピーカーはタブレットの上と下部分、それぞれの左右に合計で四つ配置がされており、タブレットの持ち方による影響を受けにくいです。音が左右から均等に聞こえるという臨場感は、フラッグシップタブレットのGalaxy Tab Sシリーズでしか体験できないものでしょう。
音楽を聴くのはもちろん、YouTubeやゲームなどでもこのAKGスピーカーのすごさは体感できること間違いありません。
※Galaxy Tab S6本体にはガラスフィルムを貼り付けているので実際の厚みとは異なります。
7,040mAhのバッテリーと15W高速充電には満足
Galaxy Tab S6のバッテリー容量は7,040mAhと大容量になっています。バッテリー持ちも非常によく、二日か三日に一度充電をするペースが筆者では続いています。15Wの高速充電に対応しているタブレットのため、付属の充電器を使うことで素早く充電が可能です。サムスン製の他の15W高速充電に対応したスマートフォンとも同じ充電器が使えて便利でした。
総評 - 年々勢いを失っている泥タブというジャンルもまだ終わってない
スマホ以上にAppleにの勢いが強くなっているタブレットというカテゴリ。Androidタブレットは日本ではほとんど見られなくなり、世界的に見てもその傾向は増しています。しかし、Androidスマホで高い競争力を持つサムスンなどのメーカーによるタブレットは、AppleのiPadとも実は並ぶ完成度を誇っています。日本国内でAndroidタブレットにこだわりたいユーザーにとって、Galaxy Tab S6はもちろん、Galaxy Tab S7シリーズも非常に良い選択肢になることは間違いありません。
tab s6使ってるが指紋認証が反応しにくい。特に周りが明るいとき。多分ガラスフィルム貼ってるからだと思うけどなくす選択肢はないからな。