Xiaomi10周年記念となるモデルの一つ、Redmi K30 Ultra。ノッチもパンチホールもない真のフルディスプレイを搭載し、120Hzリフレッシュレートにも対応と、一部ユーザーにとっては待ってましたと言わんばかりのスペックを備えた当機ですが、残念ながらグローバル版は発売されず。
そんなRedmi K30 Ultraを約1ヵ月使用して、良かった点や気になった点をレビューします。
目次
購入金額・方法・時期
購入金額:約40,000円(送料込み)
購入方法:Giztopから
購入時期:8月中旬
今回で利用5回目となるGiztopですが、入手が困難なのか注文から発送までに一月ほどかかりました。発送から届くまでは約1週間と、今回はDHL/TNTでなく通常の航空便であったことを考えると速い方だったと思います。
化粧箱・付属品
内容物は
- 端末本体(保護フィルム装着済み)
- クリアケース
- USB Type-C to Aケーブル
- 33W対応充電器
- 取り扱い説明書
- SIMピン
- イヤホンジャックアダプター
となっています。クリアケースは、多少柔軟性はあるものの硬く、内面外面ともにザラザラしており、数年前に同梱されていたクリアケースと比べクオリティは上がっているように感じます。
付属の充電器、ケーブルは端子内がオレンジ色に。最近は、メーカーによってこのように端子内の色が違い、そのメーカーらしさが感じられていいと思います。
スペック
基本スペック | |
---|---|
ディスプレイ | 6.67インチ, 1080 x 2400, 有機ELディスプレイ, 395ppi |
サイズ | 163.3 x 75.4 x 9.1mm, 213g |
システム | |
OS | Android 10 |
Soc | Mediatek Dimensity 1000+ |
CPU | Cortex-A77 x4 + Cortex-A55 x4 8コア, 2.6 GHz |
メモリ(RAM) | 6GB / 8GB |
ストレージ | 128GB / 256GB / 512GB, sd_card microSDスロット無し |
カメラ | |
メインカメラ | camera_rear 64 + 13 + 5 + 2MP, F値/1.9, クアッドカメラ |
メインカメラ特徴 | camera |
前面カメラ | camera_front 20MP, F値/- |
センサ類 | 画面内指紋認証センサ, 加速度センサ, 近接センサ, ジャイロ |
機能 | 防水 IPX 5, あらゆる方向からの噴流水を受けても問題なし, イヤホンジャック なし |
その他特徴 | ハイレゾ対応 |
バッテリー | battery_charging_full2.0, Type-C 1.0, 4500mAh |
デザイン
デザインは、上部中央に円形のカメラモジュール、その下にフラッシュライトと、Redmi K30 Proと変わらず、好みが分かれるといったところでしょうか。
カラーは、こちらは薄荷緑色と呼ばれる水色と銀が混ざったような色ですが、非常に綺麗です。ただ、反射がすごく指紋も付くため、気になる方は付属のケースを使用、あるいは別で好みのケースを買うことをお勧めします。
SIMトレイは表裏でNano SIM×2で、microSDカードスロットはありません。
真のフルディスプレイ
当機種の一番の特徴である、ノッチもパンチホールもない、完全なベゼルレスディスプレイ。解像度は2400×1080pでAMOLEDディスプレイと、昨今においては至って普通。1440pとの違いも、かなり近づいて見ない限りは気になりません。
ただ一点、ロック解除した際に、たまに画面の明るさが自分で設定できる最低輝度よりも遥かに暗くなることがあります。もちろん手動で輝度調整すれば元に戻りますが、不便なのは確かです。
また、WidevineはL1なため、ストリーミングサービスなどでHD画質での視聴が可能です。
見ていて楽しいポップアップカメラ
本機の特徴の一つであるポップアップカメラ。今となっては昔ほど採用機種はないものの、古さは感じられず、見ていて楽しい機能です。ただ、その分重量は213gと結構な重さになってしまっています。
昇降にともない、5色のライトと6種のサウンドエフェクトを選ぶことができ、自分好みにカスタマイズが可能です。いらない場合はもちろんどちらともオフにすることができます。
また、何回も連続で昇降させていると、頻繁に昇降しすぎだとの警告が出るため、遊びすぎには注意です。
ソフトウェアに問題あり
いろいろと問題のある中国ROM
OSはAndroid 10ベースのMIUI 12となっていますが、中国ROMであるため日本語非対応です。当機種はグローバル版がないため、公式のROMは中国ROMのみであり、対応言語は中国語(簡体、繫体)、英語、パシュト語などの計5つのみ。
上記の言語での使用が問題ないのであればデメリットとはなりませんが、そうでない人にとっては懸念事項の1つとなるでしょう。
中国ROM機における、日本語非対応以外の問題点としてはもう一つ、プリインストールされたアンインストール不可能な中国語のアプリの存在があります。これらのアプリは中国語で通知してきて正直邪魔ですが、通知はオフ、ホーム画面ではフォルダにまとめるか、ドロワーにすればそこまで気になりません。
あともう一点。こちらは人によると思いますが、Googleアシスタントをデフォルトのアシスタントに設定しても、気づいたら勝手にMi AIに戻ってしまっている点です。話しかけての音声操作や、画面端から斜め上スワイプによる起動などがしたい時にできず、それらを頻繁に使用する筆者としては少し気になりました。
改善の余地があるソフトウェア
時々、特にアプリの開閉時やゲーム時にラグいことがあり、ソフトウェアとしてはまだまだ調整が必要と感じました。
SoCのパワー不足のせいかとも思いましたが、海外のレビュー動画を見ても、同SoC搭載のRealme X7 Proではそのような不具合はなく、Redmi K30 Ultraはそもそも最初の頃はさらにアニメーションのラグが酷かったようなので、ソフトウェアによるものだと思われます。
やりすぎなダークモード
ダークモードをオンにすると、当たり前ですが、UI、そして対応しているアプリが全体的に暗い色になります。通常対応していないアプリはそのままですが、MIUIでは対応しているアプリ含め全てのアプリを強制的に暗い色にすることが可能です。
この何が問題なのかというと、対応しているアプリの中には、端末設定でダークモードがオンになっているのを認識して、アプリも独自のダークモードを適用するものがあります。これにより、アプリ独自のダークモードが適用された上に、さらに端末のダークモードが適用され色味がおかしくなってしまうのです。
また、ダークモード非対応のアプリであっても、端末のダークモードが適用されてもそのアプリに最適化されていないため、色味が変になってしまうことがあります。
幸いにも、このダークモード強制適用は設定でアプリごとにオンオフが可能ですが、デフォルトでは全てのアプリがオンになっているため、少々不便に感じたところです。
顔認証・指紋認証
顔認証自体は早いですが、通常ロック画面でスワイプしてポップアップカメラが上がってから認証するため、時間がかかります。指紋認証に関しては、画面内指紋認証の中では普通ほどですが、若干アニメーションのせいかほんの少し遅いかなと感じる程度です。
処理性能・ゲーミング
Antutu
Dimensity 1000+を搭載し、Antutuスコア(V8.4.7)は473458と、まずまずの結果に。参考までに、Snapdragon 865+は約62.6万、865は約56.9万、855+は約47.5万、855は約45.2万点となっています。
ソフトウェアの項でも触れましたが、時々ラグいことがありますがそれはソフトウェアが原因だと見ており、Dimensity 1000+自体がパワー不足が原因いうことではないでしょう。
リフレッシュレート
120Hzリフレッシュレートに対応していますが、前述の通りラグがあるため、せっかくの高リフレッシュレートの良さが半減してしまっています。
また、海外のレビュー動画を見ると、最初の頃は高リフレッシュレートに対応しているゲームにおいてもFPSが最高60に制限されていたようですが、現在はそのようなことはなく120FPSでプレイすることが可能です。
バッテリー・充電速度・発熱
バッテリーは4500mAhと、昨今においては平均的な容量。しかし、バッテリー持ちは、5時間ほどのゲーム、YouTubeなどの使用で20%と、同容量バッテリー搭載の他機種が6時間ほど持ったことを考えると、バッテリー持ちは微妙です。
しかし、1日中ゲームをするなどヘビーな使い方をしない限りは、最低でも1日、長くても1日半から2日ほどは持つことでしょう。
充電速度
充電速度は付属の33W充電器で満充電まで61分と、悪くない結果に。発熱に関しても、充電中で最高でも36度ほど、ゲームを長時間していても少し温かいと感じる程度で、問題はありません。※サーモセンサーで背面の最も熱い部分を計測
音質
デュアルステレオスピーカーを搭載しており、音質や音量は普通です。筆者が所持しているOnePlus 8 ProやRed Magic 5Sと比べると、やや音がこもっているように聞こえ、このあたりは値段相応といったところでしょうか。
カメラ性能
カメラ構成は以下の通りです。
- 6400万画素 F/1.9 1/1.72 メインレンズ
- 1300万画素 F/2.4 119° 超広角レンズ
- 500万画素 望遠マクロレンズ
- 200万画素 深度レンズ
構成としては、Redmi K30 Proと変わりはありません。Realme X50 Proといったフラッグシップ機でも超広角レンズが800万画素ということがあるので、超広角レンズが1300万画素なのはありがたいところです。
メイン
素人目ではありますが、これといって特に問題は見当たりません。逆光下においても白飛びなどはなく、多くの人にとって不満はないレベルといっていいでしょう。
ただ、望遠マクロレンズと”望遠”がつくレンズがあるものの、Redmi K30 Pro Zoom Editionのように光学ズームに対応しているわけでなく、ズームはメインレンズのクロップになるため、ズーム性能を求める人は別の機種を当たった方が良さそうです。
夜景に関しても、夜景モードで撮影すれば白飛びなどなく綺麗な写真を撮ることが可能です。また、夜景モードでの撮影において、1枚の写真を撮るのに数秒かかったりする機種もありますが、当機種は普通の写真を撮るのと同じくらいの速さで撮影ができました。
超広角
超広角レンズは1300万画素と、メインレンズの6400万画素(デフォルトでは1600万画素の画像を出力)と比べると、龍などの飾りの輪郭など細かいところを見るとやはりデティールで劣りますが、余程近くで見ない限りは粗いと感じないレベル。ただ、夜景モードが超広角レンズでの撮影に対応していない点が残念です。
望遠マクロ
公式サイト曰く、マイクロスコープ並みのマクロ写真が撮れるというこの望遠マクロレンズ。正直その謳い文句には疑問符がつきますが、500万画素なだけあってか、様々な端末に搭載される200万画素のものと比べるとクオリティは悪くありません。値段を考えれば、むしろ良い方だと言えるでしょう。
ビデオ
最高4K30FPSでの撮影が可能で、安定性も悪くはありません。超広角レンズを利用したSteady Videoというさらに安定性を高めるモードがありますが、こちらは1080p30FPSに限られています。また、超広角レンズでも4K撮影はできるものの、どの解像度でもFPSは30に限られてしまいます。
さらに、動画撮影中にレンズの切り替えはできず、メインレンズは1倍~6倍まで、超広角レンズは0.6倍~2倍までの間でしか倍率の変更はできません。
まとめ「完璧まであと一歩」
真なるフルディスプレイを求める筆者としては、Xiaomiの10周年記念モデルということもあり、これは是非とも買わなければと発売されてからすぐに、あまり躊躇せずポチった当機。
真のフルディスプレイ×120Hzリフレッシュレートがマストだと思っている筆者にとっては、現状においては当機が最善であるかと思いましたが、特にソフトウェアにおいてのラグが大きなマイナス点に。
完璧まであと一歩というところですが、やはりそのあたりが価格に現れてくるのかな、と改めて実感させられた一台でした。
◎良い点
- ノッチもパンチホールもない真のフルディスプレイ
- 120Hzリフレッシュレート
- コストパフォーマンスの高さ
×残念な点
- グローバル版が存在せず日本語非対応
- ラグが時々あるソフトウェア
- バッテリー持ちが微妙
そもそもノッチやパンチホールの有無は気にしないというのであれば、重い割にはバッテリー持ちが微妙であったり、ソフトウェアに問題があるなど、あまりお勧めはできない、というのが正直な意見です。
ただ、どうしても真のフルディスプレイかつ120Hzリフレッシュレート機が今すぐ欲しい、手頃な価格で欲しい、来年の画面内蔵インカメラ搭載機まで待てない、Xiaomi大好き!という場合であれば、買う価値はあると言えるでしょう。
Redmi K30 Ultraについて、何か質問があればコメント欄あるいは私のTwitter(@Kohei_SP)までお寄せください。可能な限り返信させていただきます。
凄く綺麗な端末ですね
個人的に円形カメラとてもデザインとして好きなのでこの端末に興味ありましたので実機レビュー参考になりました