Google純正のSIMフリースマホ「Pixel 3a」を早速購入したので実機レビューします。AIカメラに有機ELディスプレイを搭載し、かつ5万円を切る魅力的なスマホでした。
目次
Googleの低価格スマホが帰ってきた
Pixelシリーズは一世代目は台湾HTCが開発を担っていました。HTCのスマホは今でこそシングルカメラが主流ですが、HTC Oneの時代には世界で初めてデュアルカメラを搭載した歴史があり、元々カメラ性能には定評があるメーカーです。
初代Pixelの発売後、Googleは赤字に悩まされるHTCからPixelの開発部門をまるまる買収します。その後、PixelシリーズはHTCから受け継いだハードウェアとGoogleの優れたAI技術が上手く組み合わさり、カメラ性能にさらに磨きがかかりました。
一方で、Pixelシリーズは販売価格が高く、Googleの猛プッシュにもかかわらず販売台数は今ひとつ伸び悩んでいました。
Googleは、Nexusを発売していた時代は低価格端末をリードする存在でした。iPad独占のタブレット市場を切り崩したNexus 7は2万円台、日本のSIMフリースマホ市場を席捲したNexus 5は4万円台でした。Nexusブランド廃止となった後、手頃な乗り換え先の端末が存在せず多数の難民が発生しています。
こうした経緯を考えると、廉価版PixelであるPixel 3aは多くのユーザーが待ち望んだスマホではないでしょうか。
Pixel 3aのスペック概要
Pixel 3aは2019年5月17日に国内発売されたGoogleのミドルスペックモデルです。Pixel 3と比べるとインカメラが2個→1個に減少したり、SoCがダウングレードするなどスペックがそぎ落とされています。しかし、Pixel 3(税込み95,000円)と比較してほぼ半額の、税込み48,600円で入手できるコスパの良いスマホです。
基本スペック | |
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ディスプレイ | 5.6インチ, 1080 x 2220, 有機ELディスプレイ, 441ppi |
サイズ | 151.3 x 70.1 x 8.2mm, 147g |
システム | |
OS | Android 9.0 (Pie) |
Soc | Qualcomm Snapdragon 670 |
CPU | 360 Gold x2 & Kryo 360 Silver x6 8コア, 2.0 GHz |
メモリ(RAM) | 4GB |
ストレージ | 64GB, sd_card microSDスロット無し |
カメラ | |
メインカメラ | camera_rear 12.2MP, F値/1.8, OIS(光学手ぶれ補正), デュアルピクセルPDAF |
メインカメラ特徴 | camera |
前面カメラ | camera_front 8MP, F値/2.0, 24mm広角カメラ |
センサ類 | 指紋認証センサ, 加速度センサ, 近接センサ, ジャイロ, コンパス, 気圧センサ |
機能 | 防水 防滴, イヤホンジャック 有り |
その他特徴 | Active Edge, ステレオスピーカー |
バッテリー | battery_charging_full3.1, Type-C 1.0, 3000mAh |
購入について
購入の決め手
「Google純正スマホである」「AIカメラを搭載している」「有機ELディスプレイを搭載している」「発表前から話題になっていた」ことが購入の決め手になりました。
また、5月17日までに予約すれば5,000円分のプロモーションコードが還元される点も魅力でした。(6月現在はすでにキャンペーン終了しています。)
購入場所・購入時期・購入価格
5月8日にPixel 3aが公式発表・予約開始した時点でGoogleストアで予約を完了しました。
発売開始は5月17日でしたが、私の手元に来たのは2日遅れの19日でした。どうやらシンガポールからの発送だったようで、発送から到着までタイムラグがあったようです。
購入価格は税込み48,600円ですが、プロモーションコードが5,000円分つくので実質43,600円で購入できました。
購入モデル
Google Pixel 3a SIMフリーモデル、RAM: 4GB/ストレージ: 64GB
本体カラーはCleary Whiteです。
化粧箱・付属品
Pixel 3aの付属品で注目すべき点は「変換アダプター」と「ステッカー」です。
USB Type-Cに対応したオスに、USB 3.0に対応したメスの変換アダプターは設定初期のデータ移行に便利でした。iPhone 7からPixel 3aにデータを移行するとき、iPhoneを充電するライトニングケーブルと変換アダプターを繋げば、簡単に写真やアプリのデータを引き継ぐことができました。
また、個人的には付属のGoogleステッカーもなかなかオシャレ度が高いと感じました。MacBook Airに貼ろうか検討中です。
本体デザイン
本体の外観・デザインについて見ていきます。
本体カラーはクリアリーホワイトですが、フロント部分は黒色でした。最近流行りの極薄ベゼルではありません。
背面のカメラはシングル。指紋認証センサーの位置もPixel 3と変わりません。電源ボタンの色がクリアリーホワイトだとオレンジ色になっているのがポイントです。シンプルですが、ワンポイントのアクセントになっていてオシャレ度が上がっています。
指紋認証センサー付近の手触りはプラスチック感がありますが、サラサラしていて手触りが良いです。滑りにくいマットな質感で、懸念していたチープ感はまったく感じません。
カメラ付近の素材(本体の上部)だけ手触りが違い、こちらは覗き込むと自分の顔が映るくらい反射します。あまり手触りはよくありませんが、持った時に手に触れない位置なので問題は無いです。
本体と化粧箱を並べてみました。パッケージの裏面がオシャレです。
ディスプレイ
Pixel 3aは有機ELディスプレイを搭載しています。iPhone 7(液晶ディスプレイ)から乗り換えた感想は「目が疲れにくい」です。
液晶ディスプレイはバックライトで照らされている感が強かったですが、有機ELディスプレイだと自然の物体を眺めている時に近い感覚でディスプレイを見ている感覚になります。
画像の鮮明さや色の滲み具合もナチュラルな感じでとても良いです。
ソフトウェア・アプリ
OSは最新のAndroid 9.0 (Pie)を搭載しています。
また、Googleストアで提供開始された日から最低3年間のAndroidバージョンアップの提供を公式ホームページ上で確約しています。
つまり、2022年の5月17日頃まではPixel 3aは最新OSのアップデート対象になるという事です。Androidのメジャーバージョンアップはおよそ1年1回なので、2019年のAndroid QからAndroid R、Android Sまでは確実で、タイミングが良ければAndroid Tまでアップデートが期待できるでしょう。
独自機能(Active Edge)
本体を軽く握ると設定した操作のON/OFFを切り替えることができる「Active Edge」がPixel 3aでも搭載されています。
個人的な感想ですが、あまり使い勝手が良いとは言えず、感度を強く設定しても気持ち強く握らないと反応しません。また、誤反応のリスクも考えると「ディスプレイ上で操作すればよいかな」という感じです。
ただし、懐中電灯のON/OFFなど、使う設定やシチュエーションによっては便利かもしれないと感じました。
Googleフォトは無制限ストレージが利用可能
Pixel 3aは前作のPixel 3と同じく、Googleフォトを制限なく利用することができます。
Pixel 3aの公式ホームページ上では「高画質のまま保存できます」と表記されています。一方のPixel 3の公式ホームページ上では「元の画質で無制限に保存できるオンラインストレージを2022年1月31日まで無料で使用できます」と記載されています。
Pixel 3aのGoogleフォトについては「元の画質」で保存されないかもしれない点、いつまで無料サービスが継続されるのか公式ホームページ上で記載がない点に気をつけましょう。
処理性能・体感速度
私がPixel 3aで使うアプリはTwitterやChromeブラウザなどです。さすがにウェブサーフィンやSNSの利用はサクサク動きます。YouTubeの視聴もまったく問題ありません。
ただし、複数アプリを起動した状態でPUBG Mobileを起動するとまれにアプリが落ちることがありました。ポケモンGoだと特に不具合はありませんでした。
少しカクつくかなと思っていましたが、意外とPUBG Mobilも不自由なく遊べます。大抵のスマホゲームは問題なく遊べそうです。
参考までに、Antutuベンチマークの結果も貼っておきます。このスコアは初代Pixelと大体同じ。項目別に着目すると、Snapdragon 821を搭載した初代Pixelと比べると3D性能はやや劣っています。
カメラ性能・デザイン
本体のカメラ部分を横から撮影しました。微妙にカメラが出っ張っているのが個人的に残念なポイントです。ただ、大きな出っ張りでは無いのでカバーをつければ支障なく使えると思います。
カメラとは関係ないですが、電源ボタンのオレンジ色がやはり良いアクセントですね。
カメラの写真サンプル
オート撮影
カメラを起動して撮影した写真です。特に加工などは加えていません。シングルカメラですが、十分にキレイな写真が撮影できることが分かります。
また、左の写真は自動でモーションON(数秒間の動画撮影モード。今回の場合だと水の流れを動画として見ることができる。被写体が動いているときに便利。)の状態で撮影されていました。AIが「水が流れている」というのを感知してくれたみたいです。撮影後にモーションをOFFにすれば、通常の写真として静止画を鑑賞することができます。
ポートレートモード
背景をぼかす機能の「ポートレートモード」はPixel 3aでも搭載されています。左が通常の写真。右がポートレートモードです。背景のボケ具合がよく分かります。
ポートレートモードで撮影するときは、カメラアプリのオプションで「ポートレートモード」を選択するだけです。撮影後は「ポートレート無し」「ポートレートあり」の2パターンの写真が残るので、映りの良い方をあとから選ぶことができます。
木の葉をポートレートモードで撮影してみました。木の葉のスキマから見える背景がボケておらず、不自然さが残ります。惜しいですね。
木の全体をポートレートモードで撮影してみました。さすがのAIカメラでもこの画角は処理が難しいみたいです。
夜景モード
街頭の明かりがある場合は、「夜景モード」で綺麗に撮影できました。この写真の右側は、実際にはもっと暗くて見にくいのですが、写真では非常に明るく鮮明に撮影できています。
ちなみに、まったく光がない場所で撮影するとこんな感じです。
Pixel 3aの夜景モードは「薄暗い場所で綺麗に写真を撮れる」機能です。まったくの暗所だとご覧の通りでした。
Googleレンズ
カメラで写した画像を解析し、商品情報を表示する「Googleレンズ」がPixel 3aのカメラアプリ内に搭載されています。
とても近未来感あふれるワクワクするアプリなのですが、性能については正直イマイチでした。ご覧の通り、Pixel 3aの箱を映しても提案されるのはなぜかPixel 2。そこはPixel 3でもないんですね。他の物体でも試してみましたが、精度については改善の余地ありです。
Playground
ARに対応したサードパーティー製アプリは多いですが、Pixel 3aのカメラでは標準でARカメラに対応しています。そのサービスの名は「Playground」。ご覧の通り、カメラ内に謎のキャラクターや吹き出しを表示することが可能です。誰かPlaygroundの有効な使い方をレビューして欲しいですね。
ちなみに、有名どころだと「名探偵ピカチュウ」のARデータがダウンロード可能でした。少し遊んでみましたが、こちらはそこそこ楽しかったです。(すぐ飽きましたが...)
スピーカー・音質
Pixel 3aはイヤホンジャックに対応しています。大きな黒丸がイヤホンジャックの穴です。
上部の小さな穴はスピーカーです。Pixel 3aはスピーカーが上下に配置されているステレオ仕様ので、立体的なサウンドを楽しむことができます。YouTubeを使ってみると、音の聞こえ方の違いを強く実感しました。
本体下部はこんな感じ。真ん中にUSB-Cの充電ポートがあり、両サイドにスピーカーが配置されています。
Pixel 3aは指紋認証に対応
目新しさはないですが、Pixel 3aでの本体の背面に指紋認証センサーが配置されています。顔認証には対応していません。
iPhone 7からの機種変更だったので、最初は指紋認証センサーの位置が前面→背面に変わって戸惑いました。しかし、1日も使っているとすぐに違和感は無くなりました。それぐらい絶妙に良い位置にセンサーが配置されています。
私は左右の人差し指の指紋を登録しました。ポケットから取り出す時にささっとロック解除できるのが顔認証にはない強みですよね。
電池持ち・充電速度の印象
Pixel 3aは急速充電に対応しています。7時34分時点でバッテリー残量44%でしたが、約1時間後には100%フル充電が完了しました。
体感ですが、急速充電は90%を超えたあたりから充電速度がガクッと下がりました。バッテリー負荷を抑えるため急速充電が適応されないのかな、と感じました。(※個人の感想です。)
バッテリー持ちについては、YouTube・Twitter・Webサーフィンを各1時間ずつ、合計3~4時間ほど1日でPixel 3aを使用して、次の日に起きたらバッテリー残量が44%でした。
使い方にもよりますが、SNSやウェブサーフィンを少し使う程度なら2日に1回フル充電すれば問題ないと感じました。
まとめ
◎良い点
有機ELディスプレイ・AIカメラ・おサイフケータイを搭載しているのに5万円を払えばお釣りが返ってくる、というコスパの良さがPixel 3aの一番のメリットです。
特に「格安スマホはイヤだけど、ハイエンドスマホを買うほどお金に余裕がない」人におすすめできると感じました。
また、Google純正スマホというブランドイメージ・安定感がある点も強みだと思います。実際、ここまで長いアップデート期間を保証してくれるメーカーはAndroidだとGoogle以外はありません。
△イマイチな点
スペック的にはやはりミドルクラスのスマホです。特にRAM: 4GB、ストレージ: 64GBのみしか選択できない点、SDカードに非対応な点は大きなデメリットかと思います。
もちろんGoogleフォトの無制限サービスでクラウド上に画像を保管することは可能ですが、Spotifyで何百~何千曲もオフラインに保存したり、ゲームアプリを沢山インストールするのは容量的に厳しいと感じています。
全体的な感想 - 万人におすすめしたい
Pixel 3aはスマホ初心者からオタクまで、幅広いユーザーにおすすめできる端末だと感じています。日本メーカー独特の謎仕様や、煩わしいプリインストールアプリも無く、ストレスなく使用することができます。まさに万人受けする「優等生」という感じですね。
スマホを買い替えたいけど、iPhoneは高くなったしXperiaもイマイチ、Huaweiは今後どうなるか分からなくて不安、という人のニーズにぴったりハマるのが優等生のPixel 3aさんです。大いに頼りにしちゃいましょう。
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全体的に性能も今時からしたら低いしRAM4GBはまーいいとしてもメモリが絶望的
背面指紋認証も好きじゃないし値段もスペックもk20Proの足元にも及ばない