きれいな見た目に惹かれて買ってしまいました。
ついに日本でも販売の始まったOPPOのハイエンド・スマートフォン「OPPO Reno 10x Zoom」をライターが自腹で購入。
「10倍ズームをうたうトリプルカメラの実力は?」「ウルトラナイトモード2.0は本当にフリーハンドで夜景を撮影できるのか?」「長所は?」「欠点は?」
カタログスペックからはわからない実力や、実際に使用してみてわかった使い心地をお届けしたいと思います。
目次
開封の儀
VOOC 3.0での高速充電に対応したアダプター、USB Type-Cのケーブル、同じくType-Cコネクタのイヤホン、背面をカバーするケース、取説とカードスロットを開くためのピンなどが同梱されています。
イヤホンは見た目は悪くありませんが、平凡な音です。カバーも高級感には程遠いものです。
充電器は優秀です。VOOCでの高速充電時には、カラーコンタクトレンズを思わせる特別な輝きでスマホのディスプレイが光ります。
ディスプレイ指紋センサーも、認証時には派手なグリーンに輝きます。良し悪しはともかく、ケミカルな色彩にOPPOの独特なセンスを感じます。
起動とデータ移行
今回は日本のひかりTVショッピングで購入したためか、起動直後の画面ででてくる言語選択は最初から日本語にチェックが入っていました。
データの移行には指定アプリを使いますが、QRコードを読み込みダウンロードをした後は、新旧のスマホで指示通りに操作するだけで、問題なくデータを移し替えることができました。
以前のスマホから移行できなかったのは、古いXperiaに入っていたメモアプリ一つだけでした。
Red Magic 3への乗り換えではバグがありスムーズに行かなかったデータ移行ですが、Reno 10x Zoomではまったく問題ありませんでした。
基本スペック
今回購入したものは8GB+256GBの最上位版です。SIMスロットは2枚挿せるようになっていますが、MicroSDカードと共存はできません。
基本スペック | |
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ディスプレイ | 6.6インチ, 1080 x 2340, 有機ELディスプレイ, 387ppi |
サイズ | 162 x 77.2 x 9.3mm, 210g |
システム | |
OS | Android 9.0 (Pie) |
Soc | Qualcomm Snapdragon 855 |
CPU | Kryo 485 8コア, 2.84 GHz |
メモリ(RAM) | 6GB / 8GB |
ストレージ | 128GB / 256GB, sd_card microSD最大256GBまでSIM2スロットを使用 |
カメラ | |
メインカメラ | camera_rear 48 + 13 + 8MP, F値/1.7, トリプルカメラ, OIS(光学手ぶれ補正), デュアルトーンLEDフラッシュ, レーザーAF, 5x光学ズーム, 10x光学+デジタルズーム |
メインカメラ特徴 | camera |
前面カメラ | camera_front 16MP, F値/2.0, 電動ポップアップ式カメラ |
センサ類 | 指紋認証センサ, 加速度センサ, 近接センサ, ジャイロ, コンパス, 画面内指紋認証センサ |
機能 | 防水 非対応, イヤホンジャック なし |
バッテリー | battery_charging_fullType-C 3.2, 4065mAh |
外観と質感
画面占有率93.1%のノッチレスフルスクリーンは色合いも美しく、満足度が高いです。
重さ210gは、スマートフォンとしては最も重い部類に入り、また厚さ9.3mmもかなり厚めです。
ところが、持ってみた感触は重さ215g、厚さ9.7mmのRed Magic 3よりもずっと持ちやすく、重さがあまり気になりません。
200g超えの重さなのでもちろん重いのですが、Renoは背面が大きくカーブを描いており、Red Magic 3と比べてホールドしやすくなっています。家族にも持ち比べてもらって確認しましたが、明らかにRenoの方が持ちやすく、かつ軽く感じるという意見でした。
背面は独特の質感の第5世代ゴリラガラスです。サラサラした手触りで、触った感じではガラスっぽさはありません。下品にキラキラ光ることもなく、光をあまり反射しないマットな色合いでありながら、光があたると色が変化します。
カメラユニットはまったく出っ張っておらず、カメラの位置をなでてもつるつるです。スマホの上下は電源ボタン位置や、ちょうど指の位置にくる銀色の丸い粒のおかげで、触感だけでもわかるようになっています。銀色のところに指が来ると、ホールドしやすくなっています。
最大の特徴はカメラとAI
OPPO Reno 10x Zoomは背面トリプルカメラです。メインカメラを指で塞いだままカメラをズームしていくと、5倍を超えたところで望遠カメラに切り替わるのがわかります。
光学的には130mmですが、超広角の16mmから10倍の160mmまで、ハイブリッドズームによりほぼ画質を劣化させずに撮影できるとされています。
上の画像は左がハイブリッドズームの限界である6xでの撮影。右が10x。6xではシャープさを保っていますが、10xでは画像を引き伸ばしたようになっています。
手前のウッドデッキの手すりはボケていますが、鉢にしっかりと焦点があっているのがわかります。
この際、カメラのAIは鉢植えを「緑の植物」と自動判定し、被写体だと認識しています。
カメラの設定にAIシーン認識があり、オンにしておくとAIが自動的に被写体を判別するようになります。
写真下手にはうれしいAIシーン認識
カメラで猫を撮影しようとすると画面上部に「子猫」という表示が現れます。AIが被写体を猫だと認識している状態です。
ちなみに犬は「子犬」です。犬や猫の年齢は判別できていないようですが、動物は犬か猫か見分けて撮影しているようです。食べ物はざっくり「食べ物」と認識されます。遠くの夜景が「花火」と誤認識されることがありました。
上の画像はAIが猫を「子猫」と認識していない状態で撮影したものです。顔にピントが合っていますが、胴体を「猫」と認識できていないためか、胴体にはピントが合っていません。
AIの自動認識で「子猫」と判別されると、胴体にもピントが合うようになります。
黒猫もSNS映えするようになる?
上の画像はかなり難易度高めな「逆光の黒猫」です。ちゃんと黒猫の毛並みまで撮影できています。
黒猫オーナーあるあるなのですが、黒猫は写真撮影する際に、オートフォーカスではなかなかピントが合いません。しかも猫は動くので撮影の難易度がかなり高いです。逆光なら尚更です。
これまで黒猫は「SNS映えしない」と不当な扱いを受けてきました。TBSの「林先生が驚く初耳学」ではインスタ映えしないという理由で黒猫は捨てられやすいとか、捨てられた猫1000匹のうち700匹が黒猫だなどといわれたこともありました。
前述したように黒猫の撮影は難易度が高く、背景に溶け込んだ黒い模様になってしまったり、黒いかたまりのなかに目だけが光る「まっくろくろすけ的ななにか」になりがちです。
我が家の黒猫は、野良の母猫や子猫4匹と一緒に引き取りました。地域の情報誌やウェブに写真を掲載し、飼ってくれる方を探しましたが、フォトジェニックなチャトラや、シロクロにはすぐに引き取り手が現れたものの、写真映りが悪いせいか黒猫には最後まで引き取り手が現れませんでした。
「黒猫がいちばん可愛いのに!」(※諸説あります。)
そんな黒猫の受難もOPPO Reno 10x Zoomがあれば、もう終わりです。
黒猫は己のステルス性能をフルに発揮するため暗所に隠れがちですが、テーブル下の暗所に隠れた黒猫も、Renoのカメラならちゃんと映し出します。
黒猫飼い主の皆さん、もう黒猫のステルスに悩まされる必要はないのです。バンバン撮影してインスタに上げましょう。
ウルトラナイトモード2.0
メインカメラにはOIS(光学手ブレ補正)、望遠カメラにはOISに加えてEIS(電子式手ぶれ補正)が搭載されています。
夜景撮影はシャッター速度が遅くなるため、数年前までは「三脚を使って撮影するのが当然」「デジカメで撮影するなどもってのほか」というのが常識でした。
Renoのカメラは、手ぶれ補正やAIのおかげで三脚なしのフリーハンド撮影でも画像がブレずに、ノイズも少なく撮影することができます。ISO感度やシャッター速度を設定する必要はありません。
上の画像は実際にナイトモードを使い、フリーハンドで撮影したものです。赤や青の光も色が飛ぶことなく、ちゃんと再現されています。夕方ぐらいに見えるかもしれませんが、夜中の23時です。
画像の一部を切り抜いて拡大しても夜景撮影につきもののノイズは目立ちません。また、フリーハンド撮影にもかかわらず、ブレることなくそれなりにピントが合っています。
マクロ撮影
10倍ズームで遠くのものも美しく撮影できますが、近くのものもマクロ撮影によってきれいに撮れます。
小さなものを撮影したいときはもちろん、名刺の撮影といった用途でも活躍するでしょう。
ゲームスペース
OPPOゲームスペースでは、ゲームアプリを登録することで、環境をゲームプレイに最適化することができます。
いうまでもなく、Snapdragon 855の処理性能はゲームに向いています。また水冷式冷却システムにより本体温度の上昇を抑えることができます。
サウンドはステレオスピーカーを搭載。ハイレゾやDolby Atmosにも対応しています。
Red Magic 3ほどの爆音こそ出ませんが、スマホとしては十分に大きな音を出してくれます。
その他、使ってみた感想
良い点
カメラの性能は素晴らしく、夜景モードやマクロ、パノラマなど写真を取るのが楽しくなります。
処理性能も文句なく、ツイッターをヌルヌル動かしているだけでも楽しいです。
事実上の昨年モデルといっていいFind XではUIや操作がやや特殊なため標準ランチャーが変更できませんでしたが、Renoではサードパーティー製のランチャーにも変更可能。ホームボタンや戻るボタンも存在し、ユーザーが戸惑う場面はありません。
カメラやアルバムの整理など、AIの賢さが随所に感じられます。
残念な点
やや重いところは欠点といえるでしょう。
構造的にカバーやケースをつけづらいのも欠点といえそうです。また、つけたら少し手に余る大きさになるでしょう。
頻繁に自撮りする方や、顔認証を使う方にとっては、ポップアップカメラは起動が遅く感じるかもしれません。
日本では最上位の8GB + 256GB版しか売られていないのは感心できません。
割引サービスなしでは、価格が107,784円と海外版よりかなり割高です。
最上位版しかない点や価格が高いといった点は、日本版Black Shark 2とも共通するところで、いわゆるおま国、おま値です。
OPPOが日本市場でそういったガラパゴスな悪弊を踏襲するのであれば、日本で大きなシェアを獲得することはないでしょう。
まとめ-写真を取るのが楽しくなる高性能スマホ
夜景や黒猫など、これまで初心者では撮影が難しかった写真も、AIまかせで撮影できてしまうのが、Renoの特徴といえるでしょう。
これまで「写真に詳しくないから」という理由で、あまりカメラを使ってこなかった方や、思うような写真が撮れないと思っていた方でも、Renoなら簡単に写真が撮れます。
あまりにも簡単に写真が撮れるので「こうすればもっと格好いい写真が撮れるのでは?」と、ついつい写真撮影が趣味になってしまうようなスマートフォンです。
処理性能はAIの能力にも直結しますので、「ゲームをしないので高性能なスマホはいらない」と思っている方でも、購入を検討する余地があります。
いいなぁ
けど省エネアプリがだいぶ暴れるって5CHでは書かれてますね