SIMフリー + DSDV + Felica + 防水 + ・・・ = これ!⇒ スマートフォン界の『全部入り』!?
海外スマートフォンでの「デュアルSIM」、国産スマートフォンでの「おさいふケータイ (Felica)」、それぞれについては多くの搭載機種がありますが、これら二つを併せ持つモデルはこれまで存在しませんでした。
これを実現した現時点で世界唯一のスマートフォンが、今回レビューした「OPPO R15 Pro」です。
本機はリリースされてからある程度の時間が経っており、スペックなどの製品情報はネット上にも広く流通しているため、今回は長期間実際に使ってみて感じたこと、分かったことを中心にレポートしたいと思います。
OPPO R15 Proとは?:日本での知名度はあまり高くないものの、世界市場では非常にメジャーなスマートフォンメーカー ”OPPO” が、日本市場向けに最適化した、高性能・高機能のスマートフォン
良いところ:DSDV対応のSIMフリー機でありながら、おサイフケータイ(Felica)に対応し、AIインテリジェントカメラや防水機能その他多くを併せ持つ
残念なところ:肝心の Felica の反応が悪い場合がある、急速充電機能はあるものの専用ケーブルが必要(しかも Micro USBタイプ)
目次
スペック
本機のスペック情報は以下の通りです。1年前のスマホですが、現在でもSIMフリースマホとして十分通用する性能です。
基本スペック | |
---|---|
ディスプレイ | 6.28インチ, 1080 x 2280, 有機ELディスプレイ, 401ppi |
サイズ | 155.1 x 75.2 x 7.4mm, 175g |
システム | |
OS | Android 8.1 (Oreo) |
Soc | Mediatek Snapdragon 660 |
CPU | Kryo 260 8コア, 2.2 GHz |
メモリ(RAM) | 6GB |
ストレージ | 128GB, sd_card microSD最大256GBまでSIM2スロットを使用 |
カメラ | |
メインカメラ | camera_rear 16 + 20MP, F値/1.75, デュアルカメラ, PDAF |
前面カメラ | camera_front 20MP, F値/2.0 |
センサ類 | 指紋認証センサ, 加速度センサ, 近接センサ, ジャイロ, コンパス, 顔認証ロック |
機能 | 防水 IPX 7, 水深1メートルにおいて30分間沈めても影響なし, イヤホンジャック 有り |
バッテリー | battery_charging_fullmicroUSB 2.0, 3430mAh |
おサイフケータイ機能を使ってみて・・・
本機に興味を持たれる方の最大の関心は「おさいふケータイ機能」なのではないでしょうか。
筆者は大の海外スマートフォン好きですが、多くの国産スマートフォンが備える「おさいふケータイ機能」(Felica)については、やはり日本国内では非常に便利であり、常にうらやましく思う機能でした。
本機 「OPPO R15 Pro」については、そもそもOPPOのことをよく知らなかったこと、ラインナップ全体的にデザインが派手、というイメージがあり、これまでスルーしてしまっていたのですが、その内容を改めて知ったが最後「探していたのはこれ!」と速攻でポチってしまいました(笑)。
数日後手元に届き、早々セットアップを済ませて喜び勇んで「日常デビュー」を果たしたのですが・・・
んっ?
、、んんっ?
なんだか Felica の反応が良くありません。
最初はいつもの通勤バスでのことでした。
乗車時の事前タッチは問題無くクリア。「やっぱり便利!」とひと安心していたのですが、問題は支払い時に起こりました。
降車口で Felica ポートにタッチしたものの、いきなり赤ランプフラッシュとけたたましい警告音!
”もしかしてカバーのせいかも” と慌てて取り外してタッチするも再びエラーに!!
端末をずらしたり再タッチしたりで、ようやく反応して支払い完了しましたが、結果として10秒前後かかってしまいました。(朝のラッシュ時だったのでかなり焦りました)
ちょっと出鼻をくじかれた感じです。
その後、気を取り直して再び昼食時のレストランでチャレンジするも、やはりうまく反応せず、同じようにもたもたした後に、ようやく支払い完了といった具合です。
その後数日間様々な場面で利用しましたが、状況は変わらず、度々エラーに遭遇しました。
先日まで使用していた Google Pixel 3 においては、同じ利用環境でも特に問題はなかったため、やはり原因は端末側なのかな、、という感じです。
(イメージ的には Felica が反応する「スイートスポット」 が狭い、という感じです)
やむを得ず、現在は精算を急がない場面(混雑していないコンビニなど)でのみ使用し、改札には使わないようにしています。
本機は他にも豊富な機能を備える魅力的な機種であるだけに、今後のアップデートで少しでも状況が改善されることを望んで止みません。
※上記はあくまでも筆者の利用環境での一例であり、状況により反応が異なる可能性をご認識ください
カメラ機能を使ってみて…
OPPOは自らの製品を「カメラフォン」と呼び、ペリスコープカメラを搭載した高倍率ズームレンズを搭載する「Reno」シリーズを次々と発表するなど、HUAWEI や NOKIA と並んでカメラ機能に注力しているスマートフォンメーカーです。
本機「OPPO R15 Pro」も例外ではなく、1,600万画素 + 2,000万画素の「A.I.デュアルカメラ」を備え、様々なシーンにおいてAIによる最適なセッティングが自動的に行われるなど、ユーザーが撮影に集中でき楽しめる「カメラフォン」に仕上げられています。
以下サンプルショットです↓
「写真」モード:等倍(日中晴天時)
非常にキレのあるシャープな画像が得られます。
この特性から以下の様な人工物の撮影にも向いていると思います。
「写真」モード:等倍(日中曇天時)
「写真」モード:等倍(屋内)
あらためて、自然を含む風景の作例です。
「写真」モード:等倍(日中晴天時)
残念ながら超広角レンズは備えていませんが、通常利用には程良いワイド感で撮影できます(とはいえ超広角もあるとうれしいのが本音(笑))
「写真」モード:x2(日中晴天時)
画面上のボタン一つで即座に x2 にできます。急いでアップにしたい場合にとても便利です。画質も x1 と遜色ないレベルです。
「写真」モード:x5(日中晴天時)
中央右上の時計の文字盤や右奥のビルの窓枠などからも認識できる通り、この倍率でも結構なシャープさを保っています。
「写真」モード:x10(日中晴天時)
さすがにこの倍率では作品としての写真画質を得ることは厳しく、あくまでも非常用(記録用)といったレベルだと思います。
「写真」モード:低光量時
日中の室内程度の暗さ(明るさ)では十分階調感のある撮影が可能です。
「写真」モード:夜景
夜間の撮影ではさすがに解像感が下がり、またチューニングの具合からなのか、調整なしでは明る過ぎ&白とびが目立ちます。それでも「場の雰囲気の再現」は十分にできているのではないかと思います。
「ポートレート」モード
このモードでは「自然光」「フィルム(明)」「トーン(明)」(モノクロ)、「輪郭光」「2色(明)」といったプリセットが選択可能です。
以下は「自然光」での作例ですが、背景ボケの特徴については他のプリセット時でもほぼ同様でした。
比較的エフェクトが強く、背景ボケは絵画調といった仕上がりになります。
というわけで、自然の風景よりは以下のような人工物の方がエフェクトが活きるのではないかと思います。
使い勝手の良い所
電源ボタンとボリュームボタンの配置
多くの android スマートフォンの電源ボタン、ボリュームボタンは、ともに本体正面右側に配置されていますが、本機はそれらが左右に振り分けられています(iPhoneと同じ配置)。慣れてしまえばどちらでも問題無いのですが、やはり左右で別れている方がとっさの時にわかりやすいと思います(急いでボリュームを下げたい時など)。
↓左側:ボリュームUp/Down 右側:電源
画面Off時のジェスチャー起動
本機は「画面OFF時のジェスチャー起動」機能を備えており、スクリーン上で指定された文字を描くことにより、特定の機能を呼び出すことができます。
例えば机に置いたままロック解除したいときなど、物理的にボタンを押さなくても、静かにジェスチャーでロック解除することが可能です。
「上にスライド」をロック解除に設定して起動をかけた時の画面です。一瞬ジェスチャーの軌跡が表示され、反応したことがわかります。このあとロックが解除されます。
スワイプアップによるシステムナビゲーション
本機では、画面下部からのスワイプアップによる「ホーム」「戻る」「アプリリスト表示」がサポートされています。
これにより、より広く画面を使うことができ、また片手操作の時にも端末の持ち替えが不要になることもあり、非常に便利です。
↓かなり薄くて見えづらいですが、最下部のアイコンの下に{左・中央・右}のインジケーターバーが表示されています
同様の機能は iPhone (X 以降) や一部の android 機でも採用されていますが、本機の特色としては「戻る」ボタンが「右側スワイプ」「左側スワイプ」「両側スワイプ」から選択できるという点です。
設定画面(クリックで拡大)
ちなみに通常の3ボタンモードにも設定可能です↓
三本指 下スワイプによるスクリーンショット
指三本で画面を下スワイプすることにより、簡単にスクリーンショットを撮ることができます。
また、スクロールしないと見えない部分も含めた「縦長スクリーンショット」を撮ることもできます。(先述の「ナビゲーションキー」の設定画面のスクリーンショットはこの機能を利用して撮影しています)
↓スクリーンショット取得時のサブメニューから実行できます
ボリュームボタンによるカメラのズーム
カメラ使用時にボリュームボタンでズームイン/アウトがコントロールできます。
もちろん他の多くの機種と同様、ピンチイン/アウトでもズーム操作はできるのですが、ボリュームボタンを使用することにより 0.1x 単位の微妙なコントロールが可能です。厳密なフレーミングを行いたいときには重宝します。(サンプルの被写体が今ひとつですが、以下はズーム 1.3xにセットしているところです。)
使い勝手の悪いところ(残念なところ)
カメラ画面内のUI
カメラ画面内の「シャッターボタン」と「撮影モード」選択バーの位置関係が、以下写真の通り、「撮影モード」が下側となっています。
このため、シャッターボタンを押そうとした際につい直下の「撮影モード」バーに指が触れ、意図せずモードが切り替わってしまうことがあります。
以下は「写真」モードで撮影しようとしたのに「動画」モードに切り替わってしまった場面です(指に隠れている部分の「動画」モードボタンが選択されてしまっています。おまけになぜか全画面モードに切り替わっています(苦笑))
この仕様の影響で、幾度となくシャッターチャンスを逃してしまいました。
例えば他の機種(Nokia 8.1)では、以下の通りシャッターボタンより上にモード選択ボタンがあるため、不意にモードが切り替わるといったことはまずありません。
本機のこの仕様はソフトウェアの更新により改善可能と思われるため、是非とも早期に対応してもらいたいと思います。
その他の特徴・特性
バッテリーの持ち
3430mAhのバッテリーの持ちですが、一日にのべ1時間程度のWeb参照、数枚の写真撮影と1時間程度の音楽再生で、帰宅時に残り30~40%程度といった感じなので、有機ELモデルにしてはあまり持ちが良くない印象です。他に動画再生などで利用するのであれば、モバイルバッテリーか充電器持参が安心なのではないでしょうか。急速充電には対応しているものの専用ケーブルと高出力アダプターが必要な点には注意が必要です。
処理性能
CPU に Qualcomm Snapdragon 660 を採用、RAM も 6GB 搭載していることもあり、通常の動作には全くストレスはありません。高速スクロール時も引っかかりは無く、タスク切り替えも極めてスムーズです。ちなみに Antutu のスコアは以下の通りです。
音質
シングルスピーカーのため、音楽再生については正直そこそこという印象です。しかしながら本体構造がしっかりしているのか、ギターなど楽器の話ではないですが、とても「良く鳴る」本体で、通話時の相手の音声が結構なリアル感をもって伝わってくるのは、本機の隠れた特徴のひとつではないかと思います。
ディスプレイ
6.28型の有機ELディスプレイが採用されています。黒がしっかりと黒く、他はくっきりとする発色は、まさに「有機ELならでは」といえるのではないでしょうか。
持ち心地(手すさび感)
ひとこと「最高!」です(笑)。大型ディスプレイを採用していますが、狭額ベゼルかつ薄いボディに滑らかなラウンドエッジであるため、手の中での納まりが心地よく、ポケットにいれてもいつまでも触っていたくなるような、滑らかな触り心地です。背面の美しいグラデーションを堪能するためにも、本機は是非カバー無しで利用することをおすすめします。(筆者はモバイル保険に加入しており、本機はその補償対象となる希少はデュアルSIM機でもあります)
まとめ DSDV + Felica を実現する唯一のモデルであるが、更なるチューニングに期待
DSDVのSIMフリー機は数多く存在するものの、そこに日本市場特有の機能であるFelicaを搭載するという OPPO の心意気/戦略が感じられる魅力的な一台です。機能の品揃えという意味では、まさに「全部入り」を実現した「贅沢三昧モデル」ではないかと思います。
しかしながら、一番の目玉である「おサイフケータイ機能」利用にストレスがあることで、残念ながら本機の魅力が大幅にスポイルされていると思います。
本機以降のOPPO製品にはFelica搭載モデルが無いことから今後の同社の動向が気になりますが、昨今のキャッシュレスの進展からも、国内/海外でシームレスに活用可能な本機の試みを支持するユーザーは多く存在する思われるため、ソフトウェア・アップデートによる可能な限りの改善を期待するとともに、今後も他メーカーとは一味違うモデルをリリースし続けて欲しいと思います。
楽天モバイルで発売予定のOppo reno A 128GBも楽しみですね。
元の機種がコスパの良いK3なので値段によっては結構流行りそうな気がしないでもないです。