長年の開発期間、複数回に渡る延期を経て、遂に発売となるもそのバグの多さや出来の悪さから、PlayStationストアからは約半年もの間取り下げともなっていたCyberpunk 2077。
そんな色々な意味で話題となった同ゲームとOnePlusのコラボモデルとなる、OnePlus 8T Cyberpunk 2077限定版を数ヶ月間使用してのレビューをお届けします。
その発売から半年以上が経過しており、ベースとなるOnePlus 8Tのレビューは既に数多く存在しているため、主にCyberpunk 2077要素、そして情報が少なく今後見ることもないだろうHydrogenOSについてレビューしていきます。
目次
購入について
購入動機
Cyberpunk 2077をプレイし、OnePlus 9シリーズ発表前にも関わらず買わずにはいられなくなってしまった。
購入場所・購入時期・購入価格
購入場所:expansys
購入時期:2021年2月下旬
購入価格:約10万円(税込み)
とにかく早く欲しかったため、expansysで購入。実際に発送から2日で到着しており、他サイトよりも少々割高なだけあるといったところ。
限定版らしい凝った開封体験
OnePlusのコラボモデルはそのパッケージングにもこだわっており、今回もその例外ではありません。
ゲームの象徴カラーである黄色のパッケージをひっくり返して開けると、中からは逆コントラストの黒い本箱が登場。
本箱を包んでいた黄色い包装の内側には、ゲームの舞台となるナイトシティの地図が。
本箱の淵には、黄色の装飾があしらわれており、より限定版らしいものに。
箱を開けると、取扱説明書などが入ったケース、端末本体、そして「NIGHT CITY CHANGES EVERY BODY」の文字がお目見え。
その文字の下には、ゲームのロゴが刻印された65W充電器が鎮座。ケーブルは今回よりType-C to Cに。
ケースの中には、黄色のステッカー、「WELCOME TO NIGHT CITY」と書かれたSIMピンホルダー、そして取扱説明書も兼ねたポスターが封入。
SIMピンポルダーの上部分を開けると、重要キャラクターの一人、ジョニー・シルバーハンドが率いるバンド、サムライの曲「Never Fade Away」の歌詞が。
ポスターには、腕用サイバーウェアの一つ、マンティスブレードの絵があしらわれています。
その裏面は取扱説明書兼保証書に。
箱の底は取り外しが可能となっており、ピンとケースがここに収納されています。
ピンは全6種類の内1つがランダムで封入されており、筆者のものはヴァレンティーノスのピンが封入されていました。
ケースはカメラモジュールだけでなく、下部分も開いている大胆なものに。
以上で付属品は全てとなります。
Cyberpunk 2077の世界観を表したデザイン
通常版と比べ大きく違うのは、やはりそのデザイン。
背面上部には横一杯に広がったカメラモジュールが鎮座しており、ゲームの舞台でもある西暦「2077」年や、「NEURAL CONNECTION STATUS: ACTIVE」、「NETRUNNER EDITION」の文字が。
ちなみにこの部分は、Cyberpunk 2077のハイテクノロジーの秩序と未来を表しているそう。
中央部分はAGガラスとなり、独特な触り心地に。指の腹で触るとツルツルしていますが、爪を立てると確かに引っかかるものがあります。
またこちらはハイテクとローライフの狭間の未知の可能性を表しているとのこと。
下の部分は、ゲームのロゴが中央にあり、特徴色ともなる黄色での縁取りがなされています。
そしてこの部分は、光の反射で上画像のような模様が見られ、これまた特徴的です。
またこちらは、夜の街の複雑で無秩序な生活を表しているそう。
変わって正面は、通常版と同じで普通のパンチホールディスプレイに。
電源ボタンと音量ボタンは近くの背面が黄色くなってはいますが、ボタン自体はフレームと同じ黒一色です。
ケースを付けると上画像の通り。
ただ、ケースに穴が開いていることから予想できる通り、淵部分に埃などが溜まってしまい、そこは少々残念といったところ。
Cyberpunk 2077要素が詰まったソフトウェア
OnePlusは当モデルを、今までのコラボモデルの中で最もカスタマイズされていると謳っており、外観だけに限らず、スキンはもちろんゲーム内の着信音などソフトウェアにおいてもその要素が所々で見られ、ファンの心を満たす仕様となっています。
ブートアニメーション
ブートアニメーションは、ゲームのロゴから始まり、ハッキングしているかのような文字の羅列が流れ、最後はOnePlusのスローガン「Never Settle」の文字で終わるものに。
壁紙・指紋認証アニメーション
専用の壁紙は計5種類あり、サムライのロゴのものはライブ壁紙となっており、ロック解除の度光っては消える仕様に。
スキン
スキン(アイコンパック)は専用にサイバー感溢れるものが実装。アクセントカラーは黄色となっています。
中国版ということで、かなりの数の中国系アプリがプリインストールされていましたが、そのほとんどはアンインストール可能です。
AOD・充電アニメーション
充電アニメーションも、複数ウィンドウが立ち上がるようなものとかなり凝った仕様に。専用AODも、1種類だけではありますがウィジェット同様にネオンのものが存在しています。
サウンド
サウンドに関しては、通知音はもちろん、タップ音からカメラのシャッター音まで様々なものが、ゲーム内由来ないし雰囲気を感じられるものに。
ホライゾンライト
端末ロック中に通知があった際に光る機能のホライゾンライトは、こちらもネオンのものが用意。通常のものは中央よりじわじわと光っていきますが、こちらはネオンサインのように一気に点灯する形となっています。
専用フィルター
カメラにおいては、ゲームの世界観を表したフィルター「NIGHT CITY(画像中央)」と「NORTH CALIFORNIA(画像右)」が実装(画像左はフィルターなし)。
写真においてはただの色調を変えるフィルターですが、動画においては、所々に歪みが生じる特徴的なフィルターになっています。
やはり微妙なHydrogenOS
OnePlus機は、グローバル版にはOxygenOS(以下OOS)、中国版にはHydrogenOS(以下HOS)が採用されており(OnePlus 9シリーズからはOPPOのColorOSを採用)、当モデルは中国発表のみなため、HOSを搭載(OOS搭載、というより書き換え版もあるようですが、専用スキンは非搭載の模様)。
その主な相違点としては、MIUIの中国版でも見られるように、Google系アプリがプリインされていないこと、日本語非対応となっていることなど。
結果から言ってしまうと、OxygenOSと比べやはり細かいところで使いにくいです。以下、それぞれ特徴や問題点について挙げていきます。
通知を押してもアプリがたまに開かない
中華メーカーのカスタムスキンあるあるの通知が届かないことがある、というのもたまにありますが、それより気になったのが、通知を押してもたまにアプリが開かないこと。これは地味に不便です。
OnePlusアカウントが中国版は別
設定アプリの上部に、アカウントにログインとありますが、中国版のOnePlusアカウントはグローバル版のものと異なり、グローバル版のOnePlusアカウントではログインができません。
ログインする必要性はあまりありませんが、OnePlus Watchとペアする際に使用するOnePlus Healthアプリはログイン必須なため、同Watchを購入した筆者はここで少し手こずりました。
共有時に細かい共有先が出てこない
写真やリンク等を共有する際に、OOSではあったアプリ内の個人などが共有先として選択肢になく、アプリを選択し、アプリに飛んでから個人を選択しなければいけなく、地味に不便です。
またGoogleのNearby Shareは、OnePlus Shareなる共有サービスに置き代わっています。
デジタルウェルビーイングがない
設定アプリの項目にデジタルウェルビーイングはなく、その代わりに、上記の中国版OnePlusアカウントのサービスの一つであるクラウドサービスに置き換わっています。
Google Assistantが使えない
中国ROMではお馴染みですが、Google Assistantが使えません。その他のGoogleサービスに関しては普通に機能しているため、そこは幸いといったところでしょうか。
日本語非対応
こちらも中国ROMあるあるですが、日本語に非対応です。対応しているのは中国語(簡体、繁体)とアメリカ英語のみ。
フォントの種類が少し多い
OOSにおいては「Roboto」と「OnePlus Sans™」の2種類しかフォントがありませんが、HOSではそれに「DynaFont Yuan」と「TsangerJinKai」を加えた4種類に。
まとめ「ファン垂涎の一品」
通常版とは異なるデザイン、そして様々な部分でCyberpunk 2077要素が見られるソフトウェアと、ゲームのファンである筆者にとっては非常に満足のいく一台です。
ただ、同要素を除けば、カメラやディスプレイ、バッテリー等は昨今のフラッグシップ機といった性能で、以前レビューしたOnePlus 8 Proと同様に尖った特徴はありません。その価値は、やはりゲームがどれだけ好きかに左右されてくることでしょう。
◎良い点
- ファンにはたまらないデザイン、ソフトウェア
×残念な点
- プレミア価格で高い
- HydrogenOSが微妙
- 専用ケースが少し残念
当モデルは限定版ということもあり、新品は京東においても執筆時現在、約4,500~6,000元(約7.7~10.3万円)というプレミア価格で販売されています。
通常のOnePlus 8Tとの違いは、Cyberpunk 2077要素を除けばほぼ無く、HydrogenOSは正直使いづらさしかないため、ファン以外の方にはお勧めしません。
通常版であれば数万円程安く手に入るため、ファンでない方、ファンの方でも日本語非対応はちょっと、という方は、通常版の方を検討してみてはいかがでしょうか。
しょーもないゲームよりエヴァコラボのが売れるぞ