Android 11の新機能のひとつであるNearby Shareが、Android OSのみならずWindows、macOS、ChromeOS、LinuxなどのほとんどのPC環境でも利用可能になる可能性が浮上しました。
同様のファイル共有機能をもつAppleのAirDropと比較して、Androidスマホ間でしか利用できないことが欠点だと言われてきましたが、これだけの広いプラットフォームで利用できるとなればむしろアドバンテージとなり得ます。
そもそもNearby Shareとは何か
そもそもNearby Shareとは、次期Android 11より新たに実装される予定の新機能の名称で、AppleのAirDropと似たファイル共有機能を持っています。なお、利用にはGoogle Play開発社サービスが必要とみられているため、厳密にはAndroidの標準機能というわけではありません。
現在AndroidにはAirDropほど優秀なファイル共有機能が無く、Huaweiやサムスンが独自規格を展開し始めたり、OPPOやXiaomiなど複数社が集まって共有のアライアンスを立ち上げるなど迷走中です。Googleがこの状況を打開するため、重い腰を上げて開発しているのがこのNearby Share(日本語:近接共有)なのです。
ちなみに、当初この機能はFast Shareと呼ばれており、その後Nearby Sharingに、そして最近になってNearby Shareと複数回名前が変わってきた歴史があります。今のNearby Shareでも、何処と無く直接的で印象が弱いように感じます。正式リリースまでにAirDropを彷彿とさせるような、何かクールな名称が与えられると良いのですが。
最新のChromiumコードレビューを探ってみると
結論から言ってしまえば、Nearby Shareの機能はGoogle Chromeアプリを通すことでのみ、Windows等各PC向けOSでも利用可能になります。Googleの機能を他社製のOSで動作させるクライアントとして、おそらく最も普及しているこのGoogle製PCソフトが選ばれたのでしょう。
Androidと同じオープンソースソフトウェアであるChromiumをもとに、Google Chromeは開発されています。Chromiumのコードレビュー(開発中のソースコードについて、ミスを見つけるため第二者が精査する作業)が行われているChromium Gerritから、Google ChromeへのNearby Share機能搭載を示唆するコミットが発見されました。
コミットでは、Chromiumに「Nearby Sharingを有効化/無効化するフラグを追加した」という旨が記されています。その後別のコミットでは、Google Chromeのchrome://nearbyメニューからNearby Shareの設定が可能になるということが明らかになりました。
Chromium及びGoogle ChromeはWindows、macOS、Linuxなどの多くのプラットフォーム向けに移植されているため、これらの環境でもGoogle Chromeを介することでNearby Share機能が利用可能になることが推察されます。
Nearby Sharing shows up in #chromebook settings pic.twitter.com/Z2V5UrgPT4
— Dinsan (@_dinsan) June 19, 2020
―(訳)「Nearby SharingがChromeBookの設定画面に現れたぞ!」
また、Google ChromeをOSの基幹部分に組み込んだGoogleのChrome OSでは、よりシステムに近い設定画面でNearby Shareの設定が出来るようになるようです。
Source:XDA Developers
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