東南アジアの中でも親日国として知られるラオス。同国はまだまだ経済発展を目指す過程にありますが、通信業界の事情も近隣諸国とは異なることが特徴です。実際に現地で通信業界を見てきた筆者が、同業界の事情をレポートします。
目次
ラオスの通信業界は競争も含めまだまだ発展途上
ラオスの通信業界は国営のラオテレコム(Lao Telecom)と外資のユニテル(Unitel Lao)というプロバイダーが大手となっています。
国営会社が大きな存在感を見せている点はミャンマーやカンボジア、タイの同業界との違いです。ユニテルはベトナムのViettelの系列です。
ラオテレコムのプランの例として、上のようなものがあります。これは5日間で3GBのデータ通信とTikTokなどの対象のSNSが使い放題(ノーカウント)というプランです。価格は15,000キープ、およそ100円で5日間SNSが使い放題です。
ラオスでも日本のような月額契約プランはあるものの、まだまだ全国的には普及していません。
ラオスの通信環境
筆者はラオテレコムとユニテルの両方を試していますが、繋がりやすさやスピードに体感で大きな差はありません。一方でどちらも地方では繋がらない場所もあり、4Gから3Gに切り替わってしまうことも経験しています。山地が非常に多いラオスという国では、旅行中に圏外になり困るシーンもしばしばありました。
郊外ではLINEの音声通話は問題なく行えますが、ビデオ通話になると映像が固まってしまうこともあります(※首都では問題なし)。そんなときは建物の外に出て歩き回らなくてはいけません。やはりタイやベトナム、マレーシアなどの近隣諸国に比べると通信業界の水準は劣っている印象を受けます。ただし首都のビエンチャンの水準は高いと言えるでしょう。
ラオス人からは長く使える中古iPhoneが人気
ラオス現地の若年層の間では中古のiPhoneが人気です。スマホを扱うショップで話を聞く限りでは日本円で2万円前後のAndroidスマホより、外国から輸入した中古のiPhone 8やiPhone Xなどのモデルが賢いチョイスとして浸透しているとのことです。
地域差もありますが、やはり国として成長過程にあるラオスでは最新のiPhone 13やiPhone 14を使っているユーザーを見ることは珍しかったです。
中古であってもiPhoneの方が長く使えるという考え方は日本の中古スマホ市場と似ている部分を感じます。賢い買い物の仕方もそうですが、やはり若年層の間でのAppleブランドの強さも背景にあるようでした。同様に、これまでラオスで強い存在感を見せてきたOPPOやvivo等のAndroidメーカーにとって、この消費者トレンドは脅威とも言えるでしょう。
なお、高齢のユーザーは上のような小型端末を使うことも珍しくないということでした。
SIMカードは街のどこでも入手が可能
ラオスで外国人旅行者がSIMカードを手に入れる場合、英語の通じる空港の売店などが一般的な購入先です。この時点で購入のタイミングを逃すと、街でSIMカードを購入する必要があります。
この際にSIMカードのパッケージには電話番号が振られており、好きな番号を選ぶことができます。縁起の良い番号や連番は高額で転売の的となっており、旅行者には入手ができません。
セットアップもラオス人に任せればお手の物であり、電話アプリからダイヤルを打って済ませてくれます。非常に長いダイヤルを暗記しているラオス人ばかりですが、私は全く覚えられずに帰国しました。
SIMカードは街の売店であればどこでも購入ができますが、私が買った際には「開通できないハズレSIM」を当ててしまいました。購入後に開通できないことに気づき返金対応となりましたが、ヒヤヒヤした瞬間でした。
Source: Facebook
街でコードを買ってデータ容量をチャージ可能
ラオスでは上のような紙のトップアップカードを購入し、データ容量をチャージすることが主流です。街にあるコンビニや個人商店からこのカードを購入し、自分の電話番号にトップアップすることでパッケージの購入が可能です。
※記事内の情報は全て筆者が現地のショップ等から聞き取りをして得たものです。地域差もあるため正確性を必ずしも保証するものではありません。
高齢者向けに「携帯電話」という選択肢が残ってるのはいいな