日本のスマートフォン市場でiPhoneのシェアが拡大している原因は一体何か、筆者の個人的な分析をまとめてみました。
記事の内容はすべて筆者の考えに基づくものであり、必ずしも正しいものではありません。
目次
国内iPhone/Android利用率について
日本国内でのiPhone/Android利用率を示すデータが複数存在していますが、諸事情で記事内では掲載することができません。そこでこの記事はiPhoneの利用率が世代を問わず高くなっているという仮定をもとにしています。
なお、statcounter社のまとめたデータによると、日本のiOSシェアと世界のシェアは次の通りとなっています。
- 日本: 64.3%
- 世界: 26.8%
日本でのiPhone人気は世界的に見ても異常だと言われており、「世界でも珍しいiPhoneシェアがAndroidシェアを上回ることもあるマーケット」という説明もされることがあります。特に現代の中高生世代のiPhone支持率はかなり高いものとなっています。アメリカのテックジャイアント Appleを支えているのは日本という国の中高生世代と言っても過言ではありません。
原因①:トラブルの報告が多くされ評判が悪かったAndroid機種があった - 2010年~
ガラパゴス携帯からAndroidスマートフォンへシフトする動きが始まった初期の機種というのは、ソフトウェアやハードに問題を抱えていたものが一定の確率で存在していたのは事実です。意図なくトラブルが多い機種を選んでしまったユーザーが、Androidスマートフォンにトラウマを抱えてiPhoneへ移っていった、これはAndroidシェア低下の一つの原因として考えられます。むろん、これは現在の中高生世代に当てはまる話ではありません。
REGZA Phone IS04/T-01C - 2010年
今のAndroidスマートフォンでは考えられないようなトラブルや課題がREGZA Phone IS04にはありました。 メールの受信トラブルやアラームの誤作動、バッテリー周りの問題などが多く報告されています。
「は、はじめましてっ!IS04ですっ!REGZAフォンと呼んでください!」
ARROWS X F-10D - 2014年
docomoから主に発売されているARROWSですが、2014年発売のARROWS Xは不具合が多発して多くの不満がショップに寄せられた機種として有名です。この機種を契約したユーザーがdocomoを相手に返金と解約を求めて民事訴訟をし、勝訴したというケースもありました。
ARROWSユーザー、返金を求め訴訟――見事に勝訴(すまほん)
Xperia Z4 - 2015年
熱狂的なファンも多かったXperiaのZシリーズ。当時最高性能のSnapdragon 810を搭載していましたが、高性能すぎたチップセットが仇となり異常な発熱の原因となりました。その発熱はスマートフォンに触れないほどだったと筆者は記憶しています。同じくSnapdragon 810を搭載した後継機種のXperia Z5も発熱が問題となりました。
中古スマートフォン市場ではXperia Z4よりも前作のZ3の方が価格が高いという現象が起きていました。
Xperia Z4は高性能ながら発熱に悩まされた不遇のモデル(ASCII.jp)
これらはすべて実際に報告されたトラブル事例を紹介するためであり、紹介した機種および特定のメーカーを中傷する目的はありません。
頑張れ富士通とSony(東芝も)!
原因➁:プレインストールアプリの多さやキャリアの改変
プレインストールアプリの多さは、本体内蔵ストレージを圧迫したり、スマートフォンのパフォーマンスに影響してしまうこともあります。
また、キャリアモデルのAndroidスマートフォンでは、カラーラインナップが弱かったり、スペックダウン、独自ホームアプリが標準で設定され、キャリアロゴマークが本体にデザインされているというケースもあります。
どちらも、日本のみならず海外でも聞ける話です。日本国内外の通信キャリアが考えるべき問題であり、ユーザーがAndroidからiPhoneへ移る理由になりえます。ただし、プレインストールアプリというのはキャリアモデルのiPhoneを購入した場合でも付きまとう問題のため、iPhoneを肯定するための言い訳とも考えられます。
原因③:docomoよりiPhone 5S/5Cの登場 - 2013年
かつてのdocomoといえば、iPhoneを売らないことで有名でした。Softbankとは違い多くのメーカーのAndroidスマートフォンを幅広く揃えていることからAndroid派からの人気はありましたが、2013年になってiPhone 5S/5CでiPhoneの取り扱いを開始しています。
これによって日本国内の大手キャリア三社の全てがiPhoneを取り扱うという状況になり、docomoユーザーにAndroidとiPhoneの二つの選択肢を与えることになったのです。
当時は現在のように格安キャリア・スマートフォンはメジャーではなく、家族割りなどプランの関係でdocomoから離れられないというユーザーも存在していました。iPhoneが欲しいけど契約はdocomoで続けたい、こんなユーザーがdocomoのiPhoneに流れ始めました。
今も昔もスマートフォンは携帯キャリアから購入するという人がほとんどです。キャリアがどのようなラインナップを揃えるか、どういう商品をプッシュするのかでその国のマーケットシェアは大きく影響されるでしょう。
原因④:同調圧力・ジェネレーションギャップ - 2020年
2010年代後半になり、InstagramをはじめとするSNSが多くの世代で使われるようになりました。Instagramは特に10代・20代の若者から人気ですが、写真や自撮りをシェアしあうことで身に着けている物や経済力も不特定多数の人から同時に分かってしまうようになりました。
周りがiPhoneを使っているからAndroidは使いたくない、ファッションアイテムの一部としてAndroidではなくiPhoneが欲しいなど、スマートフォンは見るものから見られるものへ変化していっています。日本の場合、周りからの同調圧力はとても強く働いていると筆者は予想しています。
原因⑤:iPhoneが欲しいなら買えるだけのお金があるから
最後は単純です。全ての人に当てはまるわけではないですが、iPhoneが欲しくなれば買えるだけの経済力が日本人にはあります。「たくさん働いていつかiPhoneを買うのが夢」という話はこの日本では聞けません。
Androidスマートフォンへの不満や不信感が募った時、われわれ日本人にとってiPhoneを選ぶのは金銭的に難しい話ではないのです。
みなさんは日本人のiPhone人気についてどう考えていますか。AndroidユーザーのみなさんもiPhoneユーザーのみなさんも意見をコメントで教えて下さい。
画像Source: NEVERまとめ
最初にハゲがうまーくイメージ作って安くばら撒きまくって日本のスマホのデファクトスタンダード取っちまったのが、全てとは言わないけどかなり多くの部分を占めてるんじゃないかな。同調圧力強いし。