インドでは3月14日、スマートフォンを含む特定商品の税率を現行の12%から18%に引き上げることが決定しました。この税率変更は、4月1日から施行される見込みです。
この決定に対し、XiaomiやASUSの幹部をはじめとして、業界全体から反発の声が上がっています。
業界からは反発の声も
今回の税率の大幅な引き上げにより、インドのスマートフォン市場の成長にブレーキがかかる可能性があることは否定できません。
エレクトロニクス業界の産業団体「India Cellular and Electronics Association(ICEA)」でトップを務めるPankaj Mohindroo氏は増税の決定に対し、下記のコメントを発表しています。
GTS(筆者注:インドの間接税)の6%の増加は、インドのデジタル産業発展に対して非常に有害です。消費は抑制され、2025年までの国内消費目標は達成できなくなるでしょう。
Xiaomi IndiaのManu Kumar Jain氏もTwitter上で、インド政府の税率変更に反対意見を表明しています。
#GST increase for phones from 12% to 18% will crumble the industry.
Smartphone industry is already struggling with profitability due to depreciating INR vs US$.
Everyone will be forced to increase prices. This will further weaken mobile industry's #MakeInIndia program.
— Manu Kumar Jain (@manukumarjain) March 14, 2020
GSTによる税金の増加は、業界を崩壊させます。スマートフォン業界はすでにインドルピーとアメリカドルの為替変動の影響を受け、収益性の確保に苦労しています。
6%の税率増加によって、どのメーカーも値上げを余儀なくされます。
(※ツイートより筆者意訳)
また、ASUS IndiaのDinesh Sharma氏も、今回の税率変更に否定的な姿勢を示しています。
スマートフォンは私たちの日常生活に欠かせないものです。また、スマートフォンの製造販売は利益率が非常に低く、市場競争は激化しています。税金が上がれば、商品の販売価格に反映させるしかありません。
税率の上昇に加え、新型コロナウイルスの影響によるコスト増加で、スマートフォン価格の大幅上昇につながる恐れがあります。
また税率の上昇は、非倫理的な方法で税金の支払いから逃れようとするプレイヤーの増加も招きます。これにより、政府の税収は増税前より損なわれるでしょう。
(※ソースより筆者意訳)
税率変更により、インドのスマホ市場に変化が起こるかも
インド政府は「Make in India」プログラムの下、携帯電話産業の発展に力を入れている最中。今回の税率変更は、インドの携帯電話市場に大きな悪影響を及ぼすリスクが高く、各方面からさまざまな反対意見が寄せられています。
いまのところインド政府が税率変更を撤回する様子はなさそうです。このまま4月に税率が引き上げられると、インドでスマートフォン販売台数を伸ばしてきた中国メーカーの業績にも悪影響が及ぶ可能性があります。
さらに今は新型コロナウイルスの世界的流行により、多くの産業が苦しい局面を迎えています。このような時期にインド政府は増税を実施するのか、注目が集まっています。
Source:hindustantimes, xdadevelopers
インド市場大事だからね