MVNO大手のIIJmioは、SIMカードを必要としないeSIMプランとして、「eSIMプラン ベータ版(ライトスタートプラン)」を発表しました。これはMVNO業界初のeSIMプランになります。
eSIMとは物理的なSIMカードを必要としないSIMです。スマートフォン、タブレットの内部にSIMを埋め込み、プロファイルを書き換えることでデータ通信ができるようになる技術です。
物理的なSIMカードのスペースがなくなるのでその分バッテリーを詰め込めたり、防水機能を向上できるのですが、スマートフォン上でキャリアを変えられるので通信キャリアからは嫌われており、あまり普及していませんでした。(日本で利用できるeSIMはApple WatchやiPadぐらい)
そのため、MVNOのIIJmioからeSIMプランが出たのはかなり驚くべきことです。
eSIMプラン(ライトスタートプラン)の詳細について
現在、プランとしてはひとつだけとなっています。
通信容量は6GB、音声通話、SMSのできないデータ通信のみで月額1520円です。(同社の物理SIMプラント同様の価格設定です。)回線はDocomoであり、テザリングも可能です。なお、初期手数料は別途3000円かかります。
注意する点としては、物理SIMの代わりにeSIM用のプロファイルをインターネット経由でもらい、登録することで利用できるようになるのですが、このプロファイルを誤って削除すると有料で再発行となります。eSIM独特の注意点なので気をつけるようにしましょう。
使用可能な機種は?
当たり前ですが、eSIMに対応した機種でしかこのプランを体験することができません。
IIJmioで動作保証をしている端末は以下のものになります。
・Microsoft Surface Pro LTE Advanced
・Apple iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR
・Apple 11インチiPad Pro、12.9インチiPad Pro(第3世代)、iPad Air(第3世代), iPad mini(第5世代)
※SIMロックが解除されていることが条件
Apple製品で、eSIMに対応している機種は殆ど利用することができます。しかし、Apple Watchには対応していません。そこは残念ですね...
8月までキャンペーン実施中!
IIJmioは、ベータ版であるにもかかわらず、eSIMプラン登場を記念して8月までキャンペーンを実施しています。
第1段(7/18-7/31)は初期費用3240円を1円に値引きします。
第2段(8/1-8/14)は通信データを3ヶ月間1GB増量します。
第3段(8/15-8/28)は月額利用料金を3ヶ月間1000円引きにします。
狙い目は第1段と第3段ですね。皆さんお見逃し無いように!
【コラム】IIJがeSIMプランを出せる理由とは?
今回発表されたeSIMプラン、実はIIJだからこそ出せたプランなのです。
IIJは昨年2018年に日本で初めてフルMVNOとなりました。フルMVNOとは、移動体通信のコアネットワークの一部をMNO(Docomo, au, Softbank等)の設備ではなく、自社設備で運用してサービスの提供を行うMVNOです。特に、加入者管理機能(HLR/HSS)、識別子(MNC・IMSI)を保有している独立通信事業者となっています。
つまり、通信のための無線設備以外の殆どの機能を自社で賄うちょっとレベルの高いMVNOということです。
フルMVNOとなると、様々なメリットがありますがその一つに様々な形状のSIM を自社発行できるようになることがあります。eSIMを利用できるのは、フルMVNOだからこそできることなんですね。
eSIMはスマートフォンだけでなく、IoTデバイスへの利用が想定されています。eSIMが普及してユーザービリティが向上すると良いですね。
Source : IIJmio, エンタープライズIT
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